
ホンダが誇るベストセラーモデル、スーパーカブ。その中でも特に扱いやすく、日常の足として高い人気を誇るのが「スーパーカブ110 Lite」です。
オーナーなら誰もが一度は考えるのが「もっとスピードが出れば・・」という願望ではないだろうか?
スーパーカブ110ライトの最高速度は一体・・?、リミッターカットしたらどうなる・・?特に幹線道路やバイパスでの走行では、もう少しの巡航速度の余裕が欲しくなる場面も少なくありません。
そこで、多くのスーパーカブ110ライトのオーナーや購入前のライダーに関心を集めるのが「リミッターカット」という手法。
しかし、この手法には単に最高速度が上がるというメリットだけでなく、法的、安全、そして車両の耐久性といった多岐にわたる重要な側面が存在します。
本記事では、スーパーカブ110ライトのリミッターカットについて、その方法、効果、そして何よりも知っておくべきリスクを徹底的に解説します!
■この記事でわかること
- 公式発表してるスーパーカブ110 Liteの最高速度を検証
- 最高速度とリミッターの仕組み(何km/hで制限がかかるのか?)
- 【危険?違法?】リミッターカットの法的注意点
- スーパーカブ110 Liteのリミッターカット方法と手順
- リミッターカット後の最高速はどこまで伸びる?
- プロが警告!リミッターカット後の自己責任
- 最後に統括
公式発表してるスーパーカブ110 Liteの最高速度を検証

まず、はじめに重要な点として、通常のスーパーカブ110と「スーパーカブ110 Lite」は、法的な最高速度の位置づけが大きく異なります。


出典ホンダ公式
「スーパーカブ110 Lite」は、2025年11月に導入される**「新基準原付」**に適合したモデルです。
したがって、公道において合法的に走行できる最高速度は30kmです。
通常のスーパーカブ110(原付二種)の場合

もし、お尋ねの車両が「スーパーカブ110」(Liteではない通常モデル)である場合、これは原付二種(黄色またはピンクナンバー)に該当します。
| モデル名 | 法的区分 | 公道での法定最高速度 | 実際のメーター読みの最高速
(Lite除く) |
| スーパーカブ110 Lite | 新基準原付(原付一種) | 30km/h | 30km/h制限 |
| スーパーカブ110 | 原付二種 | 60km/h | 90km/h台前半(リミッター作動前) |
最高速度とリミッターの仕組み(何km/hで制限がかかるのか?)

スーパーカブ110 Liteの純正状態での最高速度は、ライダーの体重や走行条件、車両の個体差にもよりますが、概ね70km/h台後半から80km/h前後で頭打ちになるとされています。

この速度域での頭打ちは、エンジン性能の限界というよりも、車両に組み込まれた速度リミッター(スピードリミッター)による制御が深く関わっています。
カブのような小型バイクの場合、速度制御は主に点火時期の制御や燃料噴射量の制御(FIモデルの場合)を通じて行われます。
具体的には、車速センサーが一定の速度(例えば80km/h前後)を検知すると、ECU(エンジン・コントロール・ユニット)がエンジンへの信号を調整し、それ以上エンジンが回転数(RPM)を上げないように、あるいは最高出力を出せないように制御をかける仕組みです。
この制御は非常に巧妙で、単に燃料をカットするだけでなく、点火を間引くことでエンジンに負荷をかけすぎず、スムーズに加速を抑制するように設計されています。
リミッターの存在理由(安全性、耐久性、法規制との関連)

なぜメーカーは、エンジンのポテンシャルを意図的に制限するリミッターを搭載するのでしょうか?その理由は主に三つあります。
✅️一つ目は、安全性の確保です。
スーパーカブは元々、高速度での走行を主眼に置いた設計ではありません。
車体の剛性、サスペンションのストローク、ブレーキ性能などが、想定以上の高速度域での急激な挙動変化や緊急時の制動に対応しきれない可能性があります。
リミッターは、ライダーを予期せぬ危険から守るための安全装置としての役割を果たしています。
✅️二つ目は、車両の耐久性です。
エンジンは、設計段階で最も効率的かつ耐久性の高い回転数(レブ・リミット)が定められています。
リミッターは、この限界回転数を守り、エンジンや駆動系のパーツに過度な負担がかかるのを防ぎ、長期間にわたる信頼性の高い走行を保証するために不可欠です。
リミッターがなければ、誤ってエンジンを限界以上の回転数まで回してしまい、重大な故障に繋がるリスクが高まります。
✅️三つ目は、法規制への対応です。
メーカーは、その車両を販売する国の法規や安全基準を遵守しなければなりません。
リミッターの存在は、形式認定や排出ガス規制など、様々な基準を満たすための一つの手段でもあります。
これらの理由から、リミッターは単なる「速度を制限するもの」ではなく、安全と耐久性を担保するための重要な保護システムとして組み込まれていることを、オーナーは深く理解する必要があります。
【危険?違法?】リミッターカットの法的注意点

リミッターカットを検討する上で、最も重要で、決して無視できないのが、この法的側面と安全上のリスクです。
最高速度が向上するという魅力的な結果の裏側には、愛車と自身の運転免許、そして第三者を危険に晒す可能性が潜んでいます。
公道走行におけるリミッターカットの是非
スーパーカブの角目の4速はCDIのコネクターからピンクの線だけ取るとリミッターカットされて80kmくらい出る(#^.^#) pic.twitter.com/BTTYBHR1fn
— 池端大雅@yazawa (@taiga1830) April 29, 2016
リミッターカットそのものは、改造行為であり、現在の日本の法制度では、改造そのものが直ちに違法となるわけではありません。
車両の構造や性能を変更する「改造」の定義は複雑ですが、リミッターカット後の車両が原付二種(黄色またはピンクナンバー)の区分を超えるわけではないため、ナンバー種別が変わることはありません。
しかし、リミッターカットによって最高速度を向上させた車両を公道で運転し、法定速度(一般道60km/h)を超過した時点で、それは明確な速度違反、すなわち道路交通法違反となります!
リミッターがカットされていなくても速度違反は成立しますが、カットによって容易に高速度に達してしまうため、違反のリスクと重大性が飛躍的に高まります。
特に、法定速度を30km/h以上超過した場合は、一発で免許停止(免停)処分の対象となり、非常に重い罰則が課せられます。
リミッターカットは、速度違反を助長する行為として認識されるべきです。
さらに、不正改造と見なされるケースも考慮しなければなりません。
不正改造とは、車両の保安基準に適合しない改造を指し、これに該当すると整備命令が出される可能性があります。
リミッターカットが直ちにこれに該当するかはケースバイケースですが、例えば最高速度向上に伴い速度メーターの誤差が保安基準の許容範囲を超えた場合などは問題となり得ます。
リミッターカットによる車両への影響

リミッターカットは、メーカーが設定した安全マージンを意図的に無視する行為に他なりません。
その結果、車両の各部に予期せぬ、あるいは設計外の大きな負荷がかかることになります。
最も影響を受けるのはエンジン内部です!
高回転域での連続走行は、ピストン、クランクシャフト、バルブなどのパーツに設計以上の熱と摩擦、そして慣性力を発生させます。
これにより、エンジンのオイル消費の増加、摩耗の促進、最悪の場合はオーバーヒートや焼き付きといった重大な故障に直結します。
エンジンの寿命が大幅に短くなることは、覚悟しなければならない最大のデメリットです。
また、エンジンだけでなく、駆動系(チェーン、スプロケット)、そしてタイヤやブレーキにも影響が及びます。
高速域での走行は、駆動系の摩耗速度を上げ、制動距離を延長させます。
純正のブレーキシステムやタイヤは、純正の最高速度を前提に設計されているため、それを超える速度で走行を繰り返すと、緊急時の制動力不足を招き、事故のリスクが高まります。
そして、リミッターカットを行った場合、その時点でメーカー保証は無効になることが一般的です。
カスタムが原因で発生した故障については、当然ながらメーカーの無償修理を受けることはできなくなり、修理費用はすべて自己負担となります。
スーパーカブ110 Liteのリミッターカット方法と手順

リミッターカットを決断し、その法的・安全上のリスクを十分に理解し受け入れた上で、次に具体的な方法について検討します。
スーパーカブ110 Lite(FIモデル)のリミッターカットは、旧来のキャブレターモデルと異なり、電子制御システム(ECU)が速度を管理しているため、その制御を「騙す」あるいは「書き換える」アプローチが主流となります。
ここでは、一般的なリミッターカットの主な方法と、その手順の概要について解説します。
リミッターカットの主な方法(CDI交換や配線加工)

スーパーカブ110 Liteのリミッターカットの最も確実で広く行われている方法は、ECU(またはCDIユニット)の交換です。
純正ECUの代わりに、リミッター制御が解除された社外品のECUや、回転数制限が変更された社外品のCDI(キャパシター・ディスチャージド・イグニッション)ユニットを装着します。
この社外品ECUは、車両が一定速度に達した際にECUに送られる速度信号を無視するようにプログラムされているか、もしくは速度制限を極めて高い速度に設定し直されているため、実質的にリミッターが解除されます。
この方法は、配線を大きく加工する必要がなく、カプラーオンでの交換が可能な製品が多く販売されているため、比較的容易で、かつノーマル状態に戻しやすいという利点があります。
一方で、配線加工による方法も理論上は可能ですが、これはECUに送られる車速センサーの信号を改ざんする複雑な作業を伴います。
例えば、ある一定の速度を超えるとセンサーからの信号がECUに届かないように回路を組み込む方法などが考えられます。
しかし、近年の高精度なFI車では、ECUが信号の異常を検知し、安全のためにエンジンをセーフモードに移行させたり、エラーコードを表示させたりするリスクが高く、信頼性や安定性の面でECU交換には劣ります。
専門的な知識がない限り、配線加工は避けるべきであり、トラブルの原因となる可能性が非常に高くなります。
リミッターカットの具体的な手順
リミッターカットの作業自体は、社外ECUを使用する場合、比較的シンプルです。
ここでは、一般的な手順の概要を説明しますが、この作業はメーカー保証の喪失、故障リスクを伴うため、すべて自己責任で実施してください!
自信がない場合は、必ず専門のプロショップに依頼すべきです。
バッテリーのマイナス端子を外す

作業中のショートやECUへのダメージを防ぐため、必ずバッテリーを外して電源を遮断します。
純正ECUの場所の特定と取り外し

スーパーカブ110 LiteのECUは、車体のサイドカバー内部やシート下などに設置されていることが多いため、サービスマニュアルを参照して場所を特定します。純正ECUに接続されている配線のカプラーを慎重に抜き取ります。
社外ECUの取り付け

純正ECUが接続されていたカプラーに、新しい社外ECUを接続します。
この際、カプラーが奥まで確実に差し込まれていることを確認します。配線のルートを整理し、ECU本体が走行中に振動などで動かないようにしっかりと固定します。
燃調の設定(FIコンの場合)
燃調補正機能付きのFIコンを使用する場合、製品の取扱説明書に従って、推奨される基本的なセッティングを行います。多くの場合、付属のディップスイッチや専用ソフトで設定を調整します。
動作確認
すべての配線と固定を確認した後、バッテリーのマイナス端子を元に戻し、エンジンを始動してアイドリングが安定するか、またエラーコードが表示されないかを確認します。
この手順はあくまで一般的な例であり、使用する製品や年式によって異なるため、必ず購入したパーツの取扱説明書を最優先し、正確な手順で作業を行う必要があります。
リミッターカット後の最高速はどこまで伸びる?

カスタムの努力とリスクを伴うリミッターカット。オーナーが最も気になるのは、その結果、愛車の最高速度が実際にどこまで伸びるのかという点でしょう。
リミッター解除後の最高速は、単にリミッターがなくなったからといって無限に伸びるわけではなく、エンジンの真の物理的ポテンシャルによって決まります。
出典YouTube
【実走レビュー】最高速は80~95km/h
純正状態で70km/h台後半から80km/h前後で頭打ちになっていたスーパーカブ110 Liteは、リミッターカットを施すことで、一般的に80km/hから95km/h程度の最高速度に達するケースが多く報告されています。

これはあくまで多くのユーザーの実測データに基づく平均的な数値であり、ライダーの体重(空気抵抗)、路面の傾斜、向かい風の強さ、そしてエンジンのコンディションによって大きく変動します。
特に体重の軽いライダーや、下り坂といった好条件が重なれば、メーター読みで100km/hに迫る速度が出る可能性もあります。


重要な点は、この約10km/h程度の最高速の上昇は、数値以上に走行フィールに大きな変化をもたらすということです。
純正状態では80km/hに近づくと苦しそうに頭打ちになっていたエンジンが、リミッターカットによってその速度域をスムーズに抜け出し、より高回転まで気持ちよく吹け上がるようになります。
プロが警告!リミッターカット後の自己責任

カスタムショップやプロの整備士の多くは、リミッターカットの施工には慎重な姿勢を示します。なぜなら、そのカスタムがもたらすリスクを誰よりも知っているからです!
リミッターカットによって得られた速度の余裕は、決して「公道で制限速度を無視して走るための許可証」ではありません!

リミッターカット後の車両は、高速域での不安定性を増す可能性があります。
スーパーカブ110 Liteは、高速度での走行を想定した車体構造ではないため、わずかな路面の凹凸や横風に対しても敏感に反応し、車体が振られやすくなります。
ライダーには、純正状態以上に正確で繊細な操作と、危険予測能力が求められます。
重要なのは、リミッターカット後の最高速度を試すのは、サーキットなどの閉鎖された安全な環境に限定すべきという点です。
公道では、そのポテンシャルを追い越し時の加速や、幹線道路での余裕ある巡航といった、あくまで安全性の向上に役立てるという意識を持つべきです。
カスタムは自己責任ですが、その責任は、ご自身の命と、周りの交通参加者の安全にまで及ぶことを、深く認識しなければなりません。
最後に統括

多くのスーパーカブ110 Liteオーナーの夢とも言える「リミッターカット」について、その具体的な手法、そして何よりも深く理解すべき法的・安全上のリスクを詳細に解説してきました。

スーパーカブ110 Liteは、新基準原付として、109ccのエンジンを搭載しながらも最高出力を3.5kW(4.8PS)に制御され、法定速度30km/hという原付一種の交通ルールを遵守する車両です。
リミッターカットによってエンジンの封印を解くことは、理論上は100km/hを超えるポテンシャルを引き出し、走行に大きな余裕をもたらします。
特に幹線道路での加速や、交通の流れに乗る際のストレスを大幅に軽減できるというメリットは非常に魅力的です。
しかし、このカスタムは、ノーマル状態の安全マージンとメーカー保証を捨てる行為に他なりません。
| 考慮すべき最重要ポイント | 詳細 |
| 法的リスク | リミッターカットそのものは直ちに違法ではないが、公道で法定速度(30km/h)を超過した時点で明確な速度違反となり、重い罰則の対象となる。 |
| 車両への影響 | エンジン設計時の限界を超えた高回転での走行は、焼き付きや故障のリスクを増大させ、エンジン寿命を著しく縮める。 |
| 安全性の確保 | 車体剛性や純正ブレーキは高速度域を想定していないため、走行安定性や制動力が不足し、事故の危険性が高まる。 |
| 実施の条件 | 実施するなら、燃調補正機能を持つ社外ECUの導入と、ブレーキ・タイヤといった足回りの強化が必須。 |
スーパーカブ110 Liteのリミッターカットは、最高速度を競うためではなく、公道での「安全な走行の余裕」を得るために行うべきカスタムです。
リミッター解除後の高出力を利用する場所は、あくまで追い越しや坂道での失速を防ぐ場面に限定し、サーキットなどの閉鎖空間以外でその真のポテンシャルを試すべきではありません。
愛車のカスタムは自由であり、カブの魅力を広げる行為ですが、その行動は常に自己責任という名の重い責任を伴います。
リミッターカットというカスタムに踏み切る際は、その結果として発生し得るすべてのリスクを受け入れ、自らの自制心をもって安全運転に努める覚悟があるか、今一度自問自答してください。
安全にリミッターカットを楽しみ、唯一無二の最高のカブライフを送れることを願います!
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