【なぜない?】ハンターカブ/オイルフィルター交換&時期調査

ホンダ車

※このページのリンクにはプロモーションが含まれています。

Taku
Taku

ハンターカブのオーナーになったばかりのライダーが、初めてのオイル交換に挑戦しようとした際に必ずと言っていいほど直面する大きな混乱がある。。

それは、オイルフィルターを取り付ける場所が、車体のどこを探しても見当たらないという事態です!

なぜないのか?、と焦るハメになるオーナーも少なくない。。これは、ハンターカブのオイルフィルター交換をする以前の話になり、交換時期が近ずいて来れば、どうすればいいのかパニックになることも珍しくないはずだ。

そこで、今回はハンターカブにおけるオイルフィルター設置場所のない謎を解き明かし、モデルごとの正しいフィルター交換方法と交換時期について徹底的に調査し解説していきます!

■この記事でわかること

  • 【結論】オイルフィルターがないのは旧型のハンターカブだけ?
  • 【JA55型/旧型】オイルフィルターがないならどうする?
  • 【JA65型/新型】待望のオイルフィルター搭載!交換時期と品番
  • 絶対間違えるな!適合する純正品番とおすすめ社外品
  • 自分でやる?お店に頼む?オイルフィルター交換
  • 最後に統括

【結論】オイルフィルターがないのは旧型のハンターカブだけ?

Taku
Taku

まず最初に結論から言うと、一般的なカートリッジ式のオイルフィルターが存在しないのは旧型モデルのみであり、新型モデルにはしっかりと装備されている!

この事実を知らずにメンテナンス用品を買い揃えてしまうと、無駄な出費をしてしまうだけでなく、最悪の場合は取り付けようとして無理やりカバーを開け、元に戻せなくなるといったトラブルを招く恐れすらあります。

そのため、まずはご自身の車両が旧型なのか新型なのかを確実に見分けることから始めましょう。

車体番号で見分ける「JA55」と「JA65」の違い

ハンターカブには大きく分けて二つの型式が存在します。

一つは2020年の発売開始から2022年の秋頃まで販売されていた初期モデルで、型式はJA55と呼ばれます。

そしてもう一つは、令和2年排出ガス規制に対応するためにモデルチェンジを行い、2022年12月から販売が開始された現行モデルのJA65です。

外見上の違いは非常に細かく、マフラーのガード形状やリアキャリアの塗装の質感などで判別することも可能ですが、最も確実なのは車検証や自賠責保険証に記載されている車体番号を確認することです。

車体番号の冒頭がJA55で始まっていれば旧型、JA65で始まっていれば新型となります。

クランクケースカバーの形状でも判別可

エンジンの外観、特に車体右側のクランクケースカバーの形状を見ることでも判別が可能です。

新型のJA65には、エンジンの右下部分に丸い蓋のようなパーツが3つのボルトで固定されているのが確認できます。

これがオイルフィルターを収めているカバーです。

対して旧型のJA55には、この丸い蓋が存在せず、のっぺりとした金属のカバーで覆われています。

もしあなたのハンターカブのエンジン右下を見て、丸い蓋が見当たらなければ、それは間違いなくJA55型の旧型であり、交換用のオイルフィルターは使用できないということになります。

なぜ旧型にはカートリッジ式オイルフィルターがないのか?

ここで疑問に思うのが、なぜ旧型のJA55には一般的なオイルフィルターが採用されていないのかという点。。

現代のバイクであればフィルターが付いているのが当たり前のように思えますが、これにはスーパーカブシリーズが歩んできた長い歴史と設計思想が深く関係しています。

JA55型のエンジンは、長年にわたり熟成されてきた伝統的な横型エンジンをベースにしています。

このエンジンは、メンテナンスフリーで過酷な環境下でも走り続けられることを至上命題として設計されており、消耗品である紙フィルターを定期的に交換するという概念よりも、エンジン内部の構造だけで異物を除去する仕組みを優先してきました。

遠心分離方式でオイルフィルター交換の手間をなくした

その仕組みこそが、遠心分離方式と呼ばれるものです。

エンジンの回転を利用してオイル内の汚れや金属粉を外側に飛ばし、きれいなオイルだけを循環させるというシンプルかつ堅牢なシステムです。

つまり、旧型ハンターカブにおいてフィルターがないというのは手抜きやコストダウンではなく、フィルター交換という手間さえも省こうとした、カブ本来のタフさを追求した結果の設計なのです。

しかし、時代の変化とともに環境性能やより高い精度が求められるようになり、新型のJA65からは最新のグローバルエンジンへと刷新され、その過程で現代的なカートリッジ式オイルフィルターが採用されるに至ったのです。

【JA55型/旧型】オイルフィルターがないならどうする?

Taku
Taku

ご自身のハンターカブがJA55型だと判明した方の中には、物理的なフィルターがないことに不安を覚えるオーナーもいるかもしれない。。

紙のフィルターで汚れを濾し取らなくて本当に大丈夫なのか?、エンジンが早死にしてしまうのではないか?、という心配はもっともです。

しかし、正しく構造を理解し、適切なケアを行えば、JA55型のエンジンも数十万キロを走り切るほどの耐久性を持っています。ここでは、JA55型オーナーが行うべきメンテナンスの真実について解説します。

守るべき砦は遠心フィルターとストレーナー

JA55型には紙のフィルターはありませんが、全く濾過機能がないわけではありません。エンジン内部には二つの重要な防御壁が存在しています。

一つ目は先ほど触れた遠心フィルターです。

これはクラッチと一緒に回転する部品で、その遠心力を利用してオイルに含まれる重たい金属粉やスラッジを分離し、フィルターケースの内壁に堆積させる仕組みになっています。いわば、ゴミをキャッチするゴミ箱のような役割を果たしています。

そして二つ目がオイルストレーナーと呼ばれる茶こしのような金網です。

これはエンジン底部に設置されており、循環するオイルの中に混じった比較的大きなゴミや異物を物理的にブロックする役割を担っています。

この遠心フィルターとストレーナーの二段構えによって、JA55型のエンジンオイルは清浄に保たれているのです。

遠心オイルフィルターの清掃時期と難易度

ただし、遠心フィルターも無限にゴミを溜め込めるわけではありません。いつかはゴミ箱がいっぱいになります。

ホンダのメンテナンスノートなどを確認すると、この遠心フィルターの清掃時期については具体的な距離数が明記されていないことも多いのですが、一般的には走行距離1万キロから2万キロ程度ごとの清掃が推奨されることが多いです。

しかし、ここで大きな問題となるのがその作業の難易度です。

新型のJA65であればボルトを数本外すだけでフィルター交換が可能ですが、JA55の遠心フィルターを清掃するためには、エンジンの右側にあるクランクケースカバー全体を取り外す必要があります。

これにはマフラーを外し、ステップをずらし、多数のボルトを緩め、固着したガスケットをスクレーパーで丁寧に剥がすという、非常に手間と時間のかかる作業が伴います。

そのため、多くのオーナーにとってはDIYで行うにはハードルが高く、ショップに依頼するのが現実的ですが、工賃もそれなりにかかってしまうのが実情です。

【JA65型/新型】待望のオイルフィルター搭載!交換時期と品番

Taku
Taku

続いて、2022年12月以降のモデルであるJA65型についてです。この新型エンジンの最大のトピックの一つが、カートリッジ式オイルフィルターの採用でした。

これにより、メンテナンス性は飛躍的に向上し、よりクリーンな環境でエンジンを稼働させることが可能になりました。

ここではJA65オーナーが知っておくべき具体的な交換サイクルや品番について解説します。

交換サイクル時期の目安はオイル交換2回に1回

JA65型におけるオイルフィルターの交換時期ですが、メーカーの推奨や一般的な整備基準に照らし合わせると、初回は慣らし運転が終わる

1000キロ時点で交換

することが強く推奨されています。

新品のエンジンは内部の部品同士が馴染む過程で微細な金属粉が出やすいため、最初のフィルター交換はエンジンの健康を左右する非常に重要なイベントです。

それ以降の交換サイクルについては、

走行距離6000キロごと、もしくはオイル交換2回につき1回

というペースが理想的です。

例えば、オイル交換を3000キロごとに行っている場合であれば、オイル交換を1回見送り、次のオイル交換のタイミングでフィルターも一緒に新品にするというリズムです。

もちろん、毎回交換しても車体に悪影響はありませんが、コストパフォーマンスを考えると2回に1回で十分な性能を発揮します。

絶対間違えるな!適合する純正品番とおすすめ社外品

Taku
Taku

自分で交換作業を行う際に最も注意しなければならないのが、部品の品番間違いです!

ホンダの純正部品として指定されているオイルフィルターの品番は

15412-MGS-D21

となります。

ホンダの純正部品として指定されているオイルフィルターの品番

出典https://store.shopping.yahoo.co.jp

これはハンターカブ専用というわけではなく、グロムやモンキー125などの横型エンジン搭載車と共通の部品です。

純正品を選ぶのが最も安心ですが、カー用品店やネットショップではデイトナやキタコといった有名パーツメーカーから発売されている互換品も容易に入手可能です。

社外品を選ぶメリット

社外品を選ぶメリットとしては、純正品よりも安価であることや、交換時に必要となるパッキン(Oリング)がセットになっている商品が多いことが挙げられます。

特にデイトナ製のオイルフィルターなどは、フィルター本体とカバー用のOリングが同梱されており、買い忘れの心配がないためDIY派のオーナーから高い支持を得ています。

Taku
Taku

私が自信を持っておすすめするデイトナのオイル交換セットはこちら!

Oリング(パッキン)とスプリングの紛失に注意

JA65型のフィルター交換は比較的簡単ですが、初心者が陥りやすい罠があります。

それは、「Oリングの交換と取り扱い」についてです。

フィルターカバーの裏側には、オイル漏れを防ぐためのゴム製のOリングが装着されています。これは基本的には再利用せず、フィルター交換のたびに新品に交換するのが原則です。

古いOリングを使い回すと、ゴムが硬化したり変形したりしているため、走行中にオイルが滲んでくる原因となります。

新しいOリングを装着する際は、噛み込みや破れを防ぐために、指で薄くエンジンオイルを塗布してからセットすることを忘れないでください。

そして、スプリングの紛失と向きの間違いにも注意が必要。

フィルターカバーを開けると、フィルター本体と一緒に小さなバネが飛び出してくることがあります。このバネはフィルターをエンジンの奥に押し付けて固定するための重要な部品です。

うっかり廃油受けの中に落としてしまい、気付かずに捨ててしまうというミスが後を絶ちません。作業中は慎重に部品を管理してください。

自分でやる?お店に頼む?オイルフィルター交換

Taku
Taku

ここまでモデルごとの違いを見てきましたが、実際に作業を行う場合、自分でやるべきか、それともプロのショップに任せるべきか悩むところです。

ここでは、作業の難易度と費用対効果の面から判断基準を提案します。

JA65(新型)ならDIYも簡単!

あなたがJA65型のオーナーであれば、オイルフィルター交換を含めたオイル交換作業は、DIY入門として最適な作業と言えます。

特別な設備は必要なく、一般的なハンドツールがあれば自宅の駐輪場でも十分に完結できるからです。

作業時間は慣れれば30分もかかりません。

ショップに依頼した場合の工賃は、地域や店舗にもよりますが数千円程度かかるのが一般的です。数回自分で交換すれば、工具代の元は十分に取れてしまいます。

また、自分の手で愛車をメンテナンスすることで、バイクの状態を把握できるようになり、愛着が一層深まるというプライスレスなメリットもあります。JA65型に関しては、積極的にDIYに挑戦してみることをおすすめします。

JA55(旧型)の内部清掃はプロに任せるのが無難

一方で、JA55型の遠心フィルター清掃に関しては、話が全く別です!

クランクケースカバーを開けるという作業は、単なる消耗品交換の域を超えた分解整備に近い行為です。

もしガスケットをきれいに剥がしきれずに新しいガスケットを組んでしまえば、エンジンオイルが漏れ出し、走行中にタイヤにかかって転倒するといった重大な事故につながるリスクがあります。

JA55型の清掃作業をショップに依頼した場合、工賃は決して安くはありませんが、それは確実な技術と安全を買うための必要経費と捉えるべきです。

プロのメカニックであれば、清掃と同時にクラッチの摩耗具合や、その他内部パーツの健康状態もチェックしてくれます。

JA55型の内部清掃に関しては、よほど整備に自信がある方を除いて、プロに任せるのが賢明な判断と言えるでしょう。

最後に統括

Taku
Taku

ここまで、ハンターカブにおけるオイルフィルターの有無と、モデルごとのメンテナンス方法の違いについて詳しく解説してきました。

同じ名前を持つバイクであっても、JA55型とJA65型ではエンジンに対するアプローチが全く異なることがお分かりいただけたかと思います。

「フィルターがない・・」からといってJA55型が劣っているわけではなく、そこにはカブ本来のタフネスさを追求した哲学があり、逆にJA65型には現代の環境に合わせた精密さとメンテナンス性の高さがあります。

重要なのは、情報の錯綜に惑わされることなく、自分の愛車がどちらのタイプなのかを正しく認識し、その構造に合った適切なケアを続けることです。

JA55型であれば頻繁なオイル交換で汚れを排出し、JA65型であれば定期的なフィルター交換でクリーンな状態を保つ。方法は違えど、エンジンを大切にしたいというオーナーの想いは同じはずです。

正しい知識と愛情を持って接していれば、ハンターカブはその頑丈な車体で、あなたをまだ見ぬ素晴らしい景色へと連れて行ってくれることだろう!

■関連記事はこちら

この記事を書いた人
Taku
Taku
二級二輪整備士:大型二輪免許取得:愛車Lead125
125cc専門の情報発信者。各車種のスペックや走行性能、燃費比較からメンテナンスまで知識ゼロから詳しくなれるよう、すべてを“教科書レベル”で徹底解説しています!

コメント