WR125Rを自分でモタード化する方法!7ステップで完結!

ヤマハ車
Taku
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ヤマハが誇る究極の125ccオフロードモデルであるWR125Rを、オンロード走行に特化したモタード化へと作り替える作業は、多くのオーナーにとって憧れのカスタマイズと言えるだろう。

2026年、新型WR125Rのリリースによって再びこのマシンのポテンシャルに注目が集まっていますが、あえてオフロードモデルのRをベースに、自分だけの一台を作り上げるプロセスには、既製品のモタードを買うだけでは得られない価値がある。

このコンテンツでは、バイク屋に頼まなくても自分の手でWR125Rをモタード化するための具体的な手順を、プロの二級二輪整備士である私が徹底的に解説していきます!

■この記事でわかること

  • WR125R/モタード化の前に知っておくべきメリットと注意点!
  • 【前準備】モタード化に必要なパーツと工具
  • 【実践】WR125R/自分でモタード化する7つのステップ
  • モタード化のよくあるトラブルと解決策
  • 自分でモタード化した場合の費用シミュレーション
  • モタード化後のセッティングと慣らし運転
  • 最後に統括

WR125R/モタード化の前に知っておくべきメリットと注意点!

Taku
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まず最初に、なぜ多くのライダーがオフロード走行を楽しめるWR125Rをわざわざモタード化しようとするのか?、その理由と直面する現実を理解しておく必要があります。

モタード化とは単にホイールを小さくするだけの作業ではなく、バイクの運動特性を根本から書き換える作業だからです。

【メリット】劇的に変わる旋回性能とグリップ力

モタード化によって得られる最大の恩恵は、オンロードでの圧倒的な旋回性能です。

フロント21インチ、リア18インチという大径ホイールは、本来路面の凹凸を乗り越えるためのものですが、舗装路においてはその慣性の大きさがクイックな動きを阻害する要因にもなります。

これを前後17インチに小径化することで、バイクは驚くほど軽快に、そして寝かし込みがスムーズな特性へと変貌します。

また、オフロードタイヤ特有のブロックによる接地面積の少なさが解消され、ロード専用のハイグリップタイヤを履けるようになることで、コーナリング中の安心感は別次元のものへと進化します。

【メリット】足付き性の向上!シート高が下がる

WR125Rの唯一の弱点として語られることが多いのが、875mmという高いシート高による足付きの悪さです。

しかし、ホイールを17インチ化することで、車体全体の重心が数センチメートルほど下がります。

これは足付きに不安を感じていたライダーにとって非常に大きなメリットとなり、信号待ちでの安心感や、取り回しの際の心理的なハードルを劇的に下げてくれます。

シート高が下がることで膝の曲がりに余裕ができ、長距離ツーリングにおける疲労軽減にも繋がります。車格の大きさを維持したまま、扱いやすさだけを手に入れられるという点は、モタード化が支持される隠れた大きな理由と言えるでしょう。

【デメリット】構造変更やメーター誤差の注意点

一方で、カスタムには必ず責任が伴います。

ホイール径を変更することで、スピードメーターの表示と実際の速度に大きな誤差が生じます。WR125Rはフロントから速度パルスを拾っているため、小径化するとメーターは実速度よりも速い数字を表示するようになります。

これを放置して公道を走行することは安全上の問題だけでなく、法規的にもグレーな領域に踏み込むことになります。

また、厳密には車軸の変更に伴う構造的な変化があるため、将来的な売却や車検制度(125ccにはありませんが、今後の法改正の可能性も含め)を意識した慎重な作業が求められます。

【前準備】モタード化に必要なパーツと工具

Taku
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理想のモタードを完成させるためには、事前の準備が成功の8割を決めます。現在のパーツ供給状況を踏まえ、どのような選択肢があるのかを整理していきましょう。

ホイール選び(純正か?社外品か?)

最も重要なパーツであるホイールについては、大きく分けて二つのルートがあります。

一つは、海外仕様として存在する兄弟車WR125Xの純正ホイールを流用する方法です。

これはハブの寸法やディスクローターの取り付け位置が完全に一致するため、最も確実で信頼性の高い選択肢となります。

しかし、現在ではWR125Xの純正パーツも手に入りにくくなっているため、もう一つの選択肢である社外のワイドリムを使用するルートが主流になりつつあります。

エクセルリムなどの定評あるメーカーのリムに、WR125Rの純正ハブを組み合わせる手法です。

この場合、スポークの長さを計算して組み上げる技術が必要になりますが、リムの幅を自由に選べるため、140サイズのワイドなリアタイヤを履かせたいといったこだわりを形にできるメリットがあります。

17インチ対応タイヤ(ハイグリップか?ツーリングか?)

タイヤ選びは、あなたがこのマシンでどのような道を走りたいかによって決まります。

もし週末の峠道でスポーツライディングを極めたいのであれば、ブリヂストンのバトラックスシリーズといったハイグリップタイヤが最適です。

125ccのパワーに対しては十分すぎるほどのグリップ力を発揮し、路面に吸い付くような感覚を味わえます。

一方で、毎日の通勤や長距離キャンプツーリングがメインであれば、耐摩耗性に優れたツーリングタイヤを選ぶのが賢明です。モタード化するとタイヤの摩耗が早まる傾向にあるため、自分の走行距離を考慮して最適なコンパウンドを選ぶことが、維持費を抑えるコツとなります。

意外と忘れるショートサイドスタンド

多くの初心者が陥る罠が、ホイールを小さくした後に車体が直立してしまう問題です。

前後17インチにすると車高が下がるため、純正の長いサイドスタンドのままではバイクが反対側に倒れそうになるほど直立してしまいます。

これを防ぐために、あらかじめ数センチメートル短いショートサイドスタンドを用意しておくか、純正を加工する算段を立てておく必要があります。

【実践】WR125R/自分でモタード化する7つのステップ

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それでは、具体的な作業手順に入っていきましょう。この7つのステップを一つずつ確実にこなしていくことで、あなたのWR125Rは確実にモタードへと進化していきます。

STEP1:車体のジャッキアップ

まずはバイクを安全に持ち上げることから始まります。

オフロードバイク用のセンタージャッキを使用するのが一般的ですが、WR125Rはアンダーガードの形状に注意が必要です。

フレームの最も安定する位置にジャッキを当て、フロントとリアの両輪が地面から浮くまでゆっくりと持ち上げます。この際、作業中に揺れてバイクが落下しないよう、タイダウンベルトを使って天井や周囲の柱と車体を固定しておくと安心です。

STEP2:フロントホイールの取り外し

ジャッキアップが完了したら、フロントアクスルシャフトのボルトを緩めてホイールを引き抜きます。

この際、ブレーキキャリパーがホイールに干渉して傷をつけないよう、必要に応じてキャリパーを一度外してウエス等で保護し、フォークに吊り下げておきましょう。

STEP3:リアホイールの取り外し

次にリアセクションに移ります。

チェーンアジャスターを緩め、チェーンをスプロケットから外した状態でアクスルシャフトを引き抜きます。

外した純正ホイールから、ブレーキディスクとスプロケットを取り外します。これらを新しい17インチホイールに移設することになりますが、ボルト類は必ず洗浄し、ネジロック剤を使用して規定トルクで締め付けるようにしてください。

特にスプロケットは駆動力がダイレクトにかかる部分ですので、緩みは重大な事故に繋がります。

STEP4:17インチホイールへのタイヤ組み込み

新しいホイールにタイヤを組み込む作業は、DIYの中で最も力のいる工程です。

タイヤレバーを使用してリムに傷をつけないよう、リムプロテクターを併用しながら慎重に進めます。

コツは、タイヤのビード部分にたっぷりとビードクリームを塗ること、そして常に反対側のビードをリムの中心(ドロップ部分)に落とし込んでおくことです。これだけでレバーにかかる負荷が劇的に減ります。

STEP5:ホイールの装着とアライメントのチェック

タイヤを組み込んだホイールを車体に戻します。

アクスルシャフトには新しいグリスを薄く塗り込み、スムーズに挿入できるようにします。

リアホイールについては、チェーンの張りを調整しながらアライメント(車軸の平行)を慎重に出していきます。左右のアジャスターの目盛りを合わせるだけでなく、リアスプロケットとフロントスプロケットが一直線に並んでいるかを視視で確認してください。

STEP6:フロントフォークガードの加工

WR125Rをモタード化する際に見落としがちなのが、フロントフォークを保護するプラスチック製のガードと、太くなったタイヤとの干渉です。

オフロード用の21インチタイヤよりも17インチのロードタイヤは幅が広くなるため、フォークガードの内側にタイヤが擦れてしまうことがあります。

この場合、干渉する部分をカッターやリューターで慎重に削り取る加工が必要になります。見た目の美しさを損なわないよう、少しずつ削っては確認を繰り返すのがポイントです。

STEP7:最終確認!チェーンラインとブレーキの作動点検

すべてのパーツが装着されたら、最後の総点検です。

まず、前後ブレーキを数回握り、ピストンを押し出してブレーキが確実に効くことを確認してください。

すべての準備が整ったら、最初は超低速での試走を行い、ボルトの緩みがないかを再度確認して、ようやくモタード化の完成となります。

モタード化のよくあるトラブルと解決策

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作業を進めていく中で、必ずと言っていいほど直面するいくつかの課題があります。これらをどう乗り越えるかが、完成度の高いモタードを作る分かれ道となります。

スピードメーターが狂う?速度パルス補正のやり方

ホイール径が小さくなったことで、純正メーターはハッピーメーター(実速度より高く表示される状態)になります。

これを解決するためには、スピードメーターの配線に割り込ませてパルス信号を補正するデバイスを導入するのが一般的です。

現在のデバイスは、スマートフォンのアプリと連携して、タイヤの銘柄や正確な外径を入力するだけで補正率を自動計算してくれるものが増えています。

GPS速度計と比較しながら、誤差が1%以内になるように微調整を行いましょう。これを正確に行うことで、走行距離の狂いも防ぐことができ、メンテナンスサイクルの管理も容易になります。

チェーンがタイヤに干渉する場合の対処法

リアに140サイズ以上の太いタイヤを履かせた場合、ドライブチェーンとタイヤのサイドウォールが接触することがあります。

これは非常に危険な状態で、走行中にチェーンがタイヤを削り取ってしまいます。

解決策としては、フロントとリアのスプロケットを数ミリメートル外側にオフセットさせるスペーサーを挿入するか、チェーン自体をシールレスの幅の狭いものに交換する手法があります。

ただし、オフセットさせすぎると今度はクランクケースやチェーンガイドに干渉するため、絶妙なバランス調整が求められます。自分のマシンに最適なクリアランスを見極めることが、モタード化の醍醐味でもあります。

サイドスタンドが長すぎて車体が直立する?

サイドスタンドの問題は、単に短いものに変えるだけでなく、傾き加減にもこだわりたいところです。

あまりに短いスタンドを選ぶと今度は傾きすぎて、駐車スペースをとるだけでなく、スタンドの接地面に過度な負荷がかかります。

理想は、WR125Xの純正サイドスタンドを入手することですが、手に入らない場合は、純正スタンドの中ほどをカットして溶接し直すか、調整式の社外スタンドを導入するのがベストな解決策です。

自分でモタード化した場合の費用シミュレーション

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気になるコスト面について、2026年の市場価格をベースに計算してみましょう。すべてを新品で揃えるこだわりプランと、中古を賢く活用する格安プランの二つを想定しました。

まず、こだわりプランでは、エクセルリムの新調、ニップルやスポークの特注、ハイグリップタイヤの購入、そしてスピード補正デバイスの導入まで含めると、約15万円から20万円程度の予算を見ておく必要があります。

これにブレーキディスクの大型化などのカスタムを加えると、さらに費用は嵩みます。

一方で、格安プランとして、オークション等でWR125Xの中古ホイールセットを運良く入手でき、タイヤも中古の程度の良いものを探せば、約8万円から12万円程度に抑えることが可能です。

項目 節約プラン(中古・流用) こだわりプラン(新品・社外)
ホイール一式 50,000円 〜 80,000円 100,000円 〜 140,000円
タイヤ前後 15,000円 〜 20,000円 30,000円 〜 45,000円
チューブ・リムバンド 5,000円 8,000円
スピードメーター補正 12,000円 18,000円
ショートサイドスタンド 3,000円 〜 5,000円 10,000円
ブレーキ・スプロケ移設 0円 15,000円
DIY用工具・ジャッキ 10,000円 25,000円
合計目安(DIY工賃 0円) 約 95,000円 〜 約 206,000円 〜

DIYで行うため工賃はゼロですが、専用のジャッキやタイヤレバーなどの工具をゼロから揃える場合は、プラス2万円程度の初期投資が必要です。

新車でWR125Rを買ってすぐにモタード化する場合、この出費をどう捉えるかが鍵になりますが、オフロードホイールを予備として持っておけることを考えれば、十分に投資価値のあるカスタマイズと言えるでしょう。

モタード化後のセッティングと慣らし運転

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形が完成したからといって、すぐに全開走行をするのは禁物です。モタード化されたマシンは、サスペンションの動きもオンロード仕様に最適化させる必要があります。

WR125Rの純正サスペンションは、オフロードでの大きな段差を吸収するために柔らかく設定されています。

17インチ化してオンロードを攻めるようになると、ブレーキ時のノーズダイブが大きすぎたり、コーナーでの踏ん張りが足りなく感じたりすることがあります。

まずはフロントフォークの突き出し量を数ミリメートル変更して旋回性を微調整し、リアサスペンションのプリロードを強めて車体の姿勢を整えましょう。

本格的に走るなら、フォークオイルの粘度を上げたり、スプリングを強化品に変えたりといった、次のステップのカスタマイズも見えてきます。

また、タイヤの皮剥きも極めて重要です。

新品のロードタイヤは表面に剥離剤が残っており、最初は非常に滑りやすい状態です。

少なくとも最初の100km程度は、急な加減速や深いバンクを避け、徐々に接地面を広げていくような丁寧なライディングを心がけてください。同時に、作業したボルト類に緩みが出ていないか、走行のたびに増し締め確認を行うことが、DIYライダーとしての最低限のたしなみです。

最後に統括

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WR125Rを自分でモタード化するというプロジェクトは、単なるパーツ交換の枠を超えた、技術と情熱の結晶です。

21インチのオフロード車が、自分の手を経て17インチの俊敏なストリートファイターへと生まれ変わる瞬間は、何物にも代えがたい達成感を与えてくれます。

125ccという扱いやすい排気量だからこそ、こうした深いカスタマイズの差がダイレクトに走りに現れ、操る楽しさを何倍にも増幅させてくれるのです。

本記事で紹介した7つのステップは、決して楽な道のりではありません。

重いホイールの着脱、固いタイヤの組み込み、そして細かなメーター補正。

しかし、それら一つひとつの作業を自分で行うことで、あなたは愛車の構造を誰よりも深く理解し、本当の意味でマシンと対話できるようになるはずです。

失敗を恐れず、しかし安全には最大限の敬意を払いながら、あなただけの最強のWR125Rモタードを作り上げようではないか!

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この記事を書いた人
Taku
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二級二輪整備士:大型二輪免許取得:愛車Lead125
125cc専門の情報発信者。各車種のスペックや走行性能、燃費比較からメンテナンスまで知識ゼロから詳しくなれるよう、すべてを“教科書レベル”で徹底解説しています!

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