
「ハンターカブはメンテさえしていれば10万キロ、20万キロ乗れる」、ハンターカブ(CT125)の購入を検討しているライダーやオーナーなら、一度はこの**「カブ寿命伝説」**を耳にしたことがあるのではないか?
確かにハンターカブは、世界に誇るホンダの技術が詰まったタフな125ccで、一生乗れるとも思ってしまうバイクだ。
しかし、結論から言ってしまうと、「寿命も何も考えずに20万キロ走れる」というのは幻想であり、もっと言えば「一生乗り続ける」ことには命に関わるリスクも潜んでいます。
「エンジンは丈夫でも、車体が悲鳴をあげる・・」 「ある日突然、走行不能になる・・」
これらは、走行距離が伸びたバイクに必ず訪れる現実だ。
ここでは、ハンターカブと長く付き合うためにこそ知っておきたい、**「引き際」と「維持の覚悟」**について一緒に見ていこう。
■この記事でわかること
- 【ガチなの?】ハンターカブの寿命で20万キロは走行可能?
- ぶっちゃけ寿命が20万キロまで伸びた事例はあるのか?
- 「一生乗れる」発想がリスクと言われる3つの理由
- それでも長く乗りたい!寿命を延ばす最強のメンテナンス
- 修理か買い替えか?寿命を判断する最終ライン
- 最後に統括
【ガチなの?】ハンターカブの寿命で20万キロは走行可能?

まず、現実的な数字の話をしましょう。 「ハンターカブは20万キロ走る」という噂は、新聞配達や郵便配達で使われる「ビジネス用スーパーカブ」の伝説が元になっています。
では、趣味性の高いハンターカブ(CT125)も同じように走れるのか?
出典YouTube
エンジンの耐久性と「カブ神話」の現実

一般的に、125ccクラスの空冷単気筒エンジンの寿命目安は、適切なメンテナンスをしていても**「10万キロ程度」**と言われています。
これを超えて走っているカブも存在しますが、それは「何もせずに走れている・・」わけではありません。
ハンターカブはスーパーカブと違い、高回転型のエンジン設定になっていることや、オフロード走行やキャンプ道具の積載など、エンジンや車体にかかる負担がビジネスバイクよりも大きい傾向にあります。
そのため、何も手入れをしなければ5万キロ前後で不調が出ることも珍しくありません。
20万キロ走るために必要なオーバーホールとは?

「20万キロ走った」という人の話を聞くと、ほとんどの場合、途中で**「オーバーホール(エンジンの分解修理)」**を行っています。
これらは、ただのオイル交換ではありません。
エンジンの「開腹手術」です。
つまり、「20万キロ走れる」=「20万キロ壊れない」ではありません。
「壊れた部品をその都度、新品に交換し続ければ、理論上はいつまでも走れる」というのが真実です。そこには莫大なコストと手間がかかっていることを忘れてはいけません。
「乗れる」と「安全」は違う!寿命の定義とは?
ここで重要なのが、「エンジンがかかる=寿命が残っている」ではないということです。
たとえエンジンが動いても、このような状態で公道を走るのは「寿命を迎えている」と言えます。
「快適に、安全に目的地までたどり着ける状態を維持できるか」。これが、私たち一般ライダーにとっての本当の寿命の定義です。
ぶっちゃけ寿命が20万キロまで伸びた事例はあるのか?

ぶっちゃけて言うと、現行の「ハンターカブ(CT125)」に限って言えば、20万キロ走破した事例は、まだネット上やSNSでもほぼ確認されていない。。
その理由と、なぜ「20万キロ」という数字が独り歩きしているのかの「裏事情」を包み隠さずお伝えします。
これが最大の理由です。

ハンターカブ(CT125・JA55型)が発売されたのは2020年6月です。2026年で発売から約6年しか経っていません。
雨の日も風の日も、毎日100キロ以上コンスタントに走り続けるオーナーはまずいません。
日本一周をしているような猛者でも、数万キロレベルです。
そのため、「CT125で20万キロ達成!」という報告が出てくるのは、早くてもあと数年後(2020年代後半〜)になるはずです。
そして、「カブは20万キロ走る!」という話の出どころは、ほとんどが以下のパターンです。
✅️新聞配達や郵便配達のプロ仕様(プレスカブなど)
彼らは毎日乗るため、エンジンが冷える暇がなく、実はエンジンに優しい乗り方をしています。
それでも、多くの事業所では5万〜8万キロ程度で車両を入れ替えます(修理コストがかさむため)。20万キロまで使い倒すのは、よほど予算がない事業所か、凄腕の整備士がいる場合のみです。
✅️昭和の「鉄カブ」(鋳鉄シリンダー)
昔のカブはエンジンの作りがシンプルで分厚く、何度でもボーリング(研磨)して直せました。
現行のCT125(アルミシリンダー・メッキ加工)は、昔のカブとは構造が違い、そこまで「修理しながら延命する」前提の作りではありません。
過去にスーパーカブで20万キロや30万キロを達成した個人のブログやSNSを見ると、ほぼ100%以下のことをしています。
つまり、外見のフレームとナンバープレートは同じでも、中身のエンジンは別物になっているケースがほとんどです。
これを「寿命」と呼ぶか、「執念」と呼ぶかは微妙なところです。。
つまりは、
CT125はまだ発売から日が浅いため、実際に20万キロ走破した記録はほぼ存在しません。
いま噂されている20万キロ伝説は、あくまで昔のビジネス用カブの武勇伝が混同されている可能性が高いです。
ただ、プロの配達員が乗るカブでさえ、メンテナンスなしでは5万キロ前後でガタがきます。ましてや趣味で乗るCT125なら、なおさら日々のケアが重要です。
「一生乗れる」発想がリスクと言われる3つの理由

「エンジンさえ直せば、一生乗れる」と思っていないか?
実は、バイクの寿命を決めるのはエンジンだけではありません。
走行距離が10万キロを超え、あるいは製造から10年以上が経過したハンターカブに乗り続けることが、なぜ「リスク」と言われるのか?
そこには、目に見えない劣化と、突然のトラブルという恐怖があるからです。
1. 目に見えない「金属疲労」とフレームの限界

エンジンは部品を交換すれば新品同様に戻りますが、バイクの骨格である「フレーム」は交換できません(交換=別のバイクになるのと同義です)。
特にハンターカブは、そのキャラクターゆえに以下のような使われ方をされがちです。
これらの負荷は、少しずつ金属疲労としてフレームに蓄積します。
見た目は綺麗でも、溶接箇所に目に見えないクラック(亀裂)が入っていたり、フレーム全体が歪んで直進安定性が損なわれたりすることがあります。
「高速走行中にフレームが破断する」といった最悪のケースは稀ですが、強度が落ちた車体で走り続けるのは、安全面で非常にリスクが高い行為です。
2. 電装系とゴム類の経年劣化による「突然死」

20万キロを目指す上で最も怖いのが、エンジンの故障よりも**「電装系のトラブル」**です。
バイク全体に張り巡らされた配線(メインハーネス)は、経年劣化で被膜が硬くなり、内部で断線したりショートしたりします。これは予兆なく突然起こります。
もしこれが、交通量の多い幹線道路やトンネルの中、あるいはカーブの途中で起きたらどうなるか?
古いバイクに乗り続けるということは、こうした**「いつ止まるかわからない爆弾」**を抱えて走るのと同義なのです。
3. 「意地」が招く整備不良の悪循環
「一生乗る!」という思いが強すぎると、高額な修理費がかさんできた時に、心理的な落とし穴にはまることがあります。
「もう20万キロも走っているから、高い部品代をかけるのはもったいない・・」 「騙し騙し乗ればいいか・・」
このように考えて、本来交換すべき重要保安部品(ブレーキ周りやサスペンション)の整備を後回しにしてしまうケースが少なくありません。
「修理代をケチる」ことと「長く乗る」ことは矛盾します。
結果として、万全ではない状態のバイクで公道を走ることになり、自分だけでなく周囲を巻き込む事故につながる「危ない」状態を作り出してしまうのです。
それでも長く乗りたい!寿命を延ばす最強のメンテナンス

前半で「リスク」について厳しいお話をしましたが、それでも愛着のあるハンターカブ(CT125)に長く乗りたいという気持ちは、ライダーとして痛いほどわかります。
20万キロという未踏の領域を目指すのであれば、メーカー推奨の一般的なメンテナンスだけでは足りません。 エンジンと車体を労り、寿命を極限まで延ばすための「最強のメンテナンス」を3つのポイントで解説します。
3,000kmごとのオイル交換と「遠心フィルター」の罠
エンジンの寿命を握っているのは、間違いなくエンジンオイルです。

取扱説明書にはもう少し長い交換距離が記載されていますが、長く乗りたいなら「3,000km、または半年に1回」の交換サイクルを絶対厳守してください!
特にハンターカブのような空冷単気筒エンジンは、オイルへの負担が大きいため、早めの交換が命綱です。
そして、カブ主(カブオーナー)でも見落としがちなのが、「遠心オイルフィルター」の清掃です。
今のバイクの多くはカートリッジ式のフィルターを外から交換するだけですが、カブ系エンジンは内部にある「遠心フィルター」にスラッジ(汚れの塊)を溜め込む構造になっています。
これを放置すると、フィルターが詰まり、汚れたオイルがエンジン内を循環し始め、寿命を一気に縮めます。
走行1万〜2万キロごとの清掃をショップに依頼するか、自分で行うことが「20万キロ」への必須条件です。
チェーンとスプロケット管理でエンジン負担を減らす

「チェーンがサビていても、走れるから大丈夫」と思っていないか?
実は、駆動系(チェーン・スプロケット)の劣化は、エンジンの寿命に直結します。
サビて動きの悪くなったチェーンや、摩耗したスプロケットは、タイヤを回す際に大きな「抵抗(フリクションロス)」を生みます。
人間で例えるなら、サビついた自転車を漕ぐようなものです。ペダル(エンジン)を漕ぐのに、普段以上の余計な力が必要になります。
この「余計な負荷」が積み重なると、エンジンのピストンやベアリングを摩耗させます。
駆動系をスムーズに保つことは、エンジンを楽にさせてあげる一番の親孝行です。
暖気運転と「全開走行」を控える乗り方
メンテナンスと同じくらい重要なのが、ライダーの「右手(アクセルワーク)」です。
「朝一番の暖機運転」 エンジンをかけてすぐに走り出すのはNGです。
オイルがエンジン全体に行き渡るまで、夏場でも数十秒〜1分、冬場なら2〜3分はアイドリングをしてから、ゆっくり走り出してください。金属同士が直接擦れ合う「ドライスタート」を防げます。
また、全開走行を避ける。
125ccは非力なため、バイパスなどでついアクセルを全開にしたくなりますが、レッドゾーン付近での連続走行はエンジンの寿命を削ります。
「最高速」で走り続けるのではなく、エンジンの鼓動が苦しそうではない「巡航速度(おいしい回転域)」で走る余裕を持つことが、長寿命への秘訣です。
修理か買い替えか?寿命を判断する最終ライン

「愛着があるから直して乗りたい」 その気持ちは素晴らしいですが、バイクには「直すよりも買い替えた方が、結果的に安く安全な場合」が存在します。
感情論ではなく、冷静に判断するための「撤退ライン」を、症状と金額の面から設定しましょう。
エンジンからの異音と白煙は「末期症状」
以下の症状が出たら、エンジンの寿命(オーバーホールの時期)が来ています。
これらは、ちょっとした調整では直りません。
エンジンを全分解する「オーバーホール」が必要となり、工賃を含めると10万円〜20万円コースになることがザラです。
ここまで来たら、無理に直すよりも「寿命を全うした」と判断するのが賢明です。
中古車相場と修理代のバランスを考える

ハンターカブ(CT125)の最大の強みは、「中古車買取相場(リセールバリュー)が非常に高い」ことです。
例えば、修理見積もりが15万円かかるとします。もし、今の壊れかけた状態でも20万円で売れるとしたらどうでしょうか?
古い車体に高額な修理費を払い続けるのは、いわば「底の抜けたバケツに水を注ぐ」ようなものです。
「修理費が10万円を超えそうなら、一度買取査定に出してみる」。これが、損をしないための鉄則です。
最後に統括

記事のポイントをまとめます。
✅️20万キロは可能か?
理論上は可能だが、エンジンオーバーホールや部品交換に、新車が買えるほどのコストがかかるため現実的ではない。
✅️一生乗れるは危ない?
フレームの金属疲労や電装系の突然死など、目に見えない劣化が事故につながるリスクがある。
✅️寿命を延ばすには?
3,000kmごとのオイル交換、カブ特有の「遠心フィルター」清掃、丁寧な運転が必須。
✅️乗り換えの目安は?
エンジンからの異音・白煙が出た時や、修理費が10万円を超える時が引き際。
ハンターカブは間違いなく頑丈で楽しいバイクです。
しかし、「不死身」ではありません。
「20万キロ走ること」を目的にするあまり、安全をおろそかにしたり、無理な出費を重ねたりしては本末転倒です。
大切なのは、走行距離の数字ではなく、**「あなたが今日、笑顔で安全に走り出せる状態かどうか」**です。
日々のメンテナンスを楽しみながら、愛車のコンディションと相談し、一番良いタイミングで「乗り続ける」か「次の相棒にバトンタッチする」かを決めてください。
それが、カブ主としての最も愛情ある選択になるはずだ!
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二級二輪整備士:大型二輪免許取得:愛車Lead125
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