バイク盗難保険/「いらない」説について!気持ちは判るが・・

豆知識
Taku
Taku

「バイクの盗難保険なんて、ぶっちゃけいらないでしょ?」

バイクオーナーの間で、時々耳にするこの「いらない」説。。

特に、愛車にそこまで高額な費用をかけたくない、毎月の維持費を抑えたい、と考えているオーナーにとっては、魅力的な考えかもしれません。私自身も、かつてはそう思ったことがありました。

しかし、長年バイクに乗り、様々な盗難被害の事例を見てきたプロの二級二輪整備士の私からすると、この「いらない」という意見には、正直なところ「気持ちはわかる、でも全否定させてもらう!」と言わざるを得ない!

なぜなら、バイク盗難の現実は、多くのオーナーが想像する以上に厳しく、そしてメンタル崩壊します。。

この記事では、まず「盗難保険がいらない・・」という意見の背景にある考え方を整理し、その上で、なぜ私がその説を「全否定」するのか?

その見解を交えながら、徹底的に解説していきます。

■この記事でわかること

  • バイクの盗難保険「いらない」説について私の見解!
  • 実はバイクの盗難が一番多い県は大阪って知ってた?
  • 実は最もパクられやすい場所は堂々と敷地内って知ってた?
  • 【プロ目線】盗難保険の「いらない」説は全否定する!気持ちは判るが・・
  • 最後に統括

バイクの盗難保険「いらない」説について私の見解!

Taku
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バイク盗難保険を「いらない」と考えるライダーには、いくつかの共通した考え方があるようです。

ここでは、その「いらない」説に潜む主な意見と、それに対する私なりの見解を、賛否両論の形で解説していきます。

自分のバイクだけは絶対に盗まれない?

これは最も根強い「いらない」説の根源かもしれません。多くのライダーは、自分のバイクに限ってパクられるわけがない!、と考えています。

✅️賛:盗難対策をしっかりしているから大丈夫!

「地球ロックしてるし、アラームもつけてるから、うちのバイクは大丈夫だよ」「古いバイクだから、わざわざ盗まれないでしょ・・」といった自信が背景にあります。

確かに、徹底した盗難対策は非常に重要ですし、古いバイクは狙われにくい傾向にあるのも事実です。

️否:狙われるのは対策が甘いバイクから。でも油断は禁物。

残念ながら、盗難対策をしっかりしていても、プロの窃盗団は手口を巧妙化させています。どんなに強固なロックでも破る技術を持つ窃盗団も存在します。

また、「古いバイクだから大丈夫・・」というのも危険な考えです。部品取り目的や、海外への輸出目的で、年式問わず狙われるケースも少なくありません。

盗まれるか盗まれないかは、最終的には確率論であり、過信は禁物です。

「保険料が無駄・・」というコスパ意識

バイクの維持費はガソリン代、メンテナンス費、税金など多岐にわたります。そこに盗難保険の費用を上乗せすることに抵抗を感じるライダーも少なくありません。

️賛:毎月の出費を抑えたい!

「年間数万円の保険料を払うなら、その分カスタム費用に回したい・・」「保険料がもったいないから、その分貯金しておけばいい・・」といった考えは、非常に現実的で理解できます。

特に、若年層や経済的に余裕がないライダーにとっては、切実な問題でしょう。

️否:盗難時の損失を考えれば「安い」投資。

確かに保険料は出費ですが、万が一盗難された場合の損失は計り知れません。新車価格が数百万円のバイクなら、その全額が失われることになります。

保険料は年間数万円かもしれませんが、盗難時の損失と比較すれば、「万が一の保険」としてはむしろ安い投資だと考えるべきです。

貯金で補填できる額かどうか、冷静に判断する必要があります。

「どうせ戻ってこない・・」という諦め

盗難されたバイクが発見される確率は低い、という現実を知っているからこそ、「どうせ保険に入ってもバイクは戻ってこないなら意味がない・・」と考えるライダーもいます。

️賛:発見される確率が低いなら、保険金をもらっても意味がない。

盗難されたバイクが発見され、無傷で手元に戻ってくるケースは稀です。

多くの場合、バラバラにされて部品として売られたり、海外に密輸されたりします。だからこそ、「戻ってこないなら保険の意味がない」と感じるのも無理はありません。

️否:保険金は「次のバイク」への足がかり。

盗難保険の最大のメリットは、盗難されたバイクが戻ってこなかった場合に、経済的な補償が得られることです。

保険金が支払われれば、その資金を元手に新しいバイクを購入したり、残債を支払ったりすることができます。バイクが戻ってこなくても、保険金があれば再起を図れる、という点で非常に大きな意味があります。

「保険会社の手続きが面倒・・」という懸念

保険金請求の手続きの煩雑さや、支払われないケースがあるという情報から、最初から「面倒だからいらない・・」と考える人もいます。

️賛:手続きが複雑そうだし、どうせスムーズにはいかないんでしょ?

保険金請求には、警察への被害届の提出、必要書類の準備、保険会社とのやり取りなど、確かに手間がかかります。

ネット上には「保険金がなかなか支払われない・・」といった不満の声も散見され、それが敬遠される理由になっているのかもしれません。

️否:いざという時の安心には代えられない。

確かに手続きは必要ですが、多くの保険会社は盗難時のサポート体制を整えています。専門の担当者が手続きを案内してくれますし、不明点は問い合わせれば解決できます。

それよりも、盗難された時に「どうしよう・・」と路頭に迷う精神的な負担や、経済的な損失を考えれば、手続きの手間は乗り越えるべきものだと言えるでしょう。

バイクの盗難保険を「いらない」って言ってる奴は盗まれてもいいが前提?

Taku
Taku

「盗難保険いらない」と公言しているオーナーの中には、本当に「盗まれても諦めがつく・・」と思っている人もいるのか?

ここでは、その心理と、それが本当に現実的なのかどうかを3つの側面から掘り下げてみます。

少額なバイクだから「盗まれても諦めがつく」?

原付や古い小型バイクであれば、「盗まれても買い直せる・・」「そこまでの価値じゃない・・」と考えるライダーもいます。

確かに数万円~数十万円のバイクなら、貯金で何とかなるかもしれません。

しかし、長年連れ添った愛車への思い入れは、金額では測れないものです。日常の足として使っていた場合、失った後の生活への影響も大きいでしょう。

金額が小さくても、盗難された時のショックは大きく、後悔する可能性は十分にあります。

もしローンで購入したバイクであれば、盗難されてもローンは残ります。

手元にバイクがないのに、毎月ローンを払い続けなければならない、という最悪の状況に陥る可能性があります。

たとえ少額のバイクでも、ローンが残っている場合は盗難保険の重要性は跳ね上がります。

盗難対策を完璧にしているから?

前述した「過信」に近いですが、中には盗難対策に絶対的な自信を持ち、「保険は不要」とまで言い切るライダーもいます。

️完璧な対策など存在しない

どんなに強固なロックを何重にかけても、ガレージに保管していても、残念ながら100%の盗難防止策は存在しません。

プロの窃盗団は、工具の進化や手口の巧妙化を常に図っています。鍵を破壊したり、レッカーで運び去ったり、あらゆる手口で狙ってきます。

対策をすればするほど盗難リスクは下がりますが、「ゼロ」にはなりません。

️対策費用は保険料以上にかかることも

「完璧な対策」を目指せば、GPSトラッカー、各種アラーム、複数かつ最高強度のロック、監視カメラ、警備システム導入など、費用はかさみます。

これらの費用は、年間の盗難保険料をはるかに超えることも珍しくありません。

投資した盗難対策費用が、万が一盗難された時に戻ってくることはありませんが、保険なら補償されます。

「自分は運がいいから盗まれない」という非科学的な思考

これは完全に心理的な問題ですが、漠然と「自分は大丈夫・・」と思い込むライダーもいます。

️盗難は誰にでも起こりうる現実

盗難は、場所や時間、車種を選ばず、誰にでも起こりうる犯罪です。

特に統計を見れば分かるように、都市部や人気の車種は高い確率で狙われています。運に任せるのではなく、客観的なリスクを認識し、対策を講じることこそが賢明な判断です。

️最悪の事態を想定しておく重要性

「まさか自分が・・」という考えは、えてして最も後悔を生むものです。

楽しいバイクライフを送るためにも、万が一の最悪の事態を想定し、その備えをしておくことが、結果的に精神的な安心感にも繋がります。

実はバイクの盗難が一番多い県は大阪って知ってた?

Taku
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多くのライダーが漠然と「東京が一番盗難が多いだろう・・」と思いがちですが、実は近年、大阪府がバイク盗難の認知件数で全国トップを争う常連県となっています!

データが示す大阪の現実

警察庁の統計データを見ると、オートバイ盗難の認知件数において、大阪府は常に上位にランクインしており、年度によっては全国で最も盗難件数が多い県となることも珍しくありません。

️なぜ大阪が多いのか?

出典警察庁

年々、バイクの盗難は減って来ているんですが、それでも2017年に至っては年間3,431件のバイクが盗まれています!

要因としては、人口密集度が高いこと、交通インフラが発達しているため盗難後の運び出しが容易なこと、そして残念ながら、窃盗グループの活動が活発であることなどが挙げられます。

人気車種が多く流通していることも、狙われやすい一因でしょう。

もちろん、大阪に限らず、都市部やその周辺ではどこでもバイク盗難のリスクは高いです。

ただし、このデータは「どこにいても、盗難は身近な問題である・・」ということを強く示唆しています。

特に、大阪近郊にお住まいのライダーは、より一層の注意と対策が必要です。

他の地域でも油断は禁物

大阪の件数を挙げましたが、これはあくまで「認知件数」であり、どの地域でもバイク盗難は発生しています。

中心部だけでなく、一見安全に見える住宅地や郊外でも盗難は発生しています。人目が少ない場所や、防犯意識が低い地域は、かえって狙われやすいこともあります。

地域の盗難情報をSNSなどで共有し、どのような手口で狙われているかを知ることは、効果的な防犯対策に繋がります。

実は最もパクられやすい場所は堂々と敷地内って知ってた?

Taku
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「自宅の敷地内だから安心」と考えるライダーは多いですが、実は**盗難被害が最も多く発生しているのは、自宅の敷地内やマンションの駐車場など、油断しがちな「身近な場所」**なんです。

自宅・マンション敷地内の盲点

窃盗犯は、事前にターゲットを物色し、盗みやすい場所や状況を狙います。

最も時間をかけずに作業できる場所が、意外にも自宅の敷地内なのです。

「自分の家だから」「近所に見慣れない人がいれば気づく」という意識が、施錠の甘さや防犯対策の不足につながりやすいです。窃盗犯はそこを突いてきます。

窃盗犯は堂々と下見をして、セキュリティ状況やバイクの駐車位置、生活パターンなどを把握しています。

敷地内であれば、不審に思われずに下見がしやすい、という利点があります。

狙われやすいシチュエーションは?

自宅の敷地内でも、特に狙われやすいシチュエーションがあります。

夜間や早朝、人通りが少なく、目撃者がいない時間帯は、窃盗犯にとって絶好のチャンスです。特に深夜から未明にかけての犯行が多いです。

また施錠が一つだけで、ハンドルロックしかかけていない、または安価なロックが一つだけ、というバイクは、わずかな時間で簡単に持ち去られます。

死角になりやすい場所や、道路から見えにくい奥まった場所は、窃盗犯にとって作業しやすい環境です。

「敷地内だから大丈夫・・」という思い込みは捨て、自宅でも複数のロック、防犯カメラやセンサーライトの設置など、できる限りの対策を講じることが重要です。

【プロ目線】盗難保険の「いらない」説は全否定する!気持ちは判るが・・

Taku
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さて、これまで「盗難保険いらない」説の意見と、その裏に潜む現実を見てきました。

ここからは、バイクにまつわるプロとしての視点から、なぜ僕がこの説を「全否定」するのか、その理由を4つのポイントに絞って解説します。

盗難リスクは「人ごと」ではない現実

多くの人は「自分だけは大丈夫」と考えがちですが、盗難は誰にでも起こりうる現実です。

警察庁のデータを見れば、毎年数千台規模のバイクが盗難されています。これは決して少ない数字ではありません。特定の車種や地域では、そのリスクはさらに高まります。

✅️窃盗団の手口の巧妙化

昔の窃盗とは異なり、現代の窃盗団は組織化され、手口が非常に巧妙です。

鍵の破壊ツール、GPSを用いた追跡、レッカー車による強奪など、個人レベルの対策では太刀打ちできない場合も少なくありません。

どれだけ対策しても、プロに狙われたら防ぎきれない可能性があるという現実を認識すべきです。

経済的な損失と精神的ダメージ大

盗難された場合の経済的、精神的な損失は、多くの方が想像する以上です。

✅️ローン地獄からの脱出

ローンが残っているバイクが盗難された場合、バイクが手元にないのにローンだけを払い続ける「ローン地獄」に陥ります。

盗難保険があれば、保険金で残債を精算できるため、この最悪のシナリオを回避できます。

保険金があれば、失ったバイクの購入費用の一部、あるいは全額を補填できます。これにより、諦めていたバイクライフを再開するための資金を得られます。

経済的な再建は、精神的な立ち直りにも繋がります。

「たかがバイク」と思う人もいるかもしれませんが、多くのライダーにとってバイクは単なる乗り物ではありません。

長い時間を共に過ごし、様々な思い出が詰まった「相棒」です。それが突然奪われる喪失感や怒り、無力感は計り知れません。

保険金は、その心の傷を完全に癒すことはできませんが、少なくとも経済的な負担を減らし、立ち直りの一歩を後押ししてくれます。

ロードサービスなどの付帯サービスの価値

「ZuttoRide Club」のような盗難保険は、多くの場合、盗難補償だけでなく、充実したロードサービスがセットになっています。

盗難だけでなく、ガス欠、パンク、バッテリー上がり、故障など、ツーリング中の思わぬトラブルにも対応してくれます。

レッカーサービスや応急処置など、これらのサービスはライダーの大きな安心材料となります。

盗難保険とロードサービスを別々に契約するよりも、セットになっている方が結果的に費用を抑えられるケースも少なくありません。

盗難保険の費用を「万が一のバイク代」と「日々の安心」への投資と捉えることができます。

Taku
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私も加入している「ZuttoRide Club」の盗難保険はこちら

「もしも」の時の後悔を避けるために

結局のところ、盗難保険は「もしも」のための備えです!

「あの時、保険に入っておけばよかった・・」という後悔は、どんなにお金を積んでも取り消すことはできません。特に高額なバイクであればあるほど、その後悔は大きくなります。

保険に加入していることで得られる安心感は、何物にも代えがたいものです。

「もし盗まれても、保険があるから大丈夫」という心のゆとりは、日々のバイクライフをより楽しむことにも繋がります。

この安心感を得るための費用と捉えれば、決して「いらない」ものではないはずです。

最後に統括

Taku
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バイクの盗難保険、「いらない」説には、コスト面や心理的な側面から理解できる部分も確かにあります。

しかし、残念ながらその考え方は、現代のバイク盗難の現実と、万が一の際の損失の大きさを過小評価していると言わざるを得ません。

【最終結論】盗難保険は「いらない」のではなく「必要」である

盗難は「人ごと」ではない身近な脅威。 どんなに気を付けても、プロの窃盗団に狙われたら防ぎきれない可能性もある。

経済的損失と精神的ダメージは計り知れない。 ローン残債の重荷、失った愛車への喪失感、これらは保険金でしか補填できない。

付帯サービスの価値を見落とさない。 ロードサービスなど、日々の安心をサポートする価値も大きい。

「もしも・・」の後悔を回避し、安心を買う投資!

高額な出費のバイクだからこそ、確実な備えが必要。

あなたの愛車を守り、後悔のないバイクライフを送るために、盗難保険は「いらない」ものではなく、**「積極的に検討すべき重要な備え」**であると、私は強く主張します!

もちろん、どの保険を選ぶか、どれくらいの補償が必要かは、あなたのバイクの種類、保管状況、予算によって異なります。しかし、「盗難保険はいらない」と一蹴する前に、ぜひ一度、盗難リスクの現実と、保険が提供する安心の価値について、真剣に考えてみてください!

あなたの愛車は、本当に「絶対」安全だと言い切れますか?

Taku
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私も加入している「ZuttoRide Club」の盗難保険はこちら

この記事を書いた人
Taku
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二級二輪整備士:大型二輪免許取得:愛車Lead125
125cc専門の情報発信者。各車種のスペックや走行性能、燃費比較からメンテナンスまで知識ゼロから詳しくなれるよう、すべてを“教科書レベル”で徹底解説しています!

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