【どっちにする?】Z125proVSグロム対決!プロ目線解説

4:カワサキ車
Taku
Taku

ミニバイク市場の二大巨頭、カワサキのZ125PROとホンダのグロム。

そのコンパクトな車体と、個性あふれるデザインで、発売以来多くのライダーを魅了し続けてきました。

通勤・通学の足として、またセカンドバイクとして、あるいはカスタムベースとして、様々な用途で活躍するこの二台。

しかし、いざどちらかを選ぼうとすると、「結局、どっちが合っているのか?」「どっちを買えばいいのか?」と迷ってしまうライダーも少なくありません。

見た目は似ているようでいて、実はそのキャラクターは全く異なります。

この記事では、プロの二級二輪整備士として長年この二台に携わってきた私が、スペック表だけでは決して見えてこない、Z125PROとグロムが持つ「真の個性」を徹底的に深掘りします。

エンジンのフィーリングから、乗り心地、カスタムの可能性、そして中古車市場の現状まで、プロの視点で詳細に解説していきます!

■この記事でわかること

  • Z125PRO VS グロムはどっちがいいのか?プロ目線で解説
  • Z125PROとグロムの決定的な違いは?
  • 乗り心地はどっちがいいのか?
  • 最高速度はどっちが速いのか?
  • 最後に統括

Z125PRO VS グロムはどっちがいいのか?プロ目線で解説

Taku
Taku

Z125PROとグロム、どちらを選ぶべきか。これは、ライダーがバイクに何を求めるかによって答えが変わってきます。

プロの視点から、それぞれのバイクが持つ強みと弱みを比較し、5つのポイントで解説します。

デザインとブランド:個性を求めるならZ125PRO、王道をいくならグロム

バイク選びにおいて、デザインは非常に重要な要素です!

Z125PROは、カワサキの誇るストリートファイター「Zシリーズ」の末弟として、そのDNAを色濃く受け継いでいます。

鋭く吊り上がったデュアルヘッドライト、シャープなラインを描くタンクシュラウド、そしてマッシブな雰囲気を醸し出すエキゾーストパイプ。

全体的に攻撃的で、**「人とは違う、尖った個性を主張したい」**というライダーには、Z125PROのデザインが深く刺さるでしょう。

一方、グロムはホンダらしい、どこか親しみやすさを感じさせるデザインが特徴です。丸みを帯びた燃料タンクや、シンプルで飽きのこないシルエットは、老若男女問わず万人受けする普遍的な美しさを持っています。

また、現行モデルではより洗練されたデザインへと進化し、豊富なカラーバリエーションもグロムの大きな魅力です。

**「流行に左右されず、長く愛せる一台が欲しい」**というライダーには、グロムの普遍的なデザインが最適です。

  • Z125PRO

個性的、攻撃的、ストリートファイター風。カワサキの「Z」ブランドの血統を感じたいライダーに。

  • グロム

普遍的、親しみやすい、万人受け。ホンダのバイクらしい安心感を求めるライダーに。

エンジン:高回転まで回して楽しむZ125PRO、トルクフルなグロム

両車とも125ccクラスの空冷単気筒エンジンを搭載していますが、そのキャラクターは全く異なります。

Z125PROのエンジンは、最高出力9.7psを8,000rpmという高回転域で発生させるセッティングになっています。

これにより、低回転域ではややトルクが細いと感じるものの、高回転まで軽快に吹け上がり、伸びやかな加速感を楽しむことができます。

まるでレーシングカートのように、エンジンをぶん回してスポーティーな走りを好むライダーには、Z125PROのフィーリングがたまらないでしょう。

対するグロムのエンジンは、最高出力9.8psを7,000rpmで発生させます。これはZ125PROよりも低い回転数で最大の力を引き出すことを意味します。

このセッティングにより、低速域から力強いトルクを発揮し、街中でのストップ&ゴーや、緩やかな坂道でも非常に扱いやすいのが特徴です。

ゆったりと景色を楽しみながら、トコトコと走りたいライダーには、グロムのトルクフルな走りが心地よく感じられるはずです。

  • Z125PRO

高回転型、スポーティーなフィーリング。エンジンを回して走る楽しさを追求。

  • グロム

トルクフル、街乗りでの扱いやすさ。低速からの力強さと、スムーズな加速が魅力。

足回り:乗り心地のZ125PRO、スポーツ性のグロム

足回りに関しても、両車のキャラクターは明確に分かれています。

Z125PROは、前後サスペンションが柔らかめにセッティングされており、路面の凹凸やギャップをよく吸収してくれます。

これにより、荒れた路面でも突き上げ感が少なく、快適な乗り心地を提供します。

通勤・通学で路面状態の悪い道を通ることが多いライダーには、Z125PROのサスペンションが疲労を軽減してくれるでしょう。

グロムは、Z125PROに比べてサスペンションが硬めにセッティングされています。

この硬さが、路面からのフィードバックをダイレクトにライダーに伝え、ワインディングなどでスポーティーな走りを楽しむ際に、高い安定感と接地感をもたらします。

サーキット走行や峠道でのスポーツライディングをメインに考えているライダーには、グロムの足回りが優れていると言えます。

  • Z125PRO

柔らかめ、快適な乗り心地。街乗りでの快適性を重視。

  • グロム

硬め、スポーティーな走り。スポーツライディングでの安定感を追求。

燃費性能:長距離移動も安心なグロム

燃費性能は、日々の維持費に直結する重要な要素です。

カタログ上の燃費性能を比較すると、グロムがWMTCモードで65.1km/L、対するZ125PROが定地燃費で57.6km/Lと、グロムの方が優位に立っています。

もちろん、実際の燃費はライダーの乗り方や走行状況によって大きく異なりますが、一般的にグロムの方が燃費が良い傾向にあります。

さらに、燃料タンク容量もグロムが現行モデルで6.0L、Z125PROが7.4Lと、Z125PROの方が容量は大きいですが、グロムの優れた燃費性能により、航続距離ではグロムが勝る可能性があります。

給油回数を減らしたい、長距離移動が多いというライダーには、グロムの方が経済的で安心感があります。

  • Z125PRO

燃費は標準的。

  • グロム

優れた燃費性能。給油回数を減らしたい、経済性を重視するライダーに。

カスタムのしやすさ:パーツの豊富さでグロムが圧倒的にリード

ミニバイクの大きな魅力の一つが、豊富なカスタムパーツです。

Z125PROも多くのメーカーからカスタムパーツが販売されていますが、グロムはそれをはるかに上回るほどのパーツが市場に流通しています!

エンジン系のチューニングパーツから、オリジナリティあふれる外装パーツ、そして足回りのカスタムパーツまで、**グロムはまさに「カスタムベースの王様」**です。

自分だけの特別な一台をイチから作り上げたい、様々なカスタムを楽しみたいというライダーには、グロムの圧倒的なパーツの豊富さが大きな魅力となるでしょう。

  • Z125PRO

パーツは豊富。しかし、グロムに比べると選択肢は少ない。

  • グロム

圧倒的なパーツの豊富さ。カスタムを楽しみたいならグロム一択。

Z125PROとグロムの決定的な違いは?

Taku
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Z125PROとグロムは、単なるライバル関係ではなく、それぞれが独自のアイデンティティを持っています。

その違いは、細かなスペックや設計思想に現れています。

トランスミッション:4速のZ125PRO、5速または6速のグロム

Z125PROは、発売当初から一貫して4速ミッションを採用しています。

街乗りでの使用をメインに考えれば十分なギア数ですが、高速域ではギアが足りず、エンジンの回転数が高くなりがちです。

一方、グロムはモデルチェンジごとにミッションが進化しています。初期型は4速でしたが、2016年からの新型は5速、そして現行モデルはついに6速ミッションを搭載しました。

ギアが多段化されたことで、よりきめ細かなギアチェンジが可能になり、スムーズな加速と高速巡航時のエンジンの余裕が生まれました。

シート高と足つき:Z125PROは高め、グロムは低め

ミニバイクだから足つきが良い、というイメージは両車とも当てはまらない部分があります。

Z125PROのシート高は780mmと、ミニバイクとしてはやや高めです。

さらに、シート幅も広いため、身長165cm以下のライダーだと両足が地面にしっかりとつかず、つま先立ちになることがあります。

一方、グロムはシート高761mmと、Z125PROよりも約2cm低く設定されています。また、シートが細身に設計されているため、足つきが良く、バイク初心者や女性ライダーにも安心感を与えます。

信号待ちでの不安を少しでも減らしたいなら、グロムに軍配が上がります。

ブレーキシステム:グロムはABSを標準装備(現行モデル)

安全装備の面でも、グロムは一歩先を行っています。

現行モデルのグロムは、フロントにABS(アンチロック・ブレーキ・システム)を標準装備しています。

これにより、急ブレーキ時のタイヤロックを防ぎ、滑りやすい路面でも安定した制動力を発揮し、安全性を高めています。

Z125PROにはABSは装備されていません。

車両価格と中古市場:Z125PROは生産終了、グロムは現行モデル

Z125PROはすでに生産が終了しており、新車で購入することはできません!

中古市場での流通がメインとなるため、車両の状態や価格は個体差が非常に大きいです。

グロムは現行モデルが販売されており、新車での購入が可能です。

また、中古市場にも非常に多くの車両が流通しており、旧型から現行モデルまで、幅広い選択肢から予算や好みに合わせて選ぶことができます。

生産終了車か、現行販売車かという点も、購入後のパーツ供給や修理のしやすさを考えると、大きな違いとなります。

乗り心地はどっちがいいのか?

Taku
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Z125PROとグロムはどちらもコンパクトな原付二種クラスですが、「乗り心地」という面では明確な違いがあります。

まず街乗りでの快適性を求めるなら、グロムの方が有利です。

グロムはリアサスペンションが柔らかめに設定されており、段差や荒れた舗装路でも衝撃をマイルドに吸収してくれます。

また、シート形状がフラットで広めなため、乗車姿勢にもゆとりがあり、信号の多い街中走行でも疲れにくい設計です。

エンジンも低中速トルク型なので、少ない回転数でスムーズに走れる点も、扱いやすさ=快適さにつながっています。

一方、Z125PROはスポーティな味付けが強め。フロントは倒立フォークで剛性感が高く、ハンドリングは非常にクイック。

その分、路面のゴツゴツした振動が手に伝わりやすく、サスペンションもやや硬めで「乗り心地が良い」とは言いづらい側面も。

特に長時間乗るとお尻や腰が疲れやすいという声も少なくありません。

Z125PROの乗り心地

硬めのサスペンションでグロムのサスペンションは、スポーティーな走りを想定して硬めにセッティングされています。

そのため、路面からのフィードバックはダイレクトに伝わってきますが、荒れた路面では突き上げ感が強く、グロムに比べて乗り心地が硬いと感じるライダーもいます。

コンパクトな乗車姿勢でグロムに比べてコンパクトな乗車姿勢になるため、窮屈に感じるライダーもいます。

しかし、車体との一体感は高く、スポーツライディングには適しています。

グロムの乗り心地

柔らかめのサスペンションで、街乗りでの快適性を重視して柔らかめにセッティングされています。

そのため、日本の舗装路に多い路面の凹凸やマンホールなどの段差をよく吸収し、ライダーに伝わる衝撃を和らげてくれます。

ゆったりとした乗車姿勢で、ハンドル位置が高めで、比較的アップライトな乗車姿勢がとれます。

これにより、長時間のライディングでも手首や腰への負担が少なく、疲れにくいというメリットがあります。

最高速度はどっちが速いのか?

Taku
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Z125PROとグロム、どちらも125ccクラスのコンパクトバイクですが、最高速度には明確な違いがあります。

まず結論から言えば、グロム(5速モデル)の方が最高速でリードします。

ノーマル状態での実測では、グロムが平地で100km/h前後を記録するのに対し、Z125PROは90〜95km/hが限界というケースが多いです。

その理由のひとつがミッションの違いです。

ミッションの違いが最高速の違いに

Z125PROは4速ミッションなのに対し、2021年以降のグロムは6速ミッションを採用。

これにより高回転時のギアの余裕が増し、エンジンの伸びが上手く活かされる構造になっています。

特に4速と5速の違いは、80km/hを超えたあたりから顕著で、Z125PROが苦しそうに唸る中、グロムは一呼吸おいてもう一段ギアアップできる安心感があります。

ただし、ここで注意すべきなのは体感速度と安定感の差です!

Z125PROは倒立フォークを装備し、足回りにしっかり感があるため、90km/h近く出していても比較的安心して走れるフィーリングがあります。

一方のグロムは、やや柔らかめのサスと軽めのハンドリングゆえに、100km/hに近づくと車体の浮きやフラつきを感じやすい場合もあり、体感としては「怖さ」が先にくることもあります。

カスタムの違いでも最高速に差が出る

また、カスタムによって最高速度をさらに引き上げることは可能です。

吸排気系やボアアップ、ECU変更を加えることで、どちらも110〜120km/hを目指すこともできます。

ただし、カスタムパーツの入手性や情報量ではグロムに軍配が上がり、コストパフォーマンス面でも優れています。

結論として、最高速度を重視するならグロムが優位ですが、Z125PROも車体剛性や乗り味に魅力があるため、「単にスピード」だけでなく「どのようにスピードを出したいか?」によって選択肢は変わってくるのです。

速度だけを求めるなら5速グロムがベスト、バイクとの一体感やキビキビした走りも楽しみたいならZ125PROも十分魅力的な一台です。

Z125PROは、4速ミッションのため、最高速まで加速する際は、エンジンを高回転まで回し続ける必要があります。

ギアチェンジの回数が少ないため、加速はシンプルですが、高速域ではエンジンの回転数が高くなり、振動や騒音が大きくなりがちです。

また、グロムの現行モデルは6速ミッションを搭載しているため、最高速までスムーズに加速できます。

多段化されたミッションにより、エンジンの美味しいところを効率よく使うことができ、最高速巡航時もエンジンの回転数を抑えることが可能です。

これにより、Z125PROに比べて振動や騒音が少なく、快適な巡航が期待できます。

最後に統括

Taku
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Z125PROとグロム、どちらが良いかは一概には言えません。

それぞれのバイクが持つ個性と、あなたのバイクライフがマッチしているかが最も重要です。

Z125PROは、個性的でストリートファイター的なデザインを好み、高回転まで回してスポーティーな走りを楽しみたいライダーにおすすめです。

街乗りでの快適性を重視する方にも向いています。しかし、新車では手に入らず、中古車市場での良い状態の車両を探す必要があります。

グロムは、親しみやすいデザインで、街乗りでの扱いやすさや、圧倒的なカスタムパーツの豊富さを求めるライダーにおすすめです。

優れた燃費性能や、安全装備のABS、そして6速ミッションによる快適な走行性能も大きな魅力です。新車でも手に入り、中古車市場にも多く流通しているため、選択肢も豊富です。

あなたが本当に「買ってよかった!」と思える一台に出会えることを願っています!

この記事を書いた人
Taku
Taku
二級二輪整備士:大型二輪免許取得:愛車Lead125
125cc専門の情報発信者。各車種のスペックや走行性能、燃費比較からメンテナンスまで知識ゼロから詳しくなれるよう、すべてを“教科書レベル”で徹底解説しています!

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