【盗難対策必須】なぜPCXは盗難されやすい?新型もヤバい

ホンダ車
Taku
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PCXは125ccクラスのスクーター市場において不動の王者として君臨し続けていますが、その輝かしい人気の裏側には、オーナーにとって極めて深刻なリスクが潜んでいる!

それは、PCXが「日本国内で最も盗難率No.1の125cc」であるという紛れもない事実です。

なぜ、PCXは盗難されやすいのか?もはや盗難対策は必須で当たり前のこの車種に新型だからといって、決して安心していてはドツボにはまる。。

むしろ、ピカピカの新型であればあるほど、窃盗団の目には魅力的な獲物として映っているはずだ。

このコンテンツでは、なぜこれほどまでにPCXが狙われるのかという根本的な理由から、新型モデルであっても回避できない最新の盗難手口、そして愛車を守り抜くために今日から実践すべき最強の防犯対策までをプロの二級二輪整備士である私が徹底的に解説します!

■この記事でわかること

  • 【結論】なぜPCXが盗難されやすいのか?3つの根拠!
  • 【注意】新型PCX(JK05/KF47)でもスマートキーは無力?
  • 警察も推奨!PCXを守る最強の盗難対策5選
  • ロックだけでは限界も・・盗難保険は入るべし!
  • 最後に統括

【結論】なぜPCXが盗難されやすいのか?3つの根拠!

Taku
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なぜ数あるバイクの中で、PCXばかりが頻繁に狙われるのか?その理由は決して偶然ではなく、窃盗団にとってPCXを盗むことが極めて「ビジネスとして効率が良い」という残酷な市場原理に基づいています。

ここでは大きく分けて3つの理由になると思う。

①海外での圧倒的な需要とパーツ転売

まず第一の理由は、国内外での圧倒的な人気と、それに伴う膨大なパーツ需要です。

PCXは日本国内だけでなく、タイやベトナム、インドネシアといった東南アジア諸国でも絶大な人気を誇っています。これらの国々ではPCXは高級スクーターとして扱われており、その維持やカスタムのために純正パーツの需要が尽きることがありません。

窃盗団は盗んだPCXをそのままの姿で売ることもありますが、多くの場合、アジトですぐにバラバラに解体してしまいます。

フレームナンバーさえ消してしまえば、あとはエンジン、外装、電装部品といった「パーツ」として海外へ輸出され、高値で取引されるのです。

②値崩れしない高いリセールバリュー

第二の理由は、高いリセールバリューです。

これは正規の市場での話ではなく、裏社会やヤフオク、メルカリといった個人売買市場を含めた話です。

PCXは中古車相場が非常に安定しており、型落ちのモデルであっても値崩れしにくいという特徴があります。これはオーナーにとっては嬉しいことですが、同時に窃盗団にとっても「確実に利益が出る車種」であることを意味します。

リスクを冒して盗む価値があるだけの金額が動くため、組織的な窃盗グループがターゲットリストの最上位にPCXを載せ続けることになるのです。

③軽量ゆえの積み込みリスク

そして第三の理由は、プロの手にかかれば「持ち去り」が意外なほど簡単であるという物理的な側面です。

PCXはビッグスクーターのような重厚な見た目をしていますが、車両重量は130kg程度しかありません。これは、成人男性が2人か3人もいれば、簡単に持ち上げることができる重さです。

プロの窃盗団は、深夜にハイエースなどのワンボックスカーで乗り付け、ものの数分、早ければ数十秒でバイクを持ち上げて車内に積み込み、走り去ってしまいます。

この「積み込み」という手口を使われてしまえば、どれだけ高度な電子ロックやイモビライザーがついていようと、その場では全く意味を成さないのです。

現場でエンジンをかける必要すらないため、音もなく一瞬で姿を消すことが可能です。

【注意】新型PCX(JK05/KF47)でもスマートキーは無力?

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現行モデルであるJK05やKF47に乗ってるオーナーの中には、スマートキーシステムが搭載されているから安心だと考えているオーナーも多いはず。。

鍵穴がないためピッキングされる心配がなく、鍵を持ったオーナーが近づかないとエンジンがかからない仕組みは、確かに従来のアナログキーに比べればセキュリティレベルは向上しています。

しかし、技術の進歩と共に、それを破る手口もまた進化していることを忘れてはいけません。

電波を悪用するリレーアタック

現在、スマートキー搭載車を狙った最も恐ろしい手口が「リレーアタック」です。

これは、玄関先などに置いてあるスマートキーから常時発信されている微弱な電波を、特殊な受信機を持った犯人の一人がキャッチし、増幅させてバイクの近くにいるもう一人の仲間に中継するという手法です。

バイク側のコンピューターは「正規のキーが近くにある」と誤認してしまうため、解錠され、エンジンが始動してしまいます。

この間、窓ガラスを割ることも、鍵を壊すこともなく、あたかも正規のオーナーが乗るかのようにスマートに盗み出されてしまうのです。

さらに高度なCANインベーダー

また、さらに高度な「CANインベーダー」や「コードグラバー」といった、車の盗難で使われるような電子的なハッキングツールがバイク盗難に転用されるケースも報告され始めています。

これらは車両の配線に直接アクセスしたり、スマートキーのIDコードを複製したりしてシステムを無効化するものです。

原始的だが確実なハンドルロック破壊

窃盗団は、ハンドルを力任せに蹴り上げたり、特殊な工具を使ってテコの原理で力を加えたりすることで、ハンドルロックのピンをへし折る「直結」と呼ばれる手口も依然として多用します。

そして、忘れてはならないのが、アナログ的な破壊工作です。。

スマートキーであっても、ハンドルロックの機構自体は金属のピンで固定されているだけの物理的なものです。

一度ハンドルロックさえ破壊してしまえば、あとは先述したように車に積み込むだけですので、電子的なロックがいかに優秀でも、物理的な破壊の前では無力化されてしまうのが現実です。

警察も推奨!PCXを守る最強の盗難対策5選

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ここまで脅かすような話ばかりをしてきましたが、絶望する必要はない!

窃盗団は「捕まるリスク」と「手間」を極端に嫌います。

彼らに「このPCXを盗むのは面倒だ・・」「時間がかかりそうだ・・」と思わせることができれば、盗難の確率は劇的に下がります。

ここでは、警察も推奨する有効な対策を5つ紹介します。これらを単独で行うのではなく、複数組み合わせる「多重防御」こそが最強のセキュリティとなります。

①物理的に動かせない地球ロック

まず一つ目は、基本にして最強の物理対策である「地球ロック」です。

これは、バイクのホイールやフレームを、地面に固定されている構造物(ガードレール、電柱、コンクリートに埋め込まれたアンカーなど)と一緒にチェーンロックで繋ぐ方法です。

先ほど、PCXは持ち上げられて盗まれると説明しましたが、地球ロックはこの「持ち上げ」を物理的に不可能にする唯一の手段です。

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②視覚的な防御バイクカバー

二つ目は、バイクカバーをかけることです。

非常に単純なことですが、これが意外なほど大きな効果を発揮します。窃盗団は犯行前に必ず下見を行い、車種やロックの状況を確認します。

カバーがかかっていると、まず車種がPCXなのかどうかが一目では分かりませんし、どのようなロックがどこにかかっているかも確認できません。

中身を確認するためにカバーをめくるという行為自体が、不審者として目立つリスクを伴うため、それだけで犯行の抑止力になります。

Taku
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③聴覚への攻撃アラーム付きディスクロック

三つ目は、ディスクロックとアラームの併用です。

ディスクロックはブレーキディスクの穴に装着してタイヤの回転を止める小さなロックですが、これに振動検知アラーム機能がついたものがおすすめです。

バイクを動かそうとしたり、ハンドルロックを破壊しようとして車体を揺らしたりした瞬間に、大音量の警報音が鳴り響く仕組みです。窃盗団は音と光を嫌います。近隣住民の注目を集めることは彼らにとって最大のリスクとなるからです。

地球ロックと合わせてこれを使用することで、物理的な固定と心理的な威嚇の両面から攻めることができます。

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④電波を遮断するスマートキーの節電モード

四つ目は、今すぐ0円でできる対策として、スマートキーの「節電モード(電源オフ)」を活用することです。

ホンダのスマートキーには、キー自体から出る電波を一時的に停止させる機能がついています。具体的な操作方法は、スマートキーの施錠ボタン(鍵のマーク)を長押しするだけです。

キーについたLEDランプが赤く点灯すれば設定完了で、これでキーから電波が出なくなります。帰宅したら必ずこの操作を行う習慣をつけるだけで、先ほど解説した「リレーアタック」を完全に防ぐことができます。

⑤最後の砦「GPS発信機」の設置

五つ目は、万が一盗まれた後の「最後の砦」として、GPS発信機を設置することです。

これは紛失防止タグを、バイクのシート裏やカウルの内側など、分かりにくい場所に隠しておきます。

これらは本来の盗難防止装置ではありませんが、盗まれたPCXや犯人の位置情報を把握できる可能性が高く、盗難直後の車両の追跡や、アジトの特定に役立つことがあります。

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ロックだけでは限界も・・盗難保険は入るべし!

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どれほど強固なロックをしていても、プロ中のプロが本気になれば、油圧カッターやグラインダーを使ってあらゆるロックを切断し、持ち去ってしまう可能性はゼロにはなりません。

また、ロックを破壊しようとした痕跡が残ったり、イタズラで鍵穴を詰められたり、パーツだけをもぎ取られたりといった被害に遭うこともあります。

物理的な対策にはどうしても限界があるのです!

そこで重要になってくるのが、金銭的なダメージをカバーする「盗難保険」への加入です!

保険は、車両本体の盗難だけでなく、マフラーやサスペンションといった高額なパーツ単体の盗難や、鍵穴へのイタズラによる修理費用、さらには盗難時のレッカー代までカバーしてくれるプランもあります。

月々数千円の出費にはなりますが、数十万円するPCXを失い、さらにローンの残債だけが残るという最悪の事態を考えれば、決して高い買い物ではありません!

最後に統括

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PCXは素晴らしいバイクです。その快適さと便利さを知ってしまえば、もう他のバイクには戻れないほどの魅力があります。

しかし、その魅力こそが窃盗団を引き寄せる要因となっているという厳しい現実からは目を背けることができません。

「うちは田舎だから大丈夫!」「マンションの駐輪場には監視カメラがあるから平気!」といった根拠のない自信は、窃盗団にとって格好の隙となります。

彼らはカメラの位置も把握していますし、人気のない時間帯を熟知しています。

PCXに乗るということは、単にガソリン代やオイル交換代を払うだけでなく、「防犯対策費」も維持費の一部として組み込む必要があるということです。

今回ご紹介した「地球ロック」「バイクカバー」「スマートキーの節電モード」は、どれか一つをやれば良いというものではありません。

面倒くさいと感じるかもしれませんが、その「面倒くささ」こそが、愛車を守る最大のバリアになります。

まずは今日から、帰宅したらスマートキーのボタンを長押しして節電モードにする、そしてバイクカバーをかける。この2つから始めてみてください。

そして週末には、頑丈なチェーンロックを買いに行きましょう。

あなたのPCXライフが、悲しい別れで突然終わってしまうことがないよう、今この瞬間から行動を起こしてください。

あなたの愛車を守れるのは、警察でもメーカーでもなく、オーナーであるあなた自身だ!

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この記事を書いた人
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二級二輪整備士:大型二輪免許取得:愛車Lead125
125cc専門の情報発信者。各車種のスペックや走行性能、燃費比較からメンテナンスまで知識ゼロから詳しくなれるよう、すべてを“教科書レベル”で徹底解説しています!

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