
ホンダのグロムというバイクは、原付二種クラスの中でも極めて特殊な立ち位置にある。
あるオーナーはこれを楽しすぎるオモチャだと称賛し、またあるオーナーはすぐに飽きて数ヶ月で手放してしまう。。
この極端な評価の分かれ道はどこにあるのか?
グロムを検討している人や、すでに所有して少しマンネリを感じているオーナーに向けて、その魅力との正体を徹底的に暴いていきたい。
■この記事でわかること
- なぜオーナーは直ぐグロムに飽きるのか?
- 楽しさを惹きつけるグロムの魅力とは?
- グロムは飽きる意見と楽しすぎる意見が紙一重のバイクだ!
- グロムを飽きずに末永く愛でるための投資術
- 最後に統括
なぜオーナーは直ぐグロムに飽きるのか?

グロムを手にしたオーナーが最初に直面するのは、125ccという排気量の物理的な限界です。
特に大型バイクや中型バイクからの乗り換え、あるいは増車として選んだ場合、そのギャップが飽きに直結することが少なくありません。
パワー不足と精神的な疲弊

まず最も大きな要因として挙げられるのが、幹線道路やバイパスでの走行性能です。
グロムは街乗りにおいては非常に軽快で、信号待ちからの発進もスムーズですが、時速60キロメートルを超えたあたりからの加速性能は、当然ながら大型排気量車には及びません。
日本の主要な幹線道路では、流れが時速70キロメートルを超えることも珍しくありませんが、そのような状況下でグロムを走らせると、常にエンジンを回し続けなければならず、余裕のなさを感じてしまいます。
| 比較項目 | ホンダ・グロム(125cc) | 軽二輪・小型二輪(250cc〜1000cc超) |
| 幹線道路の巡航性能 | 時速70キロ付近が快適の限界点 | 時速100キロ以上でも余裕の安定感 |
| 高速道路の走行 | 法律により走行不可(下道専用) | 走行可能で長距離移動が劇的に速い |
| 車体重量と取り回し | 100キロ強と極めて軽く自転車感覚 | 150キロから250キロ超で気合が必要 |
| コーナリング特性 | 小径ホイール特有のクイックな旋回 | 大径ホイールによる重厚な安定感 |
| 維持費とランニングコスト | 驚異的な低燃費と任意保険の安さ | 消耗品代が高く車検等の維持費がかさむ |
| ツーリング時の疲労 | 振動と風圧による肉体的な疲れ | 余裕のパワーによる精神的なゆとり |
登坂車線があるような長い上り坂では、さらに顕著にパワー不足を実感することになり、これがライダーにとってのストレスとなり、次第にツーリングの目的地を制限してしまうようになります。
長距離走行での積載性の限界
次に、車体のコンパクトさがもたらす窮屈さも無視できません。

グロムの最大の武器は小回りの利く小さな車体ですが、これは長時間走行においては疲労の蓄積を早める要因になります。
特に身長が高いライダーにとっては、膝の曲がりが強くなり、ステップ位置やハンドル位置とのバランスに苦労することがあります。純正のシートも、街乗りを想定して硬めに設定されていることが多く、100キロメートルを超えるような中距離ツーリングでは、お尻の痛みに耐えながら走ることになりかねません。
さらに積載スペースの少なさも、旅を楽しみたいライダーにとっては大きな壁となります。この不自由さが、いつしか気軽に乗れるメリットを上回ってしまい、乗る頻度が下がっていくのです。
完成度の高さが逆に飽きを加速?
意外にもグロムの完成度の高さが飽きを誘発することもあります。。

現行モデルのグロムはエンジンも静かで振動も抑えられており、非常に洗練された乗り味を持っています。ホンダらしい優等生な作りは、誰にでも安心で確実な操作感を提供してくれますが、裏を返せば、剥き出しの鼓動感や荒々しさが少ないということでもあります。
バイクに非日常的な刺激や、操るのが難しいじゃじゃ馬的な要素を求めている人にとって、グロムのあまりにもスムーズな挙動は、どこか事務的で物足りなく感じてしまうのかもしれません。
排気量の限界や他車とのツーリングでの比較
仲間と一緒に走るツーリングにおいて、グロムの排気量は時に孤独を感じさせる要因になります。
他の参加者が250cc以上のバイクであれば、加速のタイミングや巡航速度の維持でどうしても気を遣わせてしまいます。
高速道路を利用できないため、集合場所に行くまでに時間がかかったり、ルート設定をグロムに合わせてもらう必要があったりと、周囲への申し訳なさが次第にプレッシャーへと変わります。
自分一人なら自由なグロムも、集団の中ではその制約が浮き彫りになり、結果として一人の走行が増え、交流の楽しさが減ることで手放す動機になってしまうのです。
| 比較項目 | ホンダ・グロム(125cc) | 軽二輪・小型二輪(250cc〜1000cc超) |
| 幹線道路の巡航性能 | 時速70キロ付近が快適の限界点 | 時速100キロ以上でも余裕の安定感 |
| 高速道路の走行 | 法律により走行不可(下道専用) | 走行可能で長距離移動が劇的に速い |
| 車体重量と取り回し | 100キロ強と極めて軽く自転車感覚 | 150キロから250キロ超で気合が必要 |
| コーナリング特性 | 小径ホイール特有のクイックな旋回 | 大径ホイールによる重厚な安定感 |
| 維持費とランニングコスト | 驚異的な低燃費と任意保険の安さ | 消耗品代が高く車検等の維持費がかさむ |
| ツーリング時の疲労 | 振動と風圧による肉体的な疲れ | 余裕のパワーによる精神的なゆとり |
グロムは圧倒的な手軽さと引き換えに、速度域や移動距離という面で明確な制限を抱えています。
この制限を「不便」と切り捨てるか、「遊び」と捉えるかが、飽きるかハマるかの第一の分岐点となります。
楽しさを惹きつけるグロムの魅力とは?

飽きるという声がある一方で、グロムを何台も乗り継いだり、10年以上所有し続けたりする熱狂的なファンが存在するのも事実です。
彼らがグロムを「楽しすぎる」と評価する理由は、スペック表には現れない操作の奥深さにあります。
速度域を超えた旋回性能
グロムの楽しさの真髄は、125ccという限られたパワーをいかに効率よく使い切り、小さな車体を意のままに操るかというプロセスにあります。

リッターバイクであればアクセルを一捻りするだけで到達する速度域に、グロムは的確なシフトワークと正確なライン取りを駆使して挑む必要があります。
この一生懸命に走らせている感覚こそが、ライダーに濃厚な充実感を与えてくれます。特にタイトな峠道やミニバイクコースでは、車重の軽さを活かした異次元の旋回性能を発揮します。重いバイクでは躊躇するようなコーナーへの飛び込みも、グロムであれば軽々とこなせてしまう。
この圧倒的なコントロール性は、バイク本来の操る楽しさを再確認させてくれるのです。
魅力的なアフターパーツの豊富さ
また、グロムは世界中で販売されているグローバルモデルであるため、アフターパーツの充実ぶりが群を抜いています。
カスタムパーツの豊富さは、まさに大人向けのプラモデルと言っても過言ではありません!
マフラーやサスペンションといった機能パーツから、外装をガラリと変えるキットまで、無限の選択肢が用意されています。週末にガレージに籠り、少しずつ自分好みのセッティングに書き換えていく時間は、走行している時間と同じくらい深い充足感をもたらします。
ボルト一本からこだわって作り上げた自分だけの一台には、既製品では味わえない深い愛着が湧くものです。
圧倒的なランニングコスト
経済的な負担が極めて少ないことも、楽しさを継続させる重要な要素です。
リッター30キロメートルから50キロメートルを軽く超える驚異的な燃費性能や、ファミリーバイク特約を利用できる保険料の安さは、ライダーの心理的なハードルを劇的に下げてくれます。


ガソリン代を気にせずにどこへでも行ける、維持費がかからないからその分をパーツ代に回せるという好循環が、グロムとの生活をより豊かにします。この心の余裕こそが、結果としてバイクライフ全体の質を高め、楽しさを加速させる土台となっているのです。
メンテナンスのやりやすさ
グロムの小ささは、保管場所やメンテナンスのしやすさにおいても大きな利点となります。
大型バイクでは大掛かりになる作業も、グロムなら省スペースで気軽に行うことができます。磨き上げることそのものが趣味になり、常に自分の視界に入る場所に置いておけるサイズ感は、所有欲を独特な形で満たしてくれます。
単なる移動手段を越えて、生活の一部として溶け込み、日常の中にいつでもバイクがあるという贅沢な環境を提供してくれるのです。
グロムは飽きる意見と楽しすぎる意見が紙一重のバイクだ!

グロムを所有して後悔するオーナーと、手放せなくなるオーナーの違いは、実は非常にシンプルな意識の差にあります。
それは、バイクに性能を求めているのか?、それとも体験を求めているのか?という点です。
飽きてしまうオーナーの意見
Gromはまだ市場に出たばかりだから、中古のGromの数はまだ少ないんだよね。基本的にふざけるために作られてるし、この手のバイクに興味がある人は、おもちゃとして買ってる人が多いんだよ。 しばらくすれば、飽きてくる人も出てくるだろうから、中古のGromの市場も大きくなるんじゃないかな。
グロムも気に入ってたんだけど、3000km乗ったら飽きてしまった。ミニバイクだからねー。改造50ccという感じ、あのシート、ブレーキ、足周り、エンジン。グロムは街乗り専用とか、盆栽だね。
もしあなたが、グロムに対して大型バイクの代用、あるいは縮小版としての役割を期待しているのであれば、高確率で飽きが来ることでしょう。
絶対的な加速力や高速道路での快適性、周囲からの注目度といったステータス性を重視する場合、125ccのグロムはどうしてもそれらに劣ってしまいます。
大きなバイクの感覚を忘れられずにグロムに乗ると、常に欠点ばかりが目に付くようになり、やがてパワーのなさを嘆くようになります。
楽しすぎると感じてるオーナー
法定速度内はもちろん多少超えても走行に不安は全くありません。単気筒による振動は感じますが問題ない範囲です。山道・峠道の昇りの場面ではエンジンの非力さを感じますが、コーナーを走る不安を感じさせない安定感があります。あと、5速MTは本当に操作が楽しくてグロムの一番の魅力だと思いまます。特に下りの山道(カーブ)は最高に楽しいです。あと前輪ブレーキ(ABS付き)の制動力は強力で思いきりレバーを握れます。
出典価格.com
不満は多いが楽しい
グロムを楽しむオーナーは、これを大型バイクとは全く別のスポーツや遊びであると認識しています。
ラグビーとフットサルの違いのように、それぞれのフィールドに合わせた楽しみ方があることを知っているのです。
街中の路地裏を探索したり、低速域で繊細なマシンの挙動を感じ取ったりすることを「別競技」として楽しむ柔軟な姿勢が、ハマる人と飽きる人の境界線になります。
グロムを飽きずに末永く愛でるための投資術

もしグロムに乗っていて少しマンネリを感じてきたとしても、まだ諦めるのは早いです。このバイクには、少しの工夫でその表情を劇的に変えるポテンシャルが秘められています。
ライディングを高める足回りの投資
まず試してほしいのが、ライディングの質を直接的に変えるポイントのカスタムです。

グロムの純正サスペンションやシートは、コストと汎用性のバランスをとっていますが、これを社外品に交換するだけで、まるで別のバイクに乗り換えたかのような衝撃を受けるはずです。
特にリアサスペンションをグレードの高いものに変えると、路面からの情報量が格段に増え、コーナリングの安心感が劇的に向上します。自分の操作に対するバイクの反応がより鮮明になることで、走ること自体の解像度が上がり、飽きを感じる暇もなくなります。
エンジン内部のパワーアップ投資
究極のマンネリ解消法として、エンジンそのものに手を入れるという選択肢もあります。
ボアアップキットを組み込み、ハイカムを導入することで、グロムの特性は一変します。
吸排気系を含めたトータルなチューニングを行うプロセスは、機械いじりが好きな人にとって至高の娯楽です。もちろん法規に則った手続きが必要ですが、自分の手で出力を向上させたマシンを走らせる喜びは、完成車を買うだけでは得られない深い感動をもたらしてくれます。
最後に統括

グロムというバイクは、まさにキャンバスのような存在です。そのままでは単なる白い布に過ぎませんが、乗り手がどのような色を塗り、どのような絵を描くかによって、その価値は決まります。
飽きるという意見も、楽しすぎるという意見も、どちらも正解です。
しかしその境界線は、バイクそのものにあるのではなく、常に乗り手の心の中に引かれています。
大型バイクのような全能感はありませんが、それゆえに自分の手でコントロールし、工夫を凝らす余地が残されています。
125ccという枠組みの中で最大限に遊ぶことの贅沢さを理解したとき、グロムは他のどのバイクにも真似できない輝きを放ち始めます。
もしあなたが今、グロムの購入を迷っているのなら、あるいは手元にあるグロムに飽きかけているのなら、一度その小さな車体に跨り、いつもとは違う細い道へとハンドルを切ってみてください。
そこには、スピードや馬力といった数値だけでは測れない、バイクという趣味の本質的な喜びが待っているはずです。グロムは、あなたがその気にさえなれば、いつでも最高の笑顔を届けてくれる準備ができています。
この紙一重の差を乗り越え、グロムを自分だけの特別な一台へと育て上げていく過程こそが、バイクライフにおける最も贅沢な時間の使い方だ!
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二級二輪整備士:大型二輪免許取得:愛車Lead125
125cc専門の情報発信者。各車種のスペックや走行性能、燃費比較からメンテナンスまで知識ゼロから詳しくなれるよう、すべてを“教科書レベル”で徹底解説しています!
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