
これぞ運転免許証のロマン!
運転免許証の下部にある「免許の種類」欄。ここがすべて埋まっている状態を、マニアの間で「フルビット(完全制覇)」と呼びます。しかし、ただ闇雲に教習所に通えばフルビットになるわけではありません。実は「免許を取得する順番」を一つでも間違えると、一生フルビットにはなれないというシビアな罠が潜んでいるのです。本記事では、免許証の全枠を埋めるための正しい取得順序と、初心者が陥りがちな「普通免許と原付」の関係について徹底解説します。
■この記事でわかること
- 一生のロマン!「フルビット免許」とは一体何か?
- 絶対に間違えられない「フルビット達成への完全ルート」
- 初心者が陥る罠!「普通免許」と「原付教習」の落とし穴
- フルビット達成に向けた「費用・時間・そして覚悟」
- 最後に総括:フルビットは計画性がすべて!まずは「原付」か「小特」から始めよう
一生のロマン!「フルビット免許」とは一体何か?

運転免許には、「車を運転するための資格」という実用的な役割があります。
しかし、世の中には免許証そのものを一つのコレクションとして考え、

どうせなら日本で取得できる免許を全部取ってみたい!
という壮大な目標へ挑戦する人もいます。
その究極形ともいえるのが、通称**「フルビット免許」**です。
普通車はもちろん、大型車、バイク、大型特殊、けん引、さらに旅客運送に必要となる第二種免許まで取得し、免許証の「種類」欄を埋めていく――。
実用性だけを考えれば、ここまで必要になる人はほとんどいません。
しかし、
「全部埋まった免許証を一度でいいから手にしてみたい」
という収集欲と達成感こそが、フルビット免許最大の魅力です。
ただし、フルビットを目指す場合には重大な注意点があります。
免許は好きな順番で取得すればよいわけではありません。
上位免許を先に取得すると、下位免許の欄を埋められなくなる可能性があるため、最初から取得順を計画しておく必要があります。
そもそもフルビットとは?免許証の全枠が文字で埋まった「完全制覇」の証
「フルビット免許」は法律上の正式名称ではなく、免許愛好家などの間で使われている通称です。
現在の運転免許証には、取得している免許の種類に応じて、
「大型」
「中型」
「準中型」
「普通」
「大自二」
などの略称が表示されます。
取得していない種類については「―」と表示されます。
この免許種類欄をすべて埋めた状態が、一般にフルビット免許と呼ばれます。現在の免許制度では、第一種免許と第二種免許を合わせて15種類があります。警察庁の現行書式でも、「大型」から「けん引二種」まで15種類が区分されています。
「ビット」という名称には少し歴史があります。
かつての免許証では、免許の有無を数字の「0」「1」で表示していた時代があり、すべての項目が「1」になる状態をコンピューターの二進数になぞらえて「フルビット」と呼ぶようになったとされています。現在は数字ではなく免許の略称が表示されますが、「フルビット」という呼び方だけが残りました。
つまりフルビット免許とは、
日本の運転免許制度を、免許証の表示上でも完全制覇した証
というわけです。
実用性よりもロマン。
運転免許界における「コンプリートバッジ」のような存在といえるでしょう。
「フル免許」との違いは?空欄(―)があるかないかの決定的な差
フルビットとよく似た言葉に、「フル免許」があります。
両者は同じ意味で使われることもありますが、厳密に区別する場合、
フル免許=すべての種類の車両を運転できる状態
フルビット=免許証の種類欄そのものがすべて埋まっている状態
という違いがあります。
なぜ、このような違いが生まれるのでしょうか。
理由は、上位免許を取得すると、その免許で下位区分の車両まで運転できるからです。
たとえば大型免許では、大型自動車だけでなく中型車、準中型車、普通車、小型特殊、原付も運転できます。また大型二輪免許では、普通二輪も運転できます。
したがって、実際に運転できる車両の範囲だけを考えれば、すべての下位免許を個別に取る必要はありません。
ところがフルビットを目指す人にとっては、それでは困ります。
免許証に、
「―」
が残ってしまうからです。
つまり、
乗れるかどうかではない。埋まっているかどうかだ!
という、完全にロマンの世界です。
大型二輪で400cc以下のバイクに乗れるとしても、「普自二」の文字そのものが欲しい。
大型免許で普通車に乗れるとしても、「普通」の文字も残したい。
この「免許証の見た目まで完全制覇する」ことにこだわるのが、フルビット最大の特徴です。
現在の日本の免許制度における「全15種類」の免許区分一覧
現在、日本の運転免許は第一種免許と第二種免許を合わせて15種類あります。
| 区分 | 免許の種類 | 免許証上の略称 |
|---|---|---|
| 第一種 | 大型自動車免許 | 大型 |
| 第一種 | 中型自動車免許 | 中型 |
| 第一種 | 準中型自動車免許 | 準中型 |
| 第一種 | 普通自動車免許 | 普通 |
| 第一種 | 大型特殊自動車免許 | 大特 |
| 第一種 | 大型自動二輪車免許 | 大自二 |
| 第一種 | 普通自動二輪車免許 | 普自二 |
| 第一種 | 小型特殊自動車免許 | 小特 |
| 第一種 | 原付免許 | 原付 |
| 第一種 | けん引免許 | け引 |
| 第二種 | 大型第二種免許 | 大二 |
| 第二種 | 中型第二種免許 | 中二 |
| 第二種 | 普通第二種免許 | 普二 |
| 第二種 | 大型特殊第二種免許 | 大特二 |
| 第二種 | けん引第二種免許 | け引二 |
なお、AT限定免許や普通二輪小型限定免許などは、独立した免許種類ではありません。
たとえば「普通二輪小型限定」は免許の種類としては普通二輪免許であり、「小型限定」という条件が付いているものです。
また、2026年4月から中型・準中型などにもAT限定免許が導入されていますが、これも免許種類そのものが増えたわけではありません。警察庁もAT免許を各免許の限定区分として扱っています。
そのため、フルビットで狙う基本となるのは、上表の15種類です。
眺めているだけでも、
原付から始まって、最後はけん引二種……。
と、とんでもない長旅になることが分かります。
【要注意】順番を間違えるとアウト!上位免許を先に取ってはいけない理由
フルビットを目指すうえで、最大の注意点が免許の取得順序です。
普通に免許を取るだけなら、
「どうせ将来大型を取るから、最初から上位免許を取ればいい」
という考え方でも問題ありません。
しかし、フルビットではそれが命取りになります。
なぜなら、上位免許には下位区分の運転資格が含まれているからです。
代表的なのが、
- 普通免許と原付・小型特殊
- 普通二輪と大型二輪
- 普通・準中型・中型・大型
などの関係です。
たとえば普通免許を持っていれば、原付と小型特殊も運転できます。大型二輪免許なら普通二輪も運転できます。そして大型免許なら中型・準中型・普通自動車まで運転可能です。
フルビットを狙う場合には、
下位免許を取得して免許証へ記録させてから、上位免許へ進む
という順番が基本になります。
イメージとしては、
原付・小特
↓
普通などの下位免許
↓
準中型
↓
中型
↓
大型
そして二輪でも、
普通二輪
↓
大型二輪
というように段階的に取得していきます。
しかも大型・中型や第二種免許には年齢や一定の運転経歴などの受験資格もあるため、単純に15個の試験を連続して受ければ完成するものでもありません。2026年4月から普通・準中型の受験可能年齢が17歳6か月へ引き下げられるなど制度変更もあるため、実際に挑戦する際は、その時点の公安委員会・警察の最新情報を確認する必要があります。
つまりフルビット免許は、
「全部取れば完成」ではなく、「最初から完成形を逆算して取らなければならない」
ということ。
ゲームでいえば、一度通過すると戻れない分岐があるコンプリート要素です。
何も知らずに上位免許を先に取得してしまうと、
「あっ……このマス、もう埋められないじゃん!」
となりかねません。
これからフルビットを目指すのであれば、最初の免許を取得する前に、最後までの取得ルートを設計することが何より重要です。
そして、この「取り返しのつかない取得順」こそ、フルビット免許が単なる資格集めではなく、一生モノのロマンと呼ばれる理由の一つなのです。
絶対に間違えられない「フルビット達成への完全ルート」

フルビット免許を目指す場合、最も怖いのが取得順序のミスです。
運転免許には、上位免許を取得すると下位区分の車両まで運転できる仕組みがあります。
通常であれば便利な制度ですが、免許証の全15区分を埋めたいフルビット挑戦者にとっては大問題です。
一度上位免許を先に取得してしまうと、下位免許を単独で取得する必要がなくなり、その欄を後から埋められなくなる場合があります。
そのため、

下位免許から取得し、一段ずつ上位免許へ進む。
という原則を守らなければなりません。
一例として、フルビットを目指すルートは次のようになります。
原付・小特 → 普自二 → 大自二 → 普通 → 準中型 → 中型 → 大型 → 大特 → けん引 → 普二 → 中二 → 大二 → 大特二 → けん引二
ただし、すべてがこの順番でなければならないわけではありません。
二輪系と四輪系など、互いに影響しない免許については順序を入れ替えられます。
重要なのは、同じ系統では必ず下位から上位へ進むことです。
第一歩はここから!「原付」または「小型特殊」からのスタートが絶対条件
フルビット挑戦で最初に取得しておきたいのが、
- 原付免許
- 小型特殊免許
の2種類です。
ここで重要なのは、「どちらか一方だけ取ればいい」という意味ではありません。
最終的には原付と小型特殊の両方を、上位免許を取得する前に取っておく必要があります。
取得順は、
原付 → 小特
でも、
小特 → 原付
でも構いません。
しかし普通免許などを先に取得すると、その免許で原付や小型特殊自動車も運転できるようになります。
つまりフルビットを狙うのであれば、最初の段階でこの2枠を確保しておくことが重要です。
原付免許と小型特殊免許はいずれも16歳から取得できます。
なお、2025年4月からは従来の50cc以下に加え、125cc以下かつ最高出力4.0kW以下に制御された「新基準原付」も原付免許で運転できるようになりましたが、免許区分そのものは従来どおり「原付」です。
フルビット挑戦は、いきなり大型トラックや大型バイクから始まるのではありません。
まずは原付と小特という、最も小さな2マスを確実に回収する。
ここが壮大な15種類コンプリートへの第一歩です。
バイク好きの登竜門!「普通自動二輪」から「大型自動二輪」へステップアップ
二輪免許は比較的分かりやすい構造です。
フルビットを狙うなら、
普通自動二輪 → 大型自動二輪
の順番を守ります。
普通二輪免許は16歳以上、大型二輪免許は18歳以上で受験できます。
大型二輪免許を取得すれば普通二輪車も運転できるため、最初から大型二輪へ進むのは、通常のライダーなら効率的です。
しかしフルビットでは、
「普自二」
「大自二」
の両方を免許証へ刻むことに意味があります。
したがって、まず普通二輪を取得し、その後に大型二輪へステップアップします。
小型限定普通二輪から始めても、免許証上では「普自二」という同じ免許種類に属するため、小型限定そのものが新たな1ビットになるわけではありません。
フルビットという観点では、
「普自二」を確保してから「大自二」へ進む
ことが重要です。
バイク好きなら、この区間はフルビット攻略の中でも比較的楽しみやすいパートでしょう。
125cc、400cc、そして大型二輪へ。
単に免許証を埋めるだけではなく、バイクそのものの世界も一気に広がっていきます。
四輪系の攻略!「普通車」から準中型、中型、大型、大特、牽引への道のり
フルビット攻略で最も慎重になりたいのが四輪系です。
基本となるのは、
普通 → 準中型 → 中型 → 大型
という順番です。
大型免許を取得すれば中型車、準中型車、普通車まで運転できるため、フルビットを狙わないのであれば途中を省略する選択肢もあります。
しかし、それをやると免許証上のマスが埋まりません。
そのため一段ずつ取得します。
2026年4月から普通免許・準中型免許は、17歳6か月から試験を受けられるようになりました。ただし免許証の交付は18歳以降です。
一方、中型免許は原則として20歳以上かつ普通免許等の保有歴2年以上、大型免許は21歳以上かつ保有歴3年以上という受験資格があります。一定の受験資格特例教習を修了すれば、19歳以上・免許歴1年以上まで条件を緩和できます。
そのため、フルビットは短期間で一気に完成できる資格コレクションではありません。
年齢と運転経歴そのものが必要になります。
そして四輪系とは別枠で取得したいのが、
- 大型特殊免許
- けん引免許
です。
大型特殊は建設機械や特殊車両などを公道で運転するための免許です。
けん引免許は、大型・中型・準中型・普通・大型特殊などの対象車両で、一定の被けん引車をけん引する際に必要となります。
この2つは「普通→準中型→中型→大型」という一直線の階段とは性格が異なるため、条件を満たした段階で取得して構いません。
フルビット攻略では、
普通 → 準中型 → 中型 → 大型
という上下関係だけは絶対に崩さず、その途中または後に大特・けん引を組み込むと考えると分かりやすいでしょう。
最後の総仕上げにして最難関!プロの証「第二種運転免許」のコンプリート
第一種免許を埋めたら、いよいよフルビット攻略の最終章です。
第二種免許には、
- 普通第二種
- 中型第二種
- 大型第二種
- 大型特殊第二種
- けん引第二種
があります。
第二種免許は、バスやタクシーなどで旅客を運送する場合に必要となる、いわばプロドライバーの免許です。
フルビットを狙うなら、こちらでも下位から上位へ進みます。
特に旅客自動車系では、
普通二種 → 中型二種 → 大型二種
という順番で取得しておけば、それぞれの欄を確実に残せます。
大型二種まで取得すれば大型バスを含む幅広い旅客自動車を運転できますが、最初から上位へ進んではフルビットの意味がありません。
さらに、
大型特殊 → 大型特殊二種
けん引 → けん引二種
という順序も重要です。
第二種免許を先に取得すると対応する第一種免許の意味を包含してしまうため、フルビットを目指すなら、まず第一種側を確実に取得しておくのが基本です。
第二種免許の受験資格は原則として21歳以上で、普通・準中型・中型・大型・大型特殊などの免許経歴が通算3年以上必要です。現在は受験資格特例教習を修了すれば、19歳以上かつ対象免許の保有歴1年以上で受験できる特例もあります。
ここまで到達すれば、残るマスはわずか。
しかし、
普通車
↓
大型車
↓
バイク
↓
特殊車両
↓
けん引
↓
旅客運送
と、日本の運転免許制度をほぼ一周することになります。
つまりフルビット達成とは、単なる資格コレクションではありません。
原付から大型バス、特殊車両、けん引までを一段ずつ攻略した「運転免許界の完全制覇」なのです。
そして何より恐ろしいのは、最後まで到達してから、
「最初にあの免許を取っておけばよかった……」
では遅いこと。
フルビットを本気で目指すなら、最初の原付・小特を受ける段階から、15種類すべての取得順を設計しておきましょう。
初心者が陥る罠!「普通免許」と「原付教習」の落とし穴

フルビット免許を目指すうえで、初心者が最も簡単に踏んでしまう地雷があります。
それが、

とりあえず普通自動車免許を取ろう。
という、ごく普通の判断です。
一般的な免許取得であれば何の問題もありません。
しかし、免許証の全15区分を埋めるフルビットを狙っている場合、普通免許を先に取得すると「原付」の枠を後から埋められなくなる可能性があります。
しかも厄介なのが、普通免許を取れば原付も運転できるため、
「じゃあ原付免許なんて取らなくても同じじゃないの?」
と思ってしまうことです。
実用上はそのとおり。
しかしフルビットでは、乗れるかどうかではなく、免許証に「原付」の文字があるかどうかが問題になります。
意外と知られていない?自動車の普通免許教習に組み込まれている「原付教習」の実態
普通自動車免許を取得するために教習所へ通っていると、「原付教習」を実施している教習所があります。
ただし、ここは注意が必要です。
原付教習は、すべての普通免許取得者が必ず受けなければならない法定必修教習ではありません。
教習所によって、
- 希望者のみ実施
- 任意教習として別料金
- 実施していない
など対応が異なります。
現在も指定自動車教習所の中には、普通免許取得者向けに原付教習を「希望者のみ」として設定しているところがあります。
原付教習を実施する目的は、普通免許を取得すれば原付も運転できるようになるため、実際に原付へ乗る際の基本操作を経験してもらうことです。
アクセル、前後ブレーキ、発進・停止、車体の取り回しなど、四輪車とはまったく異なる操作を体験できます。
しかし、ここで絶対に勘違いしてはいけません。
原付教習を受けても「原付免許」を取得したことにはなりません。
あくまで普通免許取得者向けの練習です。
免許証の「原付」欄が埋まるわけではありません。
フルビット挑戦者にとっては、この違いが極めて重要です。
「普通免許があれば原付に乗れる」が引き起こすフルビット崩壊の悲劇
普通免許を取得すると、普通自動車だけでなく、原付や小型特殊自動車も運転できます。
一般のドライバーにとっては非常に便利な仕組みです。
しかしフルビットを目指す人には、これが罠になります。
たとえば、何も知らずに18歳前後で普通免許を取得したとします。
その後、何年か経ってからフルビットという存在を知り、
「よし!原付免許も取って全部埋めよう!」
と思っても、すでに普通免許で原付を運転できる資格を持っています。
フルビットでは、この時点で「原付」の独立した取得履歴を残せないという問題が生じます。
つまり、
運転できる車両は増えたのに、免許証のコンプリートという意味では失敗
という、何とも皮肉な状態になるわけです。
普通の免許取得なら上位免許を先に取るほど効率的。
フルビットでは逆です。
効率よく取るほど、コンプリートから遠ざかる場合がある。
これがフルビット最大の面白さであり、恐ろしさでもあります。
普通免許取得時の原付講習内容(座学・実技)と、実際の試験場での原付免許取得の違い
普通免許の教習所で行われる任意の原付教習と、原付免許そのものを取得する手続きはまったく別物です。
教習所の原付教習では、実際の原付車両を使い、
- 車体の取り扱い
- 発進と停止
- アクセル操作
- 前後ブレーキ
- 曲がり方
- 安全確認
などを体験する形式が一般的です。
ただし、時間や内容は教習所によって異なります。
一方、原付免許を正式に取得する場合は、運転免許試験場などで原付免許試験を受験します。
警視庁では原付免許は16歳以上から受験可能で、適性試験と学科試験を受けます。合格後には原付講習を受講する流れになります。
指定教習所などで所定の教習を受けずに原付免許試験へ合格した人については、免許取得時に原付講習が必要になる制度も設けられています。
整理すると、
| 項目 | 普通免許取得時の原付教習 | 原付免許の取得 |
|---|---|---|
| 目的 | 原付の操作体験 | 原付免許そのものを取得 |
| 必須か | 教習所によって任意 | 免許取得の正式手続き |
| 学科試験 | なし | あり |
| 実技・講習 | 教習所による | 原付講習あり |
| 「原付」欄 | 埋まらない | 埋まる |
| フルビット上の扱い | 1ビットにならない | 1ビットになる |
ここが最大の違いです。
普通免許の教習中に原付へ乗った経験があったとしても、
「原付免許を取得した」という履歴にはならない
ことを覚えておきましょう。
フルビットを目指すなら「普通自動車の教習所に通う前」に必ず原付免許を取れ!
フルビット免許を本気で目指すなら、最も重要なルールの一つがこれです。
普通免許より先に、原付免許を取得しておく。
さらに完全制覇を狙うのであれば、小型特殊免許についても普通免許などの上位免許を取る前に取得しておく必要があります。
原付免許は16歳から受験できます。
そのため理想的には、
16歳:原付・小型特殊を取得
↓
その後:普通自動車や普通二輪などへ進む
という順番になります。
普通免許の教習所へ申し込んでしまっただけで直ちにアウトになるわけではありません。
重要なのは、
普通免許が交付される前に、原付という独立した免許を確保しておくこと
です。
とはいえ、教習を始めてから慌てて日程を調整するよりも、最初から原付免許を取得してから普通車教習へ進むほうが圧倒的に安全です。
フルビットを知らない人から見れば、
「どうせ普通免許で原付に乗れるんだから、わざわざ原付免許を取る意味ある?」
となります。
その通りです。
実用上の意味はほとんどありません。
しかしフルビット挑戦者にとっては、
その一見無駄に見える原付免許こそ、後から取り戻せない貴重な1マス
なのです。
免許証の完全制覇を夢見るなら、
普通車より先に原付。効率より順番。
この鉄則だけは、最初の免許を取る前に覚えておきましょう。
フルビット達成に向けた「費用・時間・そして覚悟」

フルビット免許を目指すと決めたら、次に直面するのが現実問題です。
15種類もの免許を取得する以上、当然ながら相当な費用と時間が必要になります。
しかも、ただ教習所へ通えばよいわけではありません。
免許によっては指定自動車教習所を利用したほうが現実的なものもあれば、運転免許試験場で直接技能試験を受ける、いわゆる「一発試験」を利用したほうが効率的な場合もあります。
そして苦労して全15種類を埋めたあとには、

この免許証を絶対に失効させてはいけない!
という新たな戦いまで始まります。
フルビットとは、取得して終わりではありません。
費用、時間、技術、更新管理まで含めて楽しめる人だけが挑戦できる、究極の免許コレクションなのです。
総額いくらかかる?全15種類の免許取得に必要な莫大な費用シミュレーション
フルビット取得に必要な総額は、教習所、地域、すでに持っている免許、取得順序によって大きく変わります。
特に指定自動車教習所では、すでに上位・関連免許を持っていることで学科や技能教習の一部が免除されるため、「15種類の料金を単純に足せばよい」というものではありません。
そこで、あくまで一つのモデルとして考えると、次のような規模感になります。
| 取得グループ | おおまかな費用イメージ |
|---|---|
| 原付・小型特殊 | 数千円~数万円 |
| 普通二輪・大型二輪 | 約20~40万円 |
| 普通・準中型・中型・大型 | 約70~120万円 |
| 大型特殊・けん引 | 約20~40万円 |
| 普通二種・中型二種・大型二種 | 約50~100万円 |
| 大型特殊二種・けん引二種 | 一発試験回数などによって変動 |
すべて教習所中心で取得し、補習や再検定なども発生すれば、
総額200万円前後から、条件によっては300万円近く、あるいはそれ以上
になることも十分考えられます。
もちろん、試験場での直接受験を多く取り入れれば費用を大幅に抑えられる可能性があります。
たとえば東京都では、大型特殊二種・けん引二種を試験場で直接受験する場合、2026年時点の初回手数料は受験料・試験車使用料・免許証交付料を合わせて6,900円です。ただし不合格になれば再試験のたびに受験料と試験車使用料が必要になります。
また、一発試験で取得する免許によっては、技能試験合格後に「取得時講習」が必要です。
神奈川県では2026年時点で、普通車講習12,200円、大型・中型車講習18,600円、旅客車講習19,200円などが設定されており、免許によっては応急救護講習も必要になります。指定自動車教習所の卒業者は、これらの取得時講習が不要となります。
つまり、
一発試験=数千円だけで免許取得
とは限りません。
試験料、練習費用、取得時講習、交通費、再試験まで含めて考える必要があります。
フルビットは、免許証の15マスを埋めるだけで、高級バイクや中古車が買えるほどの金額が動く世界なのです。
時間との戦い!指定教習所と試験場での「一発試験」を賢く使い分ける方法
フルビットでは、費用と同じくらい重要なのが時間です。
仕事や学校へ通いながら15種類を取得する場合、すべてを教習所で進めようとすると何年もかかる可能性があります。
そこで考えたいのが、
指定自動車教習所と一発試験の使い分け
です。
一般的には、普通車、普通二輪、大型二輪、中型、大型、各種二種免許など、運転技術を段階的に身につけたい免許は教習所を利用したほうが安心です。
指定教習所を卒業すれば、対応する技能試験が免除されるという大きなメリットがあります。
一方、
- 原付
- 小型特殊
- 大型特殊
- 大型特殊二種
- けん引二種
などについては、試験場での直接受験を検討する余地があります。
特に大型特殊二種とけん引二種は、フルビットの最終盤で立ちはだかる独特な存在です。警視庁でも、この2種類について試験場での直接受験手続きを案内しています。
ただし、一発試験は「安い代わりに簡単」という意味ではありません。
指定教習所なら指導員から、
「今の確認が遅い」
「そのラインでは減点される」
「ここではもっと大きく確認する」
と試験対策を教えてもらえます。
一発試験では、自分で試験基準を理解し、試験場が求める運転を再現しなければなりません。
一度で合格できれば圧倒的に安くても、何度も不合格になれば、
結局、時間も交通費も練習費もかかった
ということがあります。
したがってフルビット攻略では、
難しい免許は教習所、試験場向きの免許は一発試験
と使い分けるのが現実的です。
単純な最安値ではなく、自分の技量と時間まで含めた総コストで判断しましょう。
究極の自己満足!?実用性は皆無でもフルビットを目指すマニアたちの生態
ここまで読んで、
「そもそも15種類全部必要になる仕事なんてあるの?」
と思った人も多いでしょう。
ほぼありません。
大型トラックを運転し、大型バスへ乗り、バイクにも乗り、大型特殊車両を扱い、さらにトレーラーで旅客まで運ぶ――そんな生活を送る人は極めて限定的です。
つまりフルビットとは、
必要だから取得する資格というより、完成させたいから取得する資格
なのです。
鉄道ファンが全駅制覇を目指したり、旅行好きが47都道府県を巡ったりするのと少し似ています。
免許証を見るたびに、
「大型、埋まった」
「次はけん引だ」
「残るは大特二とけん引二!」
と空欄が減っていく。
これそのものがゲームになります。
さらにフルビット挑戦では、普段なら一生運転する機会がないような車両へ乗れることも魅力です。
大型トラック、大型バス、大型特殊車両、けん引車。
単なる免許集めを超えて、
日本の道路を走れる乗り物を片っ端から体験する
という壮大な趣味にもなります。
もちろん費用対効果だけを考えれば、とてもおすすめできる趣味ではありません。
しかし、
免許証の「―」を全部消したい。
その一念だけで何年も挑戦する。
それこそフルビット免許のロマンなのです。
一度でも失効したら全ロス(ゲームオーバー)!更新忘れに対する圧倒的プレッシャー
そしてフルビット達成者にとって、最大の恐怖が免許証の失効です。
15種類を集めるまでに何年もかけ、何百万円もの費用を使ったとしても、更新手続きを忘れれば免許は失効します。
ただし、
「一度でも失効した瞬間、無条件で15種類すべて完全消滅」というわけではありません。
ここは正確に理解しておきましょう。
警察庁によると、免許失効から6か月以内であれば、再取得手続きの際に技能試験と学科試験が免除されます。つまり、更新をうっかり忘れたからといって、その翌日に15種類すべてをゼロから取り直すわけではありません。
しかし6か月を超えると事情は急激に厳しくなります。
やむを得ない理由がなく失効後6か月を超えて1年以内の場合、普通・準中型・中型・大型については対応する仮免許を取得できる特例がありますが、元の免許がそのまま復活するわけではありません。
また、海外滞在や入院など一定のやむを得ない理由がある場合は、失効後3年以内など一定条件のもとで試験免除を受けられる制度があります。
つまりフルビット達成者にとっては、
失効=即ゲームオーバーではない。
しかし放置すれば本当にゲームオーバーへ近づく。
ということです。
15種類を取得した人なら、更新時期の管理はもはや最重要事項です。
スマートフォンのカレンダー、家族との共有、更新通知ハガキ、デジタルリマインダーなど、使えるものは何でも使って、
「免許更新だけは絶対に忘れない」
体制を作っておきましょう。
何年もかけて埋めた15マス。
その免許証を手にした瞬間から、フルビット挑戦者には新たな使命が生まれます。
取るまでがフルビットではない。守り続けてこそのフルビットなのです。
最後に総括


フルビットは計画性がすべて!まずは「原付」か「小特」から始めよう。
フルビット免許は、ただ15種類の免許を集めれば完成するものではありません。
重要なのは、下位免許から上位免許へ進む取得順序です。最初に普通免許などを取ってしまうと、「原付」や「小特」の欄を後から埋められなくなる可能性があります。
本気でフルビットを目指すなら、
原付・小特 → 下位免許 → 上位免許
という順番を最初から設計しておきましょう。
費用も時間もかかりますが、全15種類が埋まった免許証はまさに究極の自己満足。
フルビットへの第一歩は、原付か小特から。計画性こそ最大の攻略法です。
-
125ccTV編集長のまっちゃんです。
125ccTVは、株式会社リーガルプラザ コンテンツ事業部が運営する原付二種・125ccバイク専門メディアです。125ccバイクの選び方から車種比較、カスタム、メンテナンス、用品、ツーリング、免許取得といった原付二種に関する様々な情報を初心者目線で発信していきます。
これから125ccに乗りたい人も、原付二種に興味がある人も、街乗りやツーリングをもっと楽しみたい人も、125ccの“ちょうどいい自由”を一緒に探してみませんか。
ちなみに、「3meals < BIKE」と書いて「3度の飯よりバイクが好き」と読みます。3度の飯よりバイクが好きなあなたのためのサイト作りを目指しております。

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