
ヤマハのXSR125は、そのレトロなスタイリングとモダンな性能が融合した「ネオレトロ」というジャンルで、多くのバイク愛好家から注目を集めています。
特に125ccという排気量ながら、その最高速がどれくらい出るのか?
そしてそれをさらに伸ばすにはどうすれば良いのかは、多くのライダーが知りたい情報ではないでしょうか?
今回は、XSR125の最高速度に焦点を当て、その実力と秘められた可能性を徹底的に解説していきます。
■この記事でわかること
- XSR125の最高速は120㎞!想定内?
- 高い最高速を求めるライダーにおすすめできるか?
- XSR125の最高速を更に伸ばす方法を完全伝授
- XSR125のライバル車は?
- 最後に統括
XSR125の最高速は120㎞!想定内?

XSR125の最高速度が120km/hというのは、125ccクラスのバイクとしては非常に優秀な数値です。
初めてこの情報を耳にした方の中には、「本当にそこまで出るの?」と驚かれる方もいるかもしれません。
しかし、これは決して誇張された数字ではありません。ヤマハがXSR125に搭載しているエンジンの特性や車体の設計を考慮すると、むしろ「想定内」と言えるでしょう。
高回転まで吹け上がるエンジン特性
XSR125に搭載されているエンジンは、ヤマハが誇る水冷4ストロークSOHC4バルブ単気筒エンジンです。
このエンジンは、高回転域まで非常にスムーズに吹け上がる特性を持っています。特に、ヤマハ独自の**VVA(可変バルブ機構)**が搭載されている点が大きいでしょう。
■可変バルブ機構とは?
可変バルブの「バルブ」とは、4ストロークエンジンのシリンダーヘッドに備わる「吸気バルブ」と「排気バルブ」のことです。そのバルブが開いたり閉じたりするタイミングなどをエンジンの回転数によって「可変」するのが「可変バルブ機構」です。
出典バイクのニュース
これにより、125ccという排気量ながら、高回転域での伸びやかな加速と、十分な最高速度を達成できるのです。
単なるピーキーな高回転型ではなく、低中速からの扱いやすさも兼ね備えているため、街乗りから高速巡航まで幅広いシーンでストレスなく走行できます。
軽量かつ高剛性な車体
XSR125は、その美しいスタイリングだけでなく、走行性能を支える車体設計にもヤマハのこだわりが詰まっています。
軽量でありながらも十分な剛性を確保したフレームは、高速走行時の安定性に大きく貢献しています。
車体が軽いことで、エンジンのパワーを効率よく路面に伝え、加速性能を高めるだけでなく、最高速度到達までの時間を短縮する効果もあります。
また、しっかりとした足回りのセッティングも、高速域での安定感を向上させています。しなやかなサスペンションと適切なタイヤの選択により、路面からの入力を適切に吸収し、ライダーに安心感を提供します。
これにより、ライダーは躊躇なくアクセルを開け、最高速度まで安心して到達させることができるのです。
空力性能も考慮されたデザイン
ネオレトロというコンセプトのデザインながら、XSR125は空力性能も考慮されています。
例えば、燃料タンクやシート周りの形状は、ライダーが伏せた際に風の抵抗を最小限に抑えるように設計されています。
また、ヘッドライトやメーター周りも、一見するとクラシカルな印象ですが、風の流れを意識した造りになっています。
最高速度域では空気抵抗が走行性能に与える影響が非常に大きくなるため、これらのわずかな空力性能の向上も、最高速度を120km/hに押し上げる要因の一つとなっています。
もちろん、ネイキッドスタイルであるため、フルカウルモデルのような圧倒的な空力性能はありませんが、このクラスのバイクとしては非常に良く考えられていると言えるでしょう。
高い最高速を求めるライダーにおすすめできるか?

XSR125は、125ccクラスとしては非常に高い最高速度を誇りますが、それが高い最高速を求めるすべてのライダーにおすすめできるかというと、一概には言えません。
ライダーの求める「最高速」のレベルや、それ以外の要素をどこまで重視するかによって評価は分かれるでしょう。
パフォーマンスと高速巡航のバランス
XSR125は、最高速度が120km/h出るだけでなく、街中での扱いやすさも兼ね備えています。
低速トルクも十分にあるため、信号の多い市街地でもストレスなく走行でき、ワインディングロードでは軽快なハンドリングを楽しむことができます。
そして、必要に応じて高速道路での巡航もこなせるだけのポテンシャルを持っています。
しかし、これが「どこまでも速さを求める」というタイプのライダーのニーズを完全に満たすかというと、少し違うかもしれません。
例えば、大型バイクのような圧倒的な加速感や、200km/hを超えるような最高速度を求めるのであれば、XSR125では物足りなく感じるでしょう。
XSR125は、日常使いからツーリングまで、幅広いシーンで「不足のない」パフォーマンスを発揮するバランスの取れたバイクであり、その中に「125ccとしては高い最高速」が含まれていると考えるのが妥当です。
維持費や取り回しの良さも考慮すべき点
最高速度を追求する一方で、バイクの維持費や取り回しの良さも考慮に入れるべき重要な要素です。
XSR125は125ccクラスであるため、車検の必要がなく、税金や保険料も大型バイクに比べて格段に安価です。
また、車体が軽量コンパクトであるため、日常の取り回しや駐輪場での出し入れも非常に楽に行えます。
これらのメリットは、純粋な最高速度だけを追求するライダーにとっては二次的な要素かもしれませんが、現実的なバイクライフを考えると非常に大きな魅力となります。
もしあなたが、維持費を抑えつつも、高速道路での移動も視野に入れたい、そして何よりも日常で気軽に乗りたいと考えているのであれば、XSR125の持つ「125ccクラスとしては十分な最高速」は、非常に魅力的な選択肢となるでしょう。
最高速だけを追い求めるのではなく、総合的なバイクライフの充実を求めるライダーにこそ、XSR125はおすすめできると言えます。
XSR125の最高速を更に伸ばす方法を完全伝授

XSR125の最高速が120km/h出ることは分かりましたが、「もっと速くしたい!」「限界まで性能を引き出したい!」と考えるライダーもいるでしょう。
ここでは、XSR125の最高速をさらに伸ばすための具体的な方法を4つ、完全伝授します。ただし、公道での速度制限は厳守し、安全運転を心がけてください。
駆動系の最適化(スプロケット交換)
最高速度を直接的に向上させる最も効果的な方法の一つが、駆動系の最適化、特にスプロケットの交換です。
スプロケットは、エンジンの回転力を後輪に伝えるギアの役割を担っており、フロントスプロケットとリアスプロケットの歯数の比率を変えることで、加速性能と最高速度のバランスを調整できます。
- フロントスプロケットの歯数を増やす(例:14T→15T)
フロントスプロケットの歯数を増やすと、同じエンジン回転数でのリアタイヤの回転数が上がり、結果として最高速度を伸ばすことができます。
ただし、その分加速力が鈍る傾向にあるため、街乗りでの出だしがもっさりしたり、上り坂でのパワー不足を感じる可能性があります。
XSR125の場合、純正が14Tなので、15Tへの交換が一般的によく行われます。
- リアスプロケットの歯数を減らす(例:48T→46T)
リアスプロケットの歯数を減らすことでも、最高速度を向上させることができます。フロントスプロケットを増やすのと同じ効果が得られますが、こちらも加速力は犠牲になります。
どちらか一方、または両方を組み合わせて調整することで、ライダーの求める走行特性に近づけることができます。
交換には専門知識や工具が必要な場合があるので、自信がない場合はバイクショップに相談しましょう。チェーンの長さ調整が必要になることもあります。
吸排気系の見直し(マフラー・エアクリーナー交換)
エンジンの吸排気効率を向上させることで、出力アップひいては最高速度の向上が期待できます。
- マフラー交換
純正マフラーは音量規制や排ガス規制に対応するため、排気抵抗が大きい場合があります。社外品のマフラーに交換することで、排気効率が向上し、エンジンのパワーアップに繋がります。
ただし、マフラー交換は音量や排ガス規制に適合している製品を選ぶ必要があります。
また、抜けの良いマフラーに交換すると、低速トルクが犠牲になる場合もあるため、出力特性の変化を理解しておくことが重要です。XSR125用には様々なメーカーからマフラーがリリースされており、デザインだけでなく性能アップを謳うものも多いです。
- エアクリーナー交換
純正のエアクリーナーボックスは吸気抵抗が大きめに設定されています。
高効率タイプのエアフィルター(例:K&N製など)に交換することで、より多くの空気をエンジンに供給できるようになり、燃焼効率の向上とパワーアップが期待できます。
さらに、エアクリーナーボックス自体を、より吸気抵抗の少ないファンネルタイプなどに交換する上級者向けのカスタムもありますが、こちらはセッティングが難しく、雨天走行などに影響が出る可能性もあるため注意が必要です。
吸排気系の変更は、エンジンのセッティング(燃料噴射量など)とのバランスが非常に重要です。
マフラーやエアクリーナーを交換した際は、燃料の濃さ(空燃比)が適正であるかを確認し、必要であればサブコン(後述)の導入やECUのリマッピングも検討すると、より効果的に性能を引き出せます。
FIコントローラー(サブコン)の導入
XSR125はフューエルインジェクション(FI)システムを採用しており、燃料の噴射量をECU(エンジンコントロールユニット)が電子制御しています。
マフラーやエアクリーナーを交換すると、吸排気効率が変わり、純正のECUセッティングでは最適な空燃比が得られなくなることがあります。
この状態で走行を続けると、エンジンの性能が十分に発揮されないだけでなく、最悪の場合エンジンにダメージを与える可能性もあります。
そこで役立つのが**FIコントローラー(サブコン)**です。
■サブコンとは?
サブコンとは「サブコンピューター」の略で、ECUの補助的な役割を行うためにそう呼ばれています。他に「インジェクションコントローラー」と呼ばれることもあります。
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これにより、変更したパーツの性能を最大限に引き出し、エンジンのパワーアップ、ひいては最高速度の向上に繋がります。
有名なサブコンとしては、エンデュランスやSP武川などからXSR125対応品がリリースされています。
車種専用のマップが用意されている製品もありますが、より細かくセッティングを詰めるには、シャシダイナモなどを備えたショップでの現車セッティングが理想的です。
車体の軽量化と空気抵抗の低減
純粋なパワーアップだけでなく、車体の軽量化も最高速度を向上させる有効な手段です。
軽くなることで、エンジンのパワーウェイトレシオが向上し、加速性能だけでなく、最高速度到達までの時間短縮にも繋がります。
- 軽量パーツへの交換
バッテリーをリチウムイオンバッテリーに交換したり、純正の重いパーツ(フェンダーレスキットへの交換など)を軽量なアフターパーツに交換することで、確実に車体を軽くできます。
また、より軽量なホイールへの交換なども効果的ですが、費用が高くなる傾向にあります。
- 不要な部品の取り外し
ツーリングで使わないキャリアやパニアケース、タンデムステップなど、取り外し可能な部品を外すだけでも多少の軽量化になります。
また、空気抵抗の低減も最高速度域では非常に重要です。
- ライディングフォームの改善
最も手軽で効果的なのが、ライダー自身のライディングフォームです。最高速度を出す際には、可能な限り伏せて、ヘルメットや体が受ける空気抵抗を最小限にするように心がけましょう。
- 小型のスクリーン装着
ネオレトロスタイルのXSR125にはあまり似合わないかもしれませんが、小型のスクリーンを装着することで、胸から上への風圧を軽減し、空気抵抗を低減できる場合があります。
ただし、デザインを損なわない範囲で検討しましょう。
これらの方法は単独でも効果がありますが、複数を組み合わせることで、より大きな効果が期待できます。ただし、改造は自己責任であり、安全に配慮し、法規を遵守することが大前提です。
XSR125のライバル車は?

XSR125の性能をより深く理解するためには、同クラスのライバル車と比較することが非常に有効です。
ここでは、XSR125の主なライバル車を挙げ、そのスペックを比較し、グラフで視覚的に分かりやすく解説します。
XSR125と主要ライバル車の比較はこちらです。

XSR125と主要ライバル車の比較
グラフからわかるように、XSR125は主要なライバル車と比較して、トップクラスの動力性能を持っていることを明確に示しています。
車重は最軽量ではありませんが、その差はわずかであり、走行性能に大きな影響を与えるほどではありません。
それぞれのモデルは異なるコンセプトを持っています。
CB125Rは「ネオスポーツカフェ」としてXSR125と近いコンセプトですが、よりモダンなスタイリングです。
DUKE125はアグレッシブなストリートファイタースタイル、GSX-R125とNinja125はフルカウルをまとった本格的なスーパースポーツスタイルです。
XSR125は、これらのライバル車と比較しても、動力性能面では非常に高いレベルにあると言えます。
そして、その特徴的なネオレトロスタイリングは、他のモデルにはない唯一無二の魅力です。
最高速度だけでなく、デザインや総合的な乗り味、そしてブランドの持つ世界観を含めて、XSR125は十分に競争力のある一台であると断言できます!
最後に統括

ここまで、ヤマハXSR125の最高速度に焦点を当て、その実力、そしてさらに速度を伸ばす方法、さらにはライバル車との比較まで、徹底的に掘り下げてきました。
XSR125の最高速度が120km/h以上というのは、125ccクラスのバイクとしては疑いようのない素晴らしい数値です。
これは、ヤマハがXSR125に搭載したVVA付き高回転型エンジン、軽量かつ高剛性なフレーム、そして空力性能も考慮されたデザインの総合的な成果と言えるでしょう。
単に速いだけでなく、日常使いからツーリングまで、幅広いシチュエーションでライダーに「走る楽しさ」を提供してくれるバランスの取れた一台です。
「もっと速くしたい!」というライダーの情熱に応えるために、スプロケット交換による駆動系の最適化、マフラーやエアクリーナー交換による吸排気効率の向上、そしてFIコントローラー(サブコン)の導入による燃料噴射の最適化など、具体的なカスタマイズ方法もご紹介しました。
これらのカスタムは、XSR125が持つポテンシャルをさらに引き出し、より刺激的な走りを実現するための有効な手段です。
ただし、カスタムは自己責任であり、安全と法規の遵守が大前提となることを忘れないでください!
また、主要なライバル車との比較では、全く引けを取らない、非常に高い動力性能を持っていることが明らかになりました。
それぞれのバイクが持つ個性は異なりますが、XSR125はスタイリング、性能、そして維持費のバランスにおいて、非常に魅力的な選択肢であると言えるでしょう。
XSR125は、単なる移動手段としてではなく、「バイクに乗る」という行為そのものを楽しませてくれる一台です。
そのネオレトロな見た目からは想像できないほどの高い走行性能と、カスタマイズによるさらなる可能性を秘めています。
もしあなたが、125ccクラスで「速さも楽しさも妥協したくない」と考えているなら、XSR125は間違いなくあなたの期待に応えてくれるはずです!
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