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PCXが納車されてウキウキしながら最初の壁にぶつかるオーナーが後を絶たない。それが、自分の頭にマッチするヘルメット選びと収納の問題だ。
PCXは非常に優秀なバイクだが、メットインの形状に少し癖があることで知られています。カッコいいからと適当に選んだフルフェイスヘルメットが、ガツンと当たって閉まらない・・、という悲劇はPCXあるあるだ。。
このコンテンツでは、PCXの歴代モデルの収納事情を考慮しつつ、デザイン的にも機能的にもPCXに完璧にマッチするおすすめのヘルメットを厳選して、プロの二級二輪整備士である私が伝授する。
■この記事でわかること
- PCXオーナーがヘルメット選びで失敗しない3つの鉄則!
- PCXのヘルメット収納問題を型式年式別に解説
- PCXにおすすめのジェットヘルメット3選
- PCXにおすすめのフルフェイスヘルメット3選
- PCXにおすすめのシステムヘルメット2選
- どうしても入らない時は?PCXの積載拡張テクニック
- 最後に統括
PCXオーナーがヘルメット選びで失敗しない3つの鉄則!

PCXのためのヘルメット選びには、他のバイクとは少し異なる視点が必要です。単にデザインだけで選んでしまうと、後悔することになりかねません。
ここでは、購入前に必ず押さえておきたい3つの重要なポイントを解説。
メットインの「深さ」問題
まず第一に知っておかなければならない最大の難関は、メットインの深さ問題です。
カタログスペック上の容量が30リットルあったとしても、それは全体の容積の話であり、深さが均一に確保されているわけではありません。

出典ホンダ公式
PCXのシート下はエンジンやフレームの構造上、底面がフラットではなく、特に後頭部が収まる部分に突起があったり、底が浅くなっていたりします。
そのため、頭頂部にエアロパーツなどの突起(ディフューザー)が大きくついているモデルや、顎部分が長く突き出したデザインのヘルメットは、物理的にシートが閉まらない可能性が非常に高いのです。
通勤のジェットか?遠出のフルフェイスか?
第二の鉄則は、自分の主な用途に合わせてスタイルを決めることです。
初めての #ヘルメット を検討されている方や、お使いのヘルメットに不満がある方にお伝えしたい“ヘルメットのサイズ選びのポイント”をご紹介✨
あくまでポイントの1つなので、ご試着・頭に合わせたフィッテングの体験だけでも、ご来店くださいませ👍#RSタイチ #HJC #初心者ライダー… pic.twitter.com/7wRAjYuhjA
— TAICHI FLAGSHIP STORE (@TAICHI_Store) February 9, 2025
PCXはその利便性の高さから、通勤や買い物といった日常の足として使われることが多いバイクです。
もしあなたがコンビニへの立ち寄りや、頻繁な乗り降りを繰り返すのであれば、着脱が容易で視界の広いジェットヘルメットが圧倒的に便利です。
一方で、バイパスや幹線道路を使って片道30分以上の通勤をする場合や、休日にロングツーリングに出かけるのであれば、万が一の事故の際の顔面保護性能に優れたフルフェイスヘルメットが推奨されます。
アーバンなPCXに似合うデザインとは?
第三の鉄則は、車体デザインとのリンクを意識することです。
PCXのデザインは、スポーツバイクのような攻撃的なものではなく、ラグジュアリーでアーバンな雰囲気を纏っています。
そのため、MotoGPレーサーが被るような派手なグラフィックモデルよりも、ソリッドカラーやシンプルなグラフィック、あるいはマットブラックやホワイトといった落ち着いた色味のヘルメットのほうが、車体の持つ高級感とマッチします。
バイクとライダーの雰囲気がチグハグにならないよう、トータルコーディネートを意識することで、よりスマートなPCXライダーに見られるはずです。
PCXのヘルメット収納問題を型式年式別に解説

ヘルメット選びの核心部分である収納問題について、モデルごとに詳しく解説していきます。
ここを理解していないと、せっかく買ったヘルメットを持ち歩く羽目になる!
PCXは世代によってメットインの形状が微妙に異なるため、ご自身の型式を必ず確認してください。
【現行モデル】JK05・KF47(2021年〜)の収納問題

まず、2021年に登場した現行モデルであるJK05およびKF47について。
このモデルはフレーム設計が一新され、シート下容量が従来の28リットルから30リットルへと拡大されました。たった2リットルの差ですが、この恩恵は意外と大きく、以前のモデルではギリギリ入らなかったヘルメットが入るようになったケースもあります。
しかし、油断は禁物!
容量は増えましたが、底面の形状は依然として複雑で、特にシートを閉める際のヒンジ付近や、書類入れがある部分との干渉が発生しやすいです。
Lサイズまでの帽体がコンパクトなフルフェイスなら入る確率は高いですが、XLサイズやシステムヘルメットは依然として厳しいのが現状です。
【3代目】JF81・KF30(2018年〜2020年)の収納問題

次に、2018年から2020年まで販売されていた3代目モデル、JF81およびKF30の場合。
このモデルは現行型よりもさらに収納条件がシビアです。
特にシート裏の形状がヘルメットの頭頂部を圧迫しやすく、SHOEIのZ-7のようなコンパクトなフルフェイスでも、Mサイズなら入るがLサイズだとシートを上から強く押さないとロックがかからない、といった現象が多発します。
このモデルに乗っている方は、できるだけ帽体(シェル)自体が小さいモデルを選ぶか、高さの低いジェットヘルメットを選ぶのが無難です。
【2代目】JF56・KF18(2014年〜2017年)の収納問題

そして、2014年から2017年の2代目モデル、JF56およびKF18です。
この世代も収納スペースには限りがあります。特にこの頃のモデルは、シートを開けた状態での開口部は広いものの、閉めた時のクリアランスがタイトです。
ディフューザーが角ばっているヘルメットは、シート裏のプラスチック部分と干渉して傷だらけになるリスクがあります。
全型式と全年式のモデルに共通する事
どの型式にも共通して言える入る確率が高いヘルメットの特徴は、ベンチレーションなどの突起が少ない丸いフォルムをしていること、そしてヘルメットの高さ自体が低いことです。
逆に、インナーサンシェードを装備しているモデルは、その構造上前頭部が分厚くなりやすいため、サイズ選びには細心の注意が必要です。
PCXにおすすめのジェットヘルメット3選

ここからは具体的なおすすめモデルを紹介。
まずは、PCXの機動力を最大限に活かせるジェットヘルメットです。ストップ&ゴーが多く、夏場の快適性を重視する方には最適です。
コスパと機能のバランス:OGK KABUTO EXCEED2

最初に紹介するのは、OGK KABUTOのEXCEED2(エクシード2)です。
このヘルメットの最大の特徴は、軽量かつコンパクトなボディに、眩しい日差しを遮るインナーサンシェードを標準装備している点です。
PCXオーナーの装着率が非常に高いモデルであり、コストパフォーマンスも抜群です。
帽体の設計も工夫されており、多くのPCXのメットインに収納可能です。風の巻き込みも少なく、高速域でも安定しているため、通勤快速としてのPCXにはもってこいの選択肢です。
収納の救世主:YAMAHA YJ-20 ZENITH

次におすすめしたいのが、YAMAHAのYJ-20 ZENITHです。
「ホンダのバイクにヤマハのヘルメット?」と思われるかもしれませんが、実はこのYJ-20は、PCXオーナーにとって救世主とも言える存在です。
メーカー自身がアンチ・メットイン・トラブルというキャッチコピーを掲げている通り、スクーターのシート下に収納することを最優先に設計されています。
帽体が非常にスリムで高さが抑えられており、PCXの歴代モデルのほとんどでスムーズに収納できるという驚異的な適合率を誇り実用性No.1のヘルメットです。
極上の快適性:SHOEI J-Cruise2

大人のPCX乗りにおすすめしたいのが、SHOEIのJ-Cruise2です。
プレミアムヘルメットメーカーであるSHOEIが送り出す、ツーリングジェットの最高峰です。
インナーサンシェードを装備していながら、独自の技術でシェルをコンパクトに保っています。何より特筆すべきは圧倒的な静粛性と被り心地の良さです。
風切り音が驚くほど静かなので、インカムでの通話や音楽を聴きながらのクルージングが非常に快適になります。マイクロラチェット式のあご紐は脱着もスムーズです。
PCXにおすすめのフルフェイスヘルメット3選

冬場の寒さ対策や、長距離通勤での疲労軽減、そして万全の安全性を求めるならフルフェイス一択です。PCXの収納事情を考慮した、選りすぐりの3モデルを紹介。
圧倒的なコンパクトさ:SHOEI Z-8

筆頭候補は、SHOEIのZ-8です。
このヘルメットは、フルフェイス界の革命児と言っても過言ではない。
とにかく軽量で、そして帽体が驚くほどコンパクトに作られています。先代のZ-7もPCXユーザーに愛されていましたが、Z-8になってもそのコンパクトさは健在です。
余計な突起を削ぎ落としたエアロフォルムは、風の抵抗を受け流し、首への負担を軽減してくれます。そして何より、このコンパクトさのおかげで、PCXのメットインに入る可能性が最も高いフルフェイスの一つとなっています。
機能全部入り:OGK KABUTO KAMUI

次に紹介するのは、OGK KABUTOのKAMUI(カムイ)です。
手頃な価格ながら、インナーサンシェードや高機能な内装を備えた大ベストセラーモデルです。
デザインもアグレッシブでカッコよく、PCXの先進的なイメージにぴったりです。サンシェードを内蔵している分、帽体がやや大きめに設計されていることです。機能性は間違いなくトップクラスです。
ネオクラシックな魅力:ARAI RAPIDE-NEO

スタイルにこだわりたいオーナーには、ARAIのRAPIDE-NEO(ラパイドネオ)をおすすめします。
あえてベンチレーションダクトを廃したつるんとした丸いフォルムと、口元の3本スリットが特徴的なネオクラシックデザインのヘルメットです。
このレトロモダンな雰囲気が、意外にもPCXの上質なデザインと絶妙にマッチする。
スーツ姿でPCXに乗るようなビジネスマンが被っても違和感がなく、非常に洒落ています。
また、この凹凸のない形状はメットイン収納においても有利に働きます。見た目だけでなく、ARAIならではの安全性も兼ね備えた、通好みの選択肢です。
PCXにおすすめのシステムヘルメット2選

フルフェイスの安心感とジェットの利便性を両立させたい、メガネをかけたまま脱着したい、そんな欲張りなニーズに応えるのがシステムヘルメットです。
常識を覆す軽さ:OGK KABUTO RYUKI

システムヘルメット界に衝撃を与えたのが、OGK KABUTOのRYUKI(リュウキ)です。
従来のシステムヘルメットは重くて大きいというのが常識でしたが、このRYUKIはその常識を覆しました。
パーツレイアウトを見直すことで、フルフェイス並みの軽量化とコンパクト化を実現しています。また、熱線遮蔽素材を使用したシールドを採用しており、夏場のヘルメット内部の温度上昇を抑えてくれます。
フードデリバリーなどで頻繁に顔を出して会話をする必要があるPCXオーナーにとっては、最強の業務ツールとなるだろう!
妥協なき最高峰:SHOEI NEOTEC3

そして、システムヘルメットの王様とも言えるのがSHOEIのNEOTEC3です。
被った瞬間に包み込まれるような極上のフィット感、走行風をものともしない静寂性、スムーズな可動ギミックなど、すべてにおいて最高品質です。
PCXで長距離ツーリングに出かけるなら、これ以上の快適装備はありません。
どうしても入らない時は?PCXの積載拡張テクニック

どれだけ吟味しても、サイズやモデルによってはどうしてもシート下に入らないことはあります。
また、カッパやグローブを入れたらヘルメットが入るスペースがなくなってしまったということもあるでしょう。そんな時の解決策を紹介。
ヘルメットホルダーの正しい使い方
最も手軽でお金のかからない方法は、純正で装備されているヘルメットホルダー機能を正しく使うことです。

PCXのシートを開けると、ヒンジの近くに左右に突起やフック、あるいはワイヤーを引っ掛ける場所があります。
車載工具に含まれているヘルメットホルダーワイヤーを使用し、ヘルメットのDリングに通してシート下のフックに引っ掛け、そのままシートを閉めてロックします。
これならヘルメットが盗まれる心配はありません。
ただし、ヘルメットが車体の外に出た状態になるため、雨が降れば濡れてしまいますし、他人の体や荷物が当たって傷つくリスクもあります。
あくまで一時的な駐輪時の手段として割り切るのが良いでしょう。
最悪⇒リアボックス導入のススメ

ヘルメット収納のストレスから完全に解放される最終手段、それがリアボックス、いわゆるトップケースの導入です。
PCXは車体が大柄でテールデザインもしっかりしているため、ボックスをつけてもバランスが崩れにくく、むしろツアラーのような風格が出ます。
GIVIやSHADといった有名メーカーの30リットルから40リットルクラスのボックスを取り付ければ、どんな大きなヘルメットでも、泥で汚れたカッパと一緒にでも、余裕で放り込むことができます。
鍵もかけられるのでセキュリティも万全です。
一度この便利さを知ってしまうと、もうボックスなしの生活には戻れないほどの快適さを提供してくれます。通勤快速としての機能を極めるなら、ヘルメットをメットインに入れようと努力するよりも、ボックスをつけてしまうのが一番の近道かもしれません。
最後に統括

PCXのおすすめヘルメットについて、収納問題を中心に解説してきました。
改めて選び方のポイントを整理しますと、まずは自分のPCXの型式を把握し、その収納力の限界を知ること。
そして、通勤での利便性を取るか、ツーリングでの安全性を取るかという優先順位を明確にすること。最後に、PCXの都会的なデザインに合ったモデルを選ぶこと。
この3点を意識すれば、大きな失敗は防げるはずだ。
このコンテンツでは、入りやすいモデルや入らない可能性が高いモデルについて触れましたが、ヘルメットのサイズや個体差、さらにはシートベースの僅かな歪みなどで結果が変わることもあります。
最も確実なのは、バイク用品店に自分のPCXで行き、店員さんに相談して試着用のヘルメットを実際にシート下に入れさせてもらうことです。
多くの親切なショップでは、傷がつかないよう配慮した上でフィッティングを許可してくれます。
ヘルメットはライダーの命を守る最も重要な装備であり、同時にバイクのスタイルを決めるファッションアイテムでもあります。
妥協せずに選んだお気に入りのヘルメットは、PCXと過ごす時間をより特別なものにしてくれるでしょう。
愛車に完璧にマッチする最高のヘルメットを見つけよう!
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