
新基準原付のバイクがリリースされ、最近では公道を走り始めている。
しかし、この大きな制度変更の裏側で、非常に危うい誤解やデマがネット上を中心に勃発している現状を、私はプロの二級二輪整備士として非常に残念に思う。
特に多く見かけるのが、あの圧倒的な人気を誇るPCXが新基準原付で乗れるようになった?、というガセネタだ!
もしこの情報を鵜呑みにして、原付一種免許しかないライダーが現行のPCXを運転してしまえば、それは立派な無免許運転となる。。
このコンテンツでは、なぜこのような誤解が生まれてしまったのか?、そして本来のルールがどうなっているのかを、現場のメカニックとしての主観と経験を交えて、徹底的に解説していきます。
■この記事でわかること
- なぜ新基準原付でPCXに乗れるガセ情報が広がったのか?
- PCXはきちんとした区分で乗るからこそ価値がある
- 新基準原付はあくまで環境規制や安全基準への対応
- 「ネットで書いてた・・」は一切通用しない!
- 新基準原付の絶対条件最高出力は4kW以下!
- もし間違えてPCX125に乗ってしまったら・・
- PCX125の新基準原付モデルが出る可能性はあるのか?
- 最後に統括
なぜ新基準原付でPCXに乗れるガセ情報が広がったのか?

新しい制度が導入される際、情報の伝達過程でどうしても省略が起こります。
新基準原付という制度そのものが、125cc以下の排気量を持つバイクの中から、出力を制限したものだけを原付一種として扱うという非常に分かりにくい仕組みであることが、今回の混乱の元凶です。
プロの整備士から見れば一目瞭然の違いであっても、一般のバイクオーナーにとっては排気量という数字がすべてに見えてしまうのも無理はありません。
125ccは原付一種という言葉足らずな報道

2025年から2026年にかけて、多くのテレビニュースやネット記事が、原付免許で125ccまでのバイクに乗れるようになると報じました。
しかし、その見出しの多くは、出力制限(4kW以下)という極めて重要な条件を、意図的にか無意識にかは分かりませんが、削ぎ落として伝えてしまったのです。
読者は125ccなら何でもいいという間違った認識を植え付けられ、その結果として、125ccクラスで最も知名度があり、誰もが憧れるPCX125も対象に含まれると思い込んでしまいました。
バイクに詳しくない層が排気量だけで判断

これまで日本の原付一種は50cc以下という非常に明快な基準がありました。
しかし、新しい制度では、排気量という物理的な容積ではなく、最高出力という目に見えないエンジンの性能が基準となりました。
バイクに詳しくない人からすれば、同じ125ccなのだからPCX125も大丈夫だろうと考えてしまうのは、心理的には理解できなくもありません。
しかし、整備士として言わせてもらえば、同じ排気量であっても、その中身、つまりエンジンの設計や制御によって生み出されるパワーは月とスッポンほどの差がある。
PCXはきちんとした区分で乗るからこそ価値がある

PCXはPCXとして、きちんとした区分で乗るからこそ価値があるバイクだと思っている。
無理やり原付一種に押し込めようとする発想自体がズレています。新基準原付は“原付を取り巻く環境の更新”であって、“原付の定義を壊す制度”じゃない。
結論として、「新基準原付でPCXに乗れる」という話は、現実を無視した願望混じりのガセ情報だと断言する。
信じたい気持ちは分かります。でも、信じる前に考えよう。バイクは自由の乗り物だけど、法律から自由になれるわけじゃない。
新基準原付はあくまで環境規制や安全基準への対応

新基準原付の話は、あくまで環境規制や安全基準への対応が主眼だ。
排ガス規制や騒音規制、装備の基準が変わるという話であって、「今まで原付じゃなかったバイクが原付になります!」という魔法の制度ではない。
ここを意図的か無意識かは別として、すり替えて話す人が多すぎます。。

特にPCXの名前が出やすいのは、「見た目がスクーターで、いかにも原付っぽい」からでしょう。
でもそれは完全にイメージの話であって、法的な区分とは何の関係もない。見た目が原付っぽければ原付になるなら、ビッグスクーターも全部原付になってしまう。。
「ネットで書いてた・・」は一切通用しない!
個人的に一番危ないと思うのは、
みたいな、根拠ゼロの楽観論だ。
こういう話を信じてしまうと、最終的に困るのは本人です。取り締まりの現場で「ネットでそう言書いてた・・」は一切通用しないし、責任を取ってくれるインフルエンサーもいない。
そもそも、本当にPCXが新基準原付で合法的に乗れるようになるなら、メーカー、行政、ニュースメディアが一斉に大きく取り扱うはず。。
新基準原付の絶対条件最高出力は4kW以下!

新基準原付を正しく理解するために、最も重要な数字が4kW(キロワット)という出力の壁です。
これを馬力に換算すると約5.4馬力になります。
従来の50ccエンジンの多くが4馬力から5馬力程度であったことを考えれば、この制限がいかに厳しいものであるかが分かるでしょう。一方で、バイクオーナーが乗りたいと願っているPCX125は、そもそもどのような性能を持っているのか?
PCX125のスペックを現実的に比較

現行モデルのPCX125(JK05型など)の最高出力は、約9.2kW、馬力にして約12.5馬力に達します。
新基準原付として認められる上限が4kWであるのに対し、PCX125はその2倍以上のパワーを叩き出しているのです。
この圧倒的な性能差こそが、PCX125が原付二種として扱われる理由であり、原付一種免許では決して乗ることができない物理的な証拠です。
整備士の視点から見れば、PCX125はもともと時速100キロ以上の巡航も視野に入れた設計がなされており、時速30キロ制限を前提とした新基準原付とは、DNAそのものが異なります。
排気量が同じでも中身は全くの別物
エンジンの排気量とは、あくまでシリンダーの容積を示す数字に過ぎません。
PCX125は、その125ccという容積を最大限に活用して、効率よく燃料を燃やし、高いパワーを出すように最適化されています。
対して新基準原付のモデルは、125ccという大きな器を使いながらも、あえて吸気量を絞ったり点火時期を調整したりすることで、出力を半分以下に抑え込んでいます。プロの現場では、同じ車種名であっても、この出力特性の違いを明確に区別します。
もし、外見がPCXに似ているからといって、中身が9.2kWのままであれば、それは紛れもなく原付二種なのです。
もし間違えてPCX125に乗ってしまったら・・

もし、あなたがガセネタを信じて、原付一種免許のまま普通のPCX125を公道で走らせてしまった場合、リスクを背負う事になります!
バレなければいいという安易な考えは通用しません。今の警察は新基準原付の導入に伴い、取り締まりの基準を極めて厳格化しています。
無免許運転で一発取り消し

原付免許で4kWを超えるPCX125を運転することは、道路交通法における無免許運転(正確には、必要な免許の条件を満たさない運転)に該当します。
この違反の罰則は極めて重く、違反点数は25点。つまり、過去に一切の違反がなくても、その場で一発免許取り消し処分となります!
さらには、最短でも2年間は免許を再取得できない欠格期間が課せられます。仕事で車を使う方や、通学にバイクが欠かせない方にとって、これは社会生活を破壊するに等しい打撃です。
事故を起こしても保険金が1円も下りない

さらに恐ろしいのは、事故を起こした際の対応です。任意保険やファミリーバイク特約は、あくまで契約者が正当な免許を所持し、正しく登録された車両を運転していることを前提としています。
無免許運転状態で事故を起こした場合、たとえ相手に過失があったとしても、あなたへの保険金の支払いは原則としてされないだろう。。
対人・対物賠償についても、保険会社が支払いを拒否する、あるいは支払った後にあなたへ全額請求(求償)してくるケースがほとんどです。
PCX125の新基準原付モデルが出る可能性はあるのか?

では、将来的にパワーを4kW以下に抑えたPCX125Liteのようなモデルが登場し、原付免許で乗れるようになる可能性はあるのか?
これについては、ホンダの開発思想や市場環境を鑑みると、非常に厳しいと言わざるを得ません。私個人の主観では、PCXの新基準版が出る可能性は極めて低いと考えています。
【結論】PCX125 Liteモデルは出ないだろう・・

PCX125の最大の魅力は、その豪華な装備とゆとりある走行性能にあります。
■ホンダがリリースした新基準原付のLiteシリーズ
アイドリングストップ、ABS、キーレスエントリー、そして余裕のパワーを支える大柄な車体。
これらをすべて維持したまま、パワーだけを4kWに抑えてしまえば、130キロを超える重量級の車体を満足に加速させることすら困難になります。
また、PCXの価格帯は原付一種としてはあまりに高額すぎます。装備を簡略化して安くしようとすれば、それはもはやPCXではなくなってしまいます。
ホンダとしても、PCXというプレミアムブランドの価値を、パワーのない廉価版で薄めたくはないはずです。整備士の目から見ても、PCXをわざわざ新基準原付にするメリットは、コスト的にも技術的にも見当たりません。
最後に統括

最後にもう一度繰り返します。現在、市販されている普通のPCX125は、原付一種免許では絶対に乗ることはできない!
ネットに溢れる125cc解禁という言葉の裏にある、出力制限4kWという絶対条件を、どうか忘れないで欲しい。
ガセネタを信じて警察に捕まったり、事故で人生を棒に振ったりしてからでは遅いのです。
そのためには、正しい知識を身につけ、法を守り、自分の免許の範囲内で最適な一台を見つけることが不可欠です。
もし、目の前にあるバイクが原付免許で乗れるかどうか不安になったら、ネットの書き込みを信じるのではなく、信頼できるバイクショップのスタッフに、直接そのバイクの「最高出力は何キロワットですか?」と尋ねてみてください。
バイクは、正しく乗れば日常を豊かにしてくれる最高のツールですが、間違った乗り方をすれば凶器にもなり得ます。
4kWの壁を正しく理解し、あなたにぴったりの、そして合法的な愛車を見つけよう!
■関連記事はこちら
- 125ccバイク買うならどこがいい?プロがぶっちゃける!
- 【最新!】125ccスクーターで加速度ヤバいランキング!
- 【国産】125ccスクーターでレトロでかわいい車種大全集!
- 【ロングも楽】125ccでツーリング向きなスクーターを伝授!
- 【125cc】値落ちしないバイクランキングの徹底大全集!
- 【注意!】125ccバイクの慣らし運転情報はガセが多い!
- 【125cc】二人乗りしやすいオススメのバイクはコレだ!
- 【15馬力!】125ccスクーターの馬力ランキング7選だ!
- 125バイクに適した耐水圧50000mmのレインウェア3選!
- 二人乗りがキツい125ccをプロ目線で徹底ガチ解説!
- 125ccネイキッドバイクにぴったりなサイドバッグはコレ!
- 落ちない125ccバイクのドリンクホルダーが最強だった!
- 125ccバイクのサングラス/風の巻き込み防風完全防御!
- 125ccバイクに適したユニクロのジーンズが最強だった!
- スクーターに100均のスマホホルダーを付けたらクソすぎた!
- 125ccで高速道路が走れる合法的な改造方法と手順について
- 【自己責任】125ccバイクで高速バレない方法はあるのか?
-
二級二輪整備士:大型二輪免許取得:愛車Lead125
125cc専門の情報発信者。各車種のスペックや走行性能、燃費比較からメンテナンスまで知識ゼロから詳しくなれるよう、すべてを“教科書レベル”で徹底解説しています!
- 2026年1月7日ホンダ車モンキー125にダサいおじさんが乗るのは正直イタい!?
- 2026年1月7日ホンダ車モンキー125に乗るかわいい女子ライダー5選!
- 2026年1月7日ホンダ車モンキー125は小さすぎるから危ない!?ガチな理由8選!
- 2026年1月7日ホンダ車モンキー125の飽きるしつまらないってぶっちゃけどうよ?

コメント