天空の林道に125ccバイクは無謀か?むしろ逆だった・・

ツーリング
Taku
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「天空の林道」として知られる絶景ルート、中津明神山。その息を呑むようなパノラマビューと、走りごたえのあるダート路面は、多くのライダーを惹きつけてやみません。

しかし、125ccバイクのオーナーの中には、こんな風に考えて二の足を踏んでいる方も多いのではないか?

  • 「あの険しそうなダートを125ccで走るのは、さすがに無謀じゃないか・・?」
  • 「パワー不足で坂を登れなかったらどうしよう・・」
  • 「大きなアドベンチャーバイクじゃないと、楽しめないんじゃないか・・」

もしあなたが少しでもそう感じているなら、結論から言います。

その心配は全くの不要です!

それどころか、天空の林道は125ccバイクの魅力が最大限に輝く、最高の舞台です。

この記事では、なぜ125ccが無謀どころか「最強」と言えるのか?、その具体的な理由から、実際に走行する際の注意点、おすすめの車種、万全の準備まで、あなたの不安を「行ってみたい!」という確信に変えるための全てを解説します!

■この記事でわかること

  • そもそも「天空の林道」ってどんなところ?
  • なぜ125ccバイクは無謀どころか「逆」に有利だったのか?
  • もちろんデメリットもある!125ccバイクの弱点と対策
  • 天空の林道におすすめ!125ccバイク5選【タイプ別】
  • これだけは準備しろ!天空の林道125ccツーリングの持ち物リスト
  • 最後に統括

そもそも「天空の林道」ってどんなところ?

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まず、我々が目指すステージについて理解を深めましょう。

「天空の林道」の通称で知られるこの道は、高知県と愛媛県の県境にまたがる「中津明神山(なかつみょうじんやま)」の山頂付近を走る林道です。

正式名称は「中津明神山線」と言います。

標高は約1,541m。

山頂付近までバイクで駆け上がることができ、四国山地を一望できる大パノラマが広がります。

出典YouTube

天空の林道

アクセスルートにもよりますが、麓からの道のりは走りごたえ十分。そして最大の特徴は、路面が舗装路と未舗装路(ダート)のミックスであることです。

この道のハイライトは、なんといってもその眺望。

視界を遮るものがない笹原の中を駆け抜ける爽快感は、他では味わえません。天候に恵まれれば、眼下に雲海が広がる幻想的な風景に出会えることもあります。

まさに「天空」の名にふさわしい絶景ロードです。

魅力的な道である一方、自然の厳しさも併せ持っています。

道幅が車一台分ほどしかない狭い区間や、ガードレールのない崖沿いの道も存在します。

また、路面は砂利が浮いていたり、雨でぬかるんでいたり、落石があったりと、常に変化します。決して油断のできない、チャレンジングな道であることも事実です。

この「美しさと厳しさ」が同居する道だからこそ、バイク選びが重要になってくるのです。

なぜ125ccバイクは無謀どころか「逆」に有利だったのか?

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大型バイクが唸りを上げて駆け抜けていく中、125ccバイクでトコトコと走る姿は、一見すると非力に見えるかもしれません。

しかし、実際にこの道を走ると、その認識が180度変わります。

125ccならではの特性が、驚くほどこの道にマッチしているのです!

理由①:軽さは正義!圧倒的なヒラヒラ感

オフロードの世界で古くから言われる格言、「軽さは正義」、これは天空の林道においても絶対的な真理です。

道幅の狭い天空の林道では、対向車とのすれ違いや、絶景ポイントでの方向転換が頻繁に発生します。

車重200kgを超える大型バイクでは「よっこいしょ・・」と気合を入れる場面でも、100kg前後の125ccならヒラリと向きを変えられます。

この手軽さが、精神的な余裕に直結します。間違えて脇道に入ってしまっても、引き返すのが全く苦になりません。

どんなに気をつけていても、ダートでの転倒リスクはゼロではありません。

もし転倒してしまった場合、大型バイクを一人で引き起こすのは至難の業です。

しかし、125ccなら多くの人が自力で引き起こせるでしょう。この「いざとなれば何とかなる」という安心感が、臆することなくアクセルを開け、走りを楽しむ勇気を与えてくれます。

また、ギャップや轍(わだち)が続く荒れた路面では、重いバイクは車体を持っていかれやすく、腕力も消耗します。

一方、軽い125ccは車体をコントロールしやすく、まるでマウンテンバイクのように障害物をひょいひょいと乗り越えていけます。

理由②:抜群の足つき性が生む絶対的な安心感

ダート走行において、マシンの軽さと並んで重要なのが「足つき性」です。

砂利が浮いた滑りやすい路面や、傾斜のある場所で停車する際、両足がベッタリと地面に着くことの安心感は計り知れません。

大型のオフロードバイクはシート高が高いモデルが多く、バレリーナ状態になることも珍しくありません。

その点、多くの125ccは足つきが良く、不意にバランスを崩しそうになっても、足でしっかりと車体を支えることができます。

天空の林道は、どこを切り取っても絵になる絶景の連続です。

「あ、今の景色いいな」と思った瞬間に、サッと停まってバイクを降り、気軽に写真を撮れる。このフットワークの軽さは、旅の満足度を大きく左右します。

足つきに不安がなければ、停車する場所を選ぶストレスもありません。

理由③:意外と登る!粘り強いエンジンと燃費

「125ccのパワーで、あの坂道を登れるの?」という心配はもっともです。しかし、結論から言えば全く問題ありません。

林道走行は、高速道路のようにスピードを出す場所ではありません。

むしろ、エンジンの回転数を上げすぎず、低速トルクを使ってトコトコと地面を掴むように走るのがセオリーです。

最近の125ccエンジンは低回転域でも粘り強く、急な勾配も1速や2速を駆使すればグイグイ登っていきます。

むしろ、有り余るパワーを繊細にコントロールする必要がある大型バイクより、パワーを使い切って走れる125ccの方が楽しい、と感じるライダーも多いのです。

山奥の林道で最も避けたいトラブルの一つが「ガス欠」

天空の林道周辺にはガソリンスタンドがほとんどありません。

リッター50km以上走ることも珍しくない125ccの驚異的な燃費性能は、この上ない武器になります。満タンにしておけば、ガス欠の心配をほとんどせずに走り回れる。

この精神的な余裕は、ツーリングの質を大きく高めてくれます。

理由④:景色を味わう「トコトコ旅」に最適

そもそも、天空の林道へは何をしに行くのか?それは、スピードを出すためではなく、日常を忘れるほどの絶景を全身で味わうためのはずです。

125ccバイクの心地よい巡航速度は、まさに景色をじっくりと楽しむのに最適なスピードです。

急かされることなく、周囲の風景の移り変わりや、風の匂い、鳥の声を感じながら走る。これこそが林道ツーリングの醍醐味であり、125ccはそのための最高の相棒と言えるでしょう。

通勤や通学で使っている愛車で、そのまま非日常の冒険に出かけられる。

この懐の深さも125ccの魅力です。

高価な大型バイクを新たに購入しなくても、いつものバイクに少し準備をプラスするだけで、これほどの絶景に出会えるのです。

もちろんデメリットもある!125ccバイクの弱点と対策

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ここまで125ccのメリットを力説してきましたが、もちろん弱点がないわけではありません。

しかし、それらは事前に対策を知っておけば、十分にカバーできるものばかりです。

パワー不足は感じる

ダート区間では問題ありませんが、麓から林道入り口まで続く長い登坂路(舗装路)では、さすがにパワー不足を感じる場面もあります。

後続車に道を譲るなど、割り切った走り方が必要です。

対策としては、スピードを求めるのではなく、これも旅の一部と捉え、ゆったりと走りましょう。エンジンを回しすぎず、適切なギア選択を心がけることが大切です。

純正タイヤで大丈夫?

多くの125ccが標準で履いているのは、オンロード向けのタイヤです。

乾いた締まったダートなら走れないことはありませんが、砂利が深い場所やぬかるみでは滑りやすく危険です。

対策としては可能であれば、ブロックパターンに近いオフロード寄りのタイヤ(例:IRC GP-22、ダンロップ D604など)に交換するのが理想です。

交換が難しい場合でも、空気圧を少しだけ(規定値から10〜20%ほど)下げると、グリップ力が向上し走りやすくなります。

振動で尻が痛くなる

単気筒エンジンが主流の125ccは、長時間走行すると振動で手やお尻が痛くなることがあります。

対策としては、ゲルクッション(ゲルザブなど)をシートに取り付けるだけで、快適性が劇的に向上します。

また、こまめな休憩を心がけ、スタンディング(立ち乗り)を織り交ぜて走るのも有効です。

高速道路に乗れない問題

遠方からアクセスする場合、高速道路や自動車専用道を使えないのは明確なデメリットです。

なので、下道でのアクセスルートを事前にしっかりと計画しましょう。

ツーリングマップルやスマートフォンのナビアプリを駆使し、景色の良い快走路を探しながら向かうことで、移動時間そのものをツーリングとして楽しむことができます。

前泊するなどの余裕を持ったスケジュールを組むのがおすすめです。

天空の林道におすすめ!125ccバイク5選【タイプ別】

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ひとくちに125ccと言っても、様々なタイプのバイクがあります。ここでは天空の林道というステージに特におすすめのモデルを5つ厳選しました。

【林道キング】CT125ハンターカブ / クロスカブ

もはや説明不要の林道キング。

アップマフラーやアンダーガードを備え、悪路走破性を前提に設計されています。

粘り強いエンジンと大きなリアキャリアは、キャンプツーリングも視野に入るほどの積載性を誇ります。どちらを選んでも間違いのない、最も信頼できる相棒です。

【遊べるマニュアル】モンキー125 / ダックス125

「遊び心」で選ぶならこの2台。

その圧倒的な軽さとコンパクトな車体は、まるで自分の手足のように操れます。小回りの良さは特筆もので、どんな狭い道でも不安を感じさせません。

ブロックタイヤに交換すれば、最強の林道お散歩マシンに早変わりします。

【意外な実力派】GSX-R125 / S125

一見すると最も林道に不向きに見えるスポーツバイク。

しかし、「軽さ」と「スリムさ」という武器を持っています。

タイヤをオフ寄りのものに交換し、無理のない速度で走れば、意外なほどの走破性を発揮します。何より、オンロードの道中が最も快適で楽しいというメリットがあります。

【本格オフロード】KLX125 / KDX125SR(中古市場)

より本格的にダート走行を楽しみたいなら、中古市場でこれらの純粋なオフロードバイクを探すのも手です。

長いサスペンションストロークと本格的なブロックタイヤは、他のバイクとは一線を画す安心感と走破性をもたらしてくれます。

【スクーターは?】PCX125やリード125で挑戦は可能か?

結論から言うと、おすすめはできません。。私も愛車であるリード125で挑戦した経験がありますが、正直おすすめできません。。

小さなホイール径と短いサスペンションはダート路面のギャップを吸収しきれず、非常に不安定な走行になります。また、むき出しのエンジン下部を岩などにヒットさせるリスクも高いです。

走れないことはありませんが、バイクへのダメージとリスクを考えると避けるのが賢明でしょう。

これだけは準備しろ!天空の林道125ccツーリングの持ち物リスト

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天空の林道へ向かうための準備についてです。万全の準備が、安全で楽しいツーリングの鍵を握ります。

パンク修理キット&携帯空気入れ

最重要アイテムです。

携帯電話の電波も届かない山奥でパンクしたら、レッカーを呼ぶことも困難です。自分で修理できる技術と道具は必須と考えましょう。

携帯工具

チェーンの調整やボルトの増し締めなど、最低限のトラブルに対処できる工具セット。

スマートフォンとモバイルバッテリー、ナビや緊急連絡用に。電波が不安定な場所も多いですが、オフラインでも使える地図アプリを入れておくと安心です。

服装と装備

  • ヘルメット・グローブ・プロテクター

オフロード走行も可能なヘルメット(バイザー付きなど)が望ましいです。転倒時の怪我を軽減するため、肘・膝・胸部などを保護するプロテクターの着用を強く推奨します。

  • ライディングウェア

山頂は麓より気温が10度近く低いこともあります。体温調整しやすいよう、重ね着できる服装が基本です。防水性のあるアウターは必須です。

あると便利なモノ

  • 予備燃料ボトル

燃費の良い125ccでも、万が一に備えて1リットル程度の予備燃料があると精神的な安心感が格段に違います。

また、自動販売機などは一切ありません。水分と、チョコレートやカロリーメイトなどの行動食を必ず携行しましょう。

最後に統括

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「125ccで天空の林道は無謀」。それは、スペックや排気量という一面的な数字だけを見て判断した、単なる思い込みに過ぎません。

実際に重要なのは、その道をいかに安全に、そしていかに楽しむかです。

その点において、**「軽さ」「足つきの良さ」「扱いやすさ」**という、125ccが持つ最大の武器は、大型バイクのパワーを凌駕するほどの強力なアドバンテージとなります。

転倒を過度に恐れることなく、狭い道で不安になることもなく、ただ目の前に広がる絶景と、タイヤが土を掴む感触に集中できる。

これほど贅沢な体験はありません。

この記事を読んで、少しでも「自分でも行けるかも」と思っていただけたなら、ぜひ次の休みの計画を立ててみてください。

あなたのガレージに眠る125ccバイクは、あなたが思っている以上にずっと冒険心に満ちた、頼もしい相棒なのですから。

さあ、万全の準備をして、最高の冒険へ出かけよう!

この記事を書いた人
Taku
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二級二輪整備士:大型二輪免許取得:愛車Lead125
125cc専門の情報発信者。各車種のスペックや走行性能、燃費比較からメンテナンスまで知識ゼロから詳しくなれるよう、すべてを“教科書レベル”で徹底解説しています!

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