【注意点!】グロム/中古車購入前に必ず見るべき項目7選!

ホンダ車
Taku
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ホンダが誇る125ccスポーツの代名詞、グロム。2013年の登場から現在に至るまで、そのコンパクトな車体で多くのライダーを虜にしてきた。

今や、中古車市場でも常に高い人気を誇るが、注意点もいくつか存在する。

例えば、購入後に高額な修理費用が発生し、結局新車を買ったほうが安かった・・という事態になるケースも少なくはありません。

今回は、数多くのグロムを見てきて、その弱点を知り尽くした二級二輪整備士である私(プロ)の視点から、後悔しないための中古車選びのポイントを徹底的に解説!

■この記事でわかること

  • グロムの中古車選びで後悔しないためのチェックポイント
  • 【注意点!】グロムの中古車購入前に必ず押さえる項目7選
  • グロムの世代別中古車選びのポイント
  • 個人売買と店頭購入のメリット・デメリットを解説
  • 購入後に後悔しないためのプラスワンチェック
  • 最後に統括

グロムの中古車選びで後悔しないためのチェックポイント

Taku
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グロムの中古車を探し始めると、価格帯の広さに驚くはずです。

安価な初期型から、新車価格と大差ない最新モデルまで、選択肢は多岐にわたります。

ここで重要なのは、グロムというバイクの本質を正しく理解することです。

グロムは、大型バイクを所有するライダーのサブ機として選ばれることが多く、その結果としてメインバイクよりもメンテナンスが疎かになりがちな側面があります。一方で、熱狂的なカスタムファンも多く、エンジン内部まで手が加えられている車両も珍しくありません。

中古車選びで最も避けたいのは、見た目のカスタムに惑わされて、肝心の機関系のダメージを見逃すことです。

特に125ccクラスは車検がないため、前オーナーがどのような整備をしていたかは、現車の状態から読み取るしかありません。

整備記録簿が残っている個体は稀であり、多くの場合は現状渡しに近い形で販売されています。だからこそ、自分自身で見るべきポイントを絞り、プロと同じ目線で車両を評価する能力が求められるのです。

これから紹介する7つのチェック項目は、私が実際に査定や整備の現場で必ず確認している、グロム特有の急所ばかりです。

【注意点!】グロムの中古車購入前に必ず押さえる項目7選

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それでは、具体的にどのような点に注意して現車確認を行うべきか?、深く掘り下げていこう。

これらの項目は、単に部品の消耗を見るだけでなく、そのバイクがこれまでどのように扱われてきたかという履歴を推測するための重要な手がかりとなります。

1. エンジンの異音とアイドリングの安定性

まずはエンジンの状態を確認します。

始動性が良いのは当然として、アイドリングが一定のリズムを刻んでいるかを注視してください。

グロムの空冷エンジンは比較的頑丈ですが、高回転を常用する特性上、カムチェーン周りやタペットのクリアランスが広がり、異音が出やすい傾向があります。

エンジンが冷えている状態での始動時に、カチカチという高い金属音が混じっていないかを確認し、さらにエンジンが温まった後でもその音が消えない場合は注意が必要です。

また、最も警戒すべきは腰下からの重い打音です。

クランクシャフトのベアリングが摩耗している場合、回転に合わせてゴロゴロという低い音が響きます。これは腰上オーバーホールでは済まない重整備が必要なサインです。

2. フレームの歪みと転倒痕のチェック

グロムは非常にコンパクトなフレーム構造を採用しています。

そのため、強い衝撃を受けた際に力が逃げにくく、フレームに歪みが生じやすいという特徴があります。

まず確認すべきは、フロントフォークの付け根付近にあるストッパー部分です。

左右にハンドルをフルロックまで切った際、ストッパーが不自然に変形していたり、塗装が剥げて錆びていたりする場合は、激しい転倒や事故を経験している可能性が極めて高いと言えます。

次に、車体を真後ろから見て、リアフェンダーとタイヤのセンターが一直線上に並んでいるかを確認してください。

また、ステップやペダル類の先端、バーエンド、ミラーの裏側などに削れたような跡がないかも重要です。これらのパーツが新品に交換されている場合は、転倒を隠している可能性もあります。

その際は、エンジンケースの下側やスイングアームの端など、交換されにくい場所に深い傷が残っていないかを探ります。

3. 前オーナーによる過度なカスタムと配線の状態

グロムはカスタムパーツが星の数ほど存在します。

中古車でも、マフラーやハンドル、ウインカーなどが変更されている個体がほとんどです。ここでプロがチェックするのは、パーツのブランドではなく、その取り付けの質です。

特に電装系のカスタムには注意が必要です。

シートを外してバッテリー周りや配線の束を確認してください。エレクトロタップ(通称カニ)が多用されていたり、絶縁テープが雑に巻かれていたりする車両は、将来的に接触不良やショートによる車両火災のリスクを抱えています。

また、吸排気系のカスタムがなされている場合、燃調の補正が行われているかも重要です。マフラーだけを抜けの良いものに変え、燃料を薄いまま走らせ続けていると、エンジンヘッドに過度な熱負荷がかかり、寿命を縮めていることがあります。

4. フロントフォークのオイル漏れと摺動面

グロムはそのルックスを際立たせるために、125ccとしては豪華な倒立フロントフォークを全世代で採用しています。

しかし、この倒立フォークがメンテナンス上の弱点となることがあります。

正立フォークに比べてオイル漏れが起きやすく、さらに漏れたオイルがブレーキディスクに付着しやすいという構造的なリスクを持っています。

現車確認では、インナーチューブの下端にオイルが溜まっていないか、あるいはダストシールがひび割れていないかを必ず確認してください。

もしオイルが漏れている場合、単なるシール交換だけでなく、インナーチューブ自体に点サビが発生していないかもチェックが必要です。サビがある状態でシールだけを新品にしても、サビの凸凹がシールを傷つけ、すぐに再発してしまいます。

5. 駆動系(チェーン・スプロケット)の摩耗具合

チェーンとスプロケットの状態は、そのバイクがどれだけ愛着を持って管理されていたかを示す鏡のような場所です。

グロムの純正チェーンは、コスト重視のノンシールチェーンが採用されていることが多く、定期的な清掃と注油、そして張り調整を怠ると、あっという間に伸びてしまいます。

チェーンが茶色く錆びていたり、固着してスムーズに回らなかったりする個体は、他の部分のメンテナンスも推して知るべしと言わざるを得ません。

スプロケットの歯に注目してください。

歯先が尖って手裏剣のような形になっていたり、左右に倒れるように摩耗していたりする場合は、かなりの走行距離を走っているか、非常に過酷な加減速を繰り返してきた証拠です。駆動系のリフレッシュには、チェーンと前後スプロケットのセットで2万円前後の費用がかかります。

これを購入直後に行わなければならないとなると、中古車としての割安感は薄れてしまいます。

6. ブレーキディスクの段減りとパッド残量

走行距離の信憑性を疑う際、最も有力な証拠となるのがブレーキディスクの摩耗具合です。

メーターの表示が数千キロであっても、ブレーキディスクの表面に指を這わせたときに、外周部分に明らかな段差(段減り)を感じる場合は、実際の走行距離はもっと多い可能性があります。

特にグロムのような軽量なバイクでディスクが目に見えて減るには、かなりの距離を走るか、あるいは非常に激しいブレーキングを繰り返すスポーツ走行に使われていたことが考えられます。

合わせてブレーキパッドの残量も確認します。

キャリパーの隙間から覗き込み、溝がなくなっていないかを確認してください。パッドの偏摩耗がある場合は、キャリパーのピストンの動きが悪くなっている証拠であり、オーバーホールが必要になります。

7. オイル漏れ・滲みの有無とドレンボルト周り

最後に見るべきは、エンジン下部のオイル漏れと滲みです。

特に注目してほしいのが、オイルを抜くためのドレンボルト周辺です。

グロムのクランクケースはアルミ製で柔らかいため、知識のない人が強すぎるトルクで締め付けると、簡単にネジ山を潰してしまいます。

ドレンボルトの周りに液体ガスケットがベタベタと塗られていたり、常にオイルが滲んでいたりする場合、ケース側のネジ山が死んでいる可能性があり、これはクランクケースの交換、あるいはリコイルなどの特殊な修理が必要な重大な欠陥です。

また、シフトシャフトの根元や、スプロケットの奥にあるカウンターシャフトのシールからの漏れもチェックポイントです。

砂や泥が溜まったまま走行を続けると、シールを痛めてオイルが漏れ出します。これらの修理は、部品代こそ安いものの、作業には手間がかかるため工賃が嵩みます。エンジンの底を覗き込み、不自然に清掃された跡がないか、あるいは古いオイルが堆積していないかを確認してください。

グロムの世代別中古車選びのポイント

Taku
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グロムには大きく分けて3つの世代が存在します。それぞれの型式によって構造や弱点が異なるため、自分が狙っているモデルの特性を把握しておくことが重要です。

初代JC61:価格の安さとカスタムパーツの豊富さ

2013年から2015年にかけて販売された初代モデル、JC61型は、現在最も安価に手に入るグロムです。デザインはシュラウドが特徴的で、今見ても古さを感じさせません。

このモデルの最大の魅力は、カスタムパーツが最も充実していることです。しかし、初期型ゆえの注意点もあります。例えば、燃料ポンプの不具合によるリコールが出ていた個体があるため、対策済みかどうかを確認する必要があります。

2代目JC75:デザインの進化とLEDの恩恵

2016年に登場したJC75型は、ヘッドライトが縦2段のLEDになり、マフラーがダウンタイプに変更されるなど、よりモダンで攻撃的なルックスになりました。

エンジン性能に大きな変更はありませんが、熟成が進み、初期型で見られたような細かな不具合は少なくなっています。中古市場でもボリュームゾーンであり、走行距離と価格のバランスが良い個体を探しやすい世代です。

注意点としては、LEDヘッドライトのユニットは故障すると非常に高価であるため、点灯確認は必須です。また、この世代からABS装着モデルも登場しており、安全性にこだわるならABS付きを選びたいところですが、その分中古価格も高めになる傾向があります。

3代目JC92:現行5速エンジンの圧倒的アドバンテージ

2021年に登場した最新のJC92型は、それまでのグロムとは中身が別物と言っていいほどの進化を遂げました。最大の特徴は、新設計のエンジンに5速ミッションが組み合わされたことです。

これにより、高速域での余裕が生まれ、ツーリング性能が劇的に向上しました。また、オイルフィルターが遠心分離式から一般的なカートリッジ式に変更され、メンテナンス性が飛躍的にアップしたのもプロが絶賛するポイントです。

中古車としてはまだ高年式で価格も落ちにくいですが、これから長く乗ることを考えるなら、最もおすすめできる世代です。

注意点としては、ボルト1本で外装が脱着できるようになった反面、カスタムによって外装のチリが合わなくなっている車体があることや、新型エンジン特有の慣らし運転の状況が気になる点などが挙げられます。

個人売買と店頭購入のメリット・デメリットを解説

Taku
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グロムを探していると、メルカリやヤフオクといった個人売買で非常に安く出品されているのを見かけることがあります。

しかし、ことグロムに関しては、個人売買には相応のリスクが伴います。

✅️個人売買のメリット

個人売買の最大のメリットは、消費税がかからず、中間マージンがないため安く買えることです。

✅️個人売買のデメリット

デメリットはそれ以上に深刻です。フレームの歪み、配線の不備、エンジンの内部ダメージなどを、出品者が把握していない、あるいは意図的に隠しているケースが多々あります。また、書類の不備や、名義変更後のトラブルなども後を絶ちません。
自分で整備ができる熟練者であれば、ベース車両として安く買い叩くのも手ですが、初めてのバイク選びや、安心して長く乗りたい初心者には全くおすすめできません。

✅️店頭購入のメリット

一方、バイクショップで購入する場合、車両価格は高くなりますが、納車前の点検整備と、万が一の際の保証が付帯します。プロの目でチェックされた車両は、致命的な欠陥が排除されており、安心して乗り出すことができます。

特にホンダドリーム店などの正規ディーラーであれば、過去の整備履歴やリコールの実施状況も確実に把握されています。グロムのような、酷使される可能性が高いバイクこそ、数万円の差額を「安心料」と考えて、信頼できる店舗で購入することを強く推奨します。

購入後に後悔しないためのプラスワンチェック

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目当ての車両が決まり、契約する直前に、もう二つだけ確認してほしいことがあります。それは自賠責保険の残り期間と、純正パーツの有無です。

自賠責保険が長く残っている車体は、乗り出し価格を抑える大きな要因になります。また、カスタム車を購入する場合、外された純正マフラーやミラー、フェンダーなどが付属するかどうかを必ず確認してください。

チェック項目 確認内容 プロのアドバイス(なぜ重要か)
純正パーツの有無 マフラー、ミラー、フェンダー、ウインカー等 カスタム車の場合、純正部品がないと将来の売却査定が大幅に下がります。また、法改正や車検(排気量アップ時など)への対応に必要です。
自賠責保険の残り 保険期間が数ヶ月〜数年残っているか 125ccは自賠責が車両に紐づくため、残り期間が長いほど実質的な値引きと同じ効果があります。名義変更の手続きも忘れずに。
スペアキーの数 合鍵を含めて2本以上あるか 鍵を紛失した際、最近のモデルや社外セキュリティ付きだと作成に数万円かかることも。特に中古車は1本しかないケースが多いので要注意です。
タイヤの「製造年週」 サイドウォールの4桁数字(例:1223=2023年12週目) 溝があっても、製造から3〜5年以上経ったタイヤは硬化してグリップしません。転倒リスクに直結するため、古い場合は交換交渉の余地があります。
整備記録簿の有無 過去のオイル交換や定期点検の履歴 記録簿は「愛されていた証拠」です。これがある車両は、走行距離の信憑性が高く、隠れた不具合が少ない傾向にあります。
車台番号の照合 書類(廃車証や自賠責)とフレーム刻印が一致するか 稀にフレーム載せ替え車や書類不備の個体があります。番号が不鮮明だったり、書類と1文字でも違えば、公道を走れない法的トラブルになります。
取扱説明書の有無 シート下や別添で付属しているか 操作方法だけでなく、メーカー指定の指定空気圧やオイル量などのデータが記載されています。特に初心者は手元にあると安心です。

将来的にバイクを売却する際、純正パーツが揃っているかどうかで査定額は大きく変わります。

また、カスタムパーツが壊れた際や、車検のような厳格なルール変更があった際、純正パーツを持っていないと対応に困ることになります。

「ノーマルパーツありますか?」の一言が、将来の自分を助けることになるのです。

最後に統括

Taku
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グロムの中古車選びは、まるで宝探しのような楽しさがある反面、一歩間違えれば厄介なトラブルを抱え込むリスクも孕んでいます!

今回紹介した7つのチェック項目、すなわちエンジンの異音、フレームの歪み、カスタムの質、フォークの漏れ、駆動系の摩耗、ブレーキの減り、そしてオイル周りの状態を一つずつ丁寧に確認していけば、ハズレ個体を引く確率は限りなくゼロに近づけることができます。

グロムは、125ccという枠を超えた走りの楽しさと、いじり倒せる喜びを提供してくれる素晴らしいバイクです。

だからこそ、最初のスタートラインである車両選びでつまづいてほしくありません。

もし現車確認をしていて、少しでも違和感を感じたり、店員の説明に納得がいかなかったりする場合は、勇気を持ってその個体を見送ることも大切です。

グロムの中古車は次から次へと市場に出てきます。

焦らず、自分の目で納得できる一台を見つけ出し、最高のグロムライフをスタートさせよう!

この記事を書いた人
Taku
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二級二輪整備士:大型二輪免許取得:愛車Lead125
125cc専門の情報発信者。各車種のスペックや走行性能、燃費比較からメンテナンスまで知識ゼロから詳しくなれるよう、すべてを“教科書レベル”で徹底解説しています!

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