PCX／オイル交換のリセット方法を型式年式順に解説！

あるいは、自分でオイル交換を行ったものの、リセット方法がわからずに困っているというオーナーも多いはずだ。

また、PCXは長い歴史の中で何度もモデルチェンジを繰り返しており、型式や年式によってメーターの形状や操作ボタンの位置、そしてリセットのための操作手順が微妙に異なる。。

このコンテンツでは、型式と年式順PCX（JF56・KF18）、3代目PCX（JF81・KF30）、そして最新機能が搭載された現行モデルの4代目PCX（JK05・KF47）に至るまで、それぞれのオイル交換リセット手順を網羅的に、かつ詳細に解説していきます。

まずは自分のPCXの型式や年式をチェック！

インターネット上で検索して出てきたリセット方法を試しても上手くいかない原因のほとんどは、異なる年式のモデルの手順を参照してしまっていることにあります。

PCXは外観が似ていても、内部のシステムやメーター操作のロジックが世代ごとに刷新されているためです。

現行モデル（2021年以降）：JK05・KF47・JK06

現在、公道を走っているPCXは大きく分けて3つの世代が主流です。

まずは2021年以降に発売された現行モデルです。

このモデルはフルモデルチェンジが行われ、エンジンがeSPプラスという新しい設計になりました。125ccモデルの型式はJK05、160ccモデルの型式はKF47となります。

ハイブリッドモデルであるeHEVはJK06という型式になります。この世代はスマートキーシステムやメーターの視認性が大幅に向上しており、操作系も洗練されています。

3代目モデル（2018年〜2020年）：JF81・KF30

次に、2018年から2020年まで販売されていた3代目モデルです。

この世代は非常に販売台数が多く、現在の中古車市場や街中でも最もよく見かけるタイプかもしれません。125ccモデルの型式はJF81、150ccモデルの型式はKF30です。

流麗なボディラインとデジタルメーターの採用が特徴で、このモデルからスマートキーが標準採用されたグレードも増えました。

2代目モデル（2014年〜2017年）：JF56・KF18

そして、2014年から2017年まで販売されていた2代目モデルです。

LEDヘッドライトが全車標準装備となり、PCXの人気を不動のものにした世代です。125ccモデルはJF56、150ccモデルはKF18という型式になります。

この世代はまだ物理的なカギを使用するタイプも存在しますが、メーター周りの基本操作は現在のモデルの基礎となっています。

車両型式の確認方法

ご自身のPCXがどの型式に当てはまるかは、車検証や自賠責保険証、あるいはシートを開けたメットインスペース内のコーションラベルを確認することで特定できます。

型式が特定できれば、あとはそのモデルに対応した正しい手順を実行するだけです。それでは、新しいモデルから順に具体的な操作方法を伝授していこう。

JK05・KF47 現行PCX（2021年〜）のオイル交換リセット方法

このモデルはメーターパネルが大型化し、視認性が良くなっていますが、多機能化に伴い操作ボタンの役割も整理されています。

リセット操作の準備と手順

ワイドなフルデジタルメーター。

視認性が高く、ボタンはクリック感がはっきりしています。 画面の中央に大きく速度が表示され、その上部にインジケーター類が並んでいます。「SEL」ボタンは左下、「SET」ボタンは右下に配置されています。

ステップ1

メインスイッチをONにし、メーターを表示させます。左右にある「SEL（左）」と「SET（右）」の両方のボタンを同時に長押しします。

ステップ2

時計などの表示が点滅し始めますが、そのまま押し続けると機能設定モードに入ります。ここで「OIL CHANGE」の表示位置が点滅するまでSELボタンで送ります（または直接設定画面に入ります）

ステップ3

「OIL CHANGE」マークが点滅している状態で、「SEL（左）」ボタンを押して、次回のOIL CHANGEまでの距離を設定します。

設定したら、再度「SET（右）」ボタンを押して決定します。

「SET（右）」ボタンを押して、希望の距離を決定するとリセットが完了です。

うまくいかない場合の対処法

この現行モデルでは、ボタンのクリック感が比較的はっきりしていますが、同時押しがずれてしまうと時計合わせモードに入ってしまうことがあります。

その場合は焦らずにメインスイッチを一度OFFにして、最初からやり直してください。

JF81・KF30 3代目PCX（2018年〜2020年）のオイル交換リセット方法

このモデルのリセット操作には少々コツが必要です。

というのも、メーターパネルの防水性を高めるためにボタンのゴムが非常に硬く設計されており、指の腹で軽く押した程度では反応しないことが多いからです。

ボタン操作のコツと手順

反転液晶のデジタルメーターですが、現行よりも少し丸みを帯びたデザインです。ボタンが非常に硬いのが最大の特徴です。

扇形のようなデザインのデジタルメーターです。左右に配置されたゴムボタンは防水性が高いため硬く、指先が痛くなるほど強く押す必要があります！

ステップ1

メインスイッチをONにします。まず左の「SEL」ボタンを押して、画面の表示を必ず「ODO（総走行距離）」に合わせてください。

ステップ2

左右の「SEL」と「SET」ボタンを同時に、親指の爪を立てるくらいの強さでグッと長押しします。同時押し判定がシビアなので、反応しない場合は一度離して、再度同時に強く押し込んでください。

ステップ3

「OIL CHANGE」マークが点滅を開始したら手を離します。最後に右側の「SET」ボタンを長押しすると、インジケーターが消灯しリセット完了です。

ボタンが硬くて反応しないときは？

作業後は必ずメインスイッチを一度切り、再始動してランプが消えているかを確認してください。

もし消えていなければ、同時押しの際に片方のボタンしか認識されていなかった可能性が高いです。その場合は、もう一度最初のステップから、より強く確実にボタンを押すことを意識してトライしてください。

JF56・KF18 2代目PCX（2014年〜2017年）のオイル交換リセット方法

このモデルは発売から時間が経過しており、メンテナンスを自分で行うユーザーも非常に多い車両です。基本的な操作系は3代目と似ていますが、メーターのデザインが異なるため表示の見え方に注意が必要です。

メーター操作の手順詳細

アナログの速度針と、中央のデジタル液晶が組み合わさったデザインです。

中央に大きなアナログのスピードメーター針があり、その中心部分に青バック（またはオレンジ）の液晶画面が埋め込まれています。時計や燃料計、オドメーターはこの液晶部分に表示されます。

ステップ1

メインスイッチをONにします。左のモードスイッチで液晶画面の表示を「TOTAL（総走行距離）」に切り替えます。

ステップ2

次に、左のモードスイッチを長押ししながら、電源キーをオフにして一度エンジンを切ります。

ステップ3

一度エンジンを切った状態から、5秒以内に再度電源キーをオンにしてエンジンをつけます。

そうすると、液晶メーター内に「OIL CHANGE」という文字が一瞬点滅します。

点滅して、再び消えたらリセットされたと言うことなので、これで完了です。

共通のアドバイス

どのモデルでも、**「同時長押しで点滅させる」→「右ボタン（SET）長押しで消す」**というのが基本の流れです。

うまくいかないときは、一度キーをOFFにして最初からやり直してみてください。特にJF81型は「ボタンを強く押すこと」が最大のコツです。

リセット時の注意点

この世代のPCXでは、長期間バッテリーを交換していない場合、電圧低下によってメーターの挙動が不安定になることがあります。

もしリセット操作を正しく行っても反応が鈍い場合は、バッテリーのコンディションも合わせてチェックすることをおすすめします。

リセットだけじゃない！交換時期（距離設定）の変更方法

工場出荷時の設定では、一般的に6000km走行ごとにランプが点灯するようにセットされています。

なぜ6000km設定では不十分なのか？

しかし、この6000kmという距離は、あくまでメーカーが定める標準的な使用環境における推奨値です！

日本の道路事情、特に通勤や通学での使用は、エンジンにとって過酷なシビアコンディションに該当することが多いです。

短距離走行の繰り返し、信号待ちでの頻繁なアイドリング、坂道の走行、あるいは全開走行が多い場合などは、オイルの劣化が標準よりも早く進行します。

そのため、6000kmも走るとオイルが真っ黒になり、粘度も低下してエンジンの保護性能が落ちてしまうことがあります！

インターバル距離の変更手順

愛車を大切に長く乗りたいと考えるオーナーの多くは、3000kmから4000km程度での早期交換を推奨しています。

PCXのメーターには、このユーザー心理に応えるための機能が備わっており、ランプの点灯タイミングを任意に変更することが可能です。

設定変更の方法は、先ほど解説したリセット操作の続きで行います。

リセットが完了してOIL CHANGEマークが消灯した後、または点滅中に特定の操作（モデルにより異なりますが、多くはSELボタンを押して距離数値を切り替える操作）を行うことで、設定距離を変更するモードに入ります。

ここでは、1000km単位、あるいは500km単位で数値を増減させることができます。

例えば、3000kmと表示されるように設定して決定ボタン（SET）を押せば、次回からはリセット後3000kmを走行した時点でランプが点灯するようになります。

これを設定しておけば、うっかり交換時期を過ぎてしまうことを防げますし、自分の使用環境に合わせた最適なメンテナンスサイクルを管理することができます。

PCXのオイル交換に関するよくある質問（FAQ）

オイル交換マークは自動で消えますか？

まず、最も多い質問の一つが、オイル交換マークは放っておけば自動で消えるのか？という点です。

結論から言うと、このマークは自動では消えません。

このインジケーターは、オイルの汚れ具合をセンサーで検知しているわけではなく、単純に走行距離をカウントして、設定値に達したら点灯するという仕組みになっています。

そのため、実際にオイルを交換してエンジン内部が綺麗になったとしても、コンピューターに対して手動でリセット信号を送らない限り、ランプは永遠に点灯し続けます。

精神衛生上も良くありませんので、交換とリセットはセットで行う習慣をつけましょう。

オイル交換をしなくてもリセットしていいですか？

次に、オイル交換をしていないけれど、とりあえずランプを消してリセットしても良いか？という質問です。

操作上は可能だが、車両管理の観点からは強くおすすめしない！

先述の通り、このランプはメンテナンス時期を知らせる重要なアラートです。

オイル交換をせずにリセットしてしまうと、次回の交換時期が分からなくなり、結果としてオイル交換を忘れたまま長距離を走行してしまうリスクが高まります。

ランプが点灯したら、それは愛車からの「助けてくれ！」というサインだと思い、速やかにオイル交換を行ってください。

最後に統括

モデルごとにボタンの硬さや操作フローに若干の違いはありますが、基本的にはメインスイッチをONにし、メーターのボタンを操作してリセットモードを呼び出すという流れは共通しています。

記事の中で触れたように、オイル交換のインジケーターは単なるランプではなく、エンジンの健康を守るための重要な羅針盤です。

6000kmというデフォルト設定にとらわれず、ご自身の走行環境に合わせて3000km程度に設定を変更するなど、より積極的な管理を行うことで、PCXは驚くほど長く快適に走り続けてくれます。

今回紹介した手順は、一度覚えてしまえば1分もかからずに完了する簡単な作業です。

しかし、その1分の手間を惜しまないことが、数年後の愛車のコンディションに大きな差を生みます。もし手元にスマートフォンのメモ機能などがあれば、自分の型式のリセット手順をメモしておくと、次回の交換時に慌てずに済むでしょう。

常にベストなコンディションを保ち、安全で快適なPCXライフを送ろう！

この記事を書いた人

Taku

二級二輪整備士：大型二輪免許取得：愛車Lead125
125cc専門の情報発信者。各車種のスペックや走行性能、燃費比較からメンテナンスまで知識ゼロから詳しくなれるよう、すべてを“教科書レベル”で徹底解説しています！

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